コーヒーと一緒に、ひと味違ったインディーゲームを。cafe IGD’s tokyoで見つけた注目作品8選

イベント

2023年5月3日、株式会社Polyscape主催によるインディゲーム展示会「cafe IDG’s tokyo」が東京・外苑前のnote placeにて開催され、計33組による作品の展示が行われていた。

本イベントはPolyscape初の作品となる『MISTROGUE ミストと生けるダンジョン』のアーリーアクセス開始を記念し、同社のマーケティングスタッフが発起人となって企画された。ゲーム展示会の開催が絶えない昨今ではあるが、その中でもスタートアップとしてインディーゲーム開発を行う企業が主催となっているのは類を見ないものと言える。

会場であるnote placeがキッチンスペース等を備えた施設ということもあってラウンジエリアではコーヒーのサービスも提供されており、非常にゆったりとした雰囲気の中で楽しめるイベントとなっていた。また開発者による自作品プレゼンのトークショーも併せて行われていた。

本記事では取材陣が気になった作品を8点紹介する。読者の皆さんも気になった作品があればぜひチェックしてみてほしい。

Polyscape『MISTROGUE』

前述したとおり本イベントの主催であるPolyscape社の第一号作品『MISTROGUE ミストトと生けるダンジョン』はローグライク型のアクションゲームで、2023年4月24日より早期アクセスが開始されている。早期アクセスの段階ながら手堅い完成度があり、『不思議のダンジョン』シリーズに代表されるようなクラシックなローグライクゲームが好きな人にオススメしたい一本となっていた。

サブタイトルとなっている「生けるダンジョン」の名の通り、本作の舞台となる迷宮では足場がせり上がったり沈んだりと地形がリアルタイムかつダイナミックに変化していく点が特徴となっている。アイテムを使用することで自ら通路を作り出すことも可能で、限られた足場の中をどのように立ち回っていくかがポイントとなる。

主人公ミストはトレジャーハンターということでアイテムハントも本作の魅力。装備は武器・盾・腕輪・指輪からなり、装備に応じて様々な魔法が使用可能となる。また武器に「技巧秘伝書」を組み込むことで各種スキルを追加するなど、様々な装備を組み合わせていくのもカスタマイズ好きな人にはたまらないものがあるだろう。ただし迷宮内で倒れた場合はアイテム没収となるため、時には進むか引くかの判断も重要だ。
(真野 崇)

Website: https://twitter.com/polyscapejapan

ZephyrStudio『琉奈と悪夢の館』

『モン娘ぐらでぃえーた』を製作したZephyrStudioが次回作として開発中の『琉奈と悪夢の館』は、洋館に囚われた少女「一夜琉奈」を操作して脱出を目指す2Dサイドビュー型のホラーアドベンチャーゲーム。

屋敷の中を移動して脱出の手がかりとなる鍵などのアイテムを探すことになるが、探索中に現れる謎の怪物等には対抗手段が無く、襲われてしまえば一発アウト。そのため、怪物に対しては隠れられる物陰を探してやり過ごす必要が出てくる。

何といっても主人公の琉奈ちゃんの可愛らしさが目を惹くが、体験版の間じゅう縛られたままの状態であり、うっかり何かに目覚め…もとい、早く拘束を解いてあげたいという気持ちに駆られる。キービジュアル等からも”拘束”が本作のキーワードとなりそうだ。本作は2023年内にSTEAMでのリリースが予定されている。
(真野 崇)

Website: https://www.zephyrstudio.jp/

npckc『マロンといっしょ』

npckc氏の『マロンといっしょ』(Marron Helps A Friend)はゲームボーイ用のゲームが作れるツール「GBStudio」で製作された短編アドベンチャーゲーム。元は2019年に英語でリリースされた作品だが、ツールのバージョンアップに合わせて日本語対応が進められており、会場では実際に日本語表示を選択してプレイ可能な状態で展示が行われていた。

物語はフラワーダンス用のブーケを失くしてしまった友達のムギのために、主人公のマロンが4つのブーケを探すこととなる。ブーケを見つけるためにはちょっとしたパズルを解いていく必要がある。会場では1つ目のブーケを見つけるところまでをプレイすることができた。元気でおせっかい焼きなマロンの明るいキャラクターが心に残る作品だ。

会場ではゲームボーイ互換機Analogue Pocketとゲームキューブ+ゲームボーイプレイヤーを用いた形でゲームをプレイできるようになっており、PCゲームを中心とした展示の中でひときわ異彩を放っていた。GB用カードリッジ・PC・スマートフォン等どのプラットフォームでリリースするかについては現在検討中とのことだ。
(真野 崇)

Website: https://npckc.itch.io/

FROGEEKS『SOULPTOR』

FROGEEKS『SOULPTOR』(ソウルプタ)はスポーツのカーリングをベースとした一風変わった対戦ゲーム。カーリング同様、指定されたエリアへ向けてストーンを滑らせ、エリアに入ったストーンの数に応じて獲得できる得点を競うことになるが、得点エリアを増やしたり、障害物となる壁を張るなどの特殊効果を持ったストーンを放つことができるようになっている点が特徴。ストーンはトレーディングカードゲームのように事前に使用する種類を編成した上で対戦に挑むことになる。

マウスのドラッグ操作でストーンを滑らせるパワーや方向を決め、ストーンの発射後はマウスボタンを押しっぱなしにすることでブレーキをかけるのだが、自動車の急ブレーキのようにピタリと止まるのではなくじわじわと減速していくような形となっており、ブレーキのかけ具合が難しい。ストーンを狙った位置に滑らせるという第一歩の奥深さを思いがけない形で味わうこととなった。

会場ではチュートリアルとCPU戦をプレイすることができたが、今後はプレイヤー同士での対戦についても実装したいとのこと。ストーンを止めて相手を妨害する、得点エリアから相手のストーンを弾きだすといった実際のカーリングさながらの攻防がプレイヤー間で楽しめることを期待したい。
(真野 崇)

Website: https://twitter.com/FROG_EEKS

TsuneStudio『漢字インダストリー』

TsuneStudioののりつね氏が開発中の『漢字インダストリー』はタイトルの通り「漢字」を扱う工場自動化シミュレーションゲーム。

漢字の部首を生み出す生成器、漢字を合成する組立機、ベルトコンベアーの役割を果たす輸送機などを配置していき漢字を組み立てていく。「立」と「日」を上下に組み合わせて「音」を作成する、といったように漢字を使うことで何が生産できるかが一目瞭然であり、資源の管理などで複雑な印象のある工場自動化シムを親しみやすいものにしている。

ゲームモードとして生産した漢字を換金して工場を広げていくモードと、指定された漢字を限られた機械と時間で生産していくモードの2種類のモードが用意されている。本作は2023年内にSTEAMにてリリース予定とのことで、ゆくゆくは英語表示に対応して海外のプレイヤーにも漢字の学習に役立てて欲しいと意欲を覗かせていた。
(真野 崇)

Website: https://twitter.com/kanjiindustry

Peng『モミボス』

『モミボス』はPeng氏が開発中の横スクロール型の2Dアクションゲーム。主人公はジャンプと攻撃の他、縦・横・斜めの各方向にダッシュを行うことができ、敵を倒したり針山を避けつつ進んでいくオーソドックスなスタイルとなっている。『モミボス』という特徴的なタイトルについては、開発者のPeng氏のお子さんが言った不思議な言葉が由来となっているとのこと。

試遊で体験できたエリアは針山地獄というべきフィールドだったが、各方向へのダッシュやダッシュジャンプ、空中ダッシュ、急降下、敵を攻撃した際の反動といった各アクションを適切に組み合わせることで明快に切り抜けられるようになっており、高難易度ながらも理不尽さを感じさせないツボを押さえた構成で遊び込みたくなる魅力を備えていた。

それでもストレスになりがちな部分については難易度をマイルドに調整していく方針とのことで、ステージの更なる練り込みに期待がかかる。本作は2024年リリースを目標に開発が進められている。
(真野 崇)

Website: https://www.momibosu.com/

Put Up Thumb『BraveRoute』

個人スタジオのPut Up Thumbのブースではスマートフォン用タイトルとして、ローグライク風パズル『BraveRoute』と、ジャイロを使用し傾き操作で遊ぶアクション『ZombieSlasher』の2作品が展示されていた。このうち『BraveRoute』の方をピックアップして紹介したい。

『BraveRoute』では矢印付きパネルが敷き詰められたフィールドでダンジョンが表現されており、フィールドの外枠をタップしてプレイヤーを配置すると、フィールドの外側へ出ていくまでパネルに書かれた矢印の方向に進んでいく。パネル上にいるモンスターを倒して鍵ポイントを一定以上集めることで次の階層へ進む階段が現れて更に先に進むことができ、どこまで深く潜れたかを競う内容となっている。

進んだパネルの数が増えれば増えるほどHP回復や宝箱の中身のグレードアップといった恩恵を受けられるようになるため、できるだけ矢印がつながっている点を見つけるのがポイント。一度歩いたパネルは消えてなくなり、上にあったパネルが下方向へ落ちてくるため、落ち物パズルの偶然の連鎖のように歩数が増えていくのが楽しい。さらに戦闘シーンでは武器ごとの射程が重要になるなど、コンパクトに見えて多彩な顔を持つ作品となっていた。
(真野 崇)

Website: https://twitter.com/orange_wombat

ExSize『GOSICK ROGUE』

ゲーム制作サークルExSizeの『GOSICK ROGUE』はランダムに生成されるルートからひとつを選んで進み、敵モンスターと戦って報酬としてカードを獲得し、自身のデッキを強化していくデッキ構築型のローグライトゲーム。本作は今夏のコミックマーケットでのリリースを目標に開発が進められている。

本作の特徴は戦闘で使用するカードのドローがランダムではなく、カードに1から10までの番号が割り振られており、必ずその順番通りにカードが配られる点。これによって、攻撃の威力を高めるカードを若番に置き、連続攻撃のカードを後ろの番号に持ってくることで大ダメージを出せるようにする、というようなコンボを意図的に作りやすくなっている。

カードが尽きる10手以内に敵を倒せない場合は逃走するという扱いになり、得られる報酬が敵を倒しきった場合より質が落ちるものになる。しかしながら逃走した場合でも先のステージには進めるため、逃げ切りを狙った耐えるデッキを構築するという戦略も一考に値する。何もかもが運任せというわけではなく、運の面に左右されない確定要素をどのように役立てていくかを問われる点が新鮮に感じられた。
(真野 崇)

Website: https://exsize0303.wixsite.com/exsize

  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。