『マヨヒガ』『オシチヤ』『デンシャ』…サークル小麦畑の名作を振り返りながら最新作フリーゲーム『ダンス・マカブル』をレビュー&攻略

『デンシャ』『マヨヒガ』『オチシヤ』『冠を持つ神の手』…などなど、数々の名作フリーゲームを生み出してきた小麦畑の新作『ダンス・マカブル』が10月12日にリリースされた。本作のキャライラストには、『ひぐらしのなく頃に』のコミカライズや、フリーゲーム『青鬼』のノベライズのイラストを担当している鈴羅木かりん氏が参加、キャラドットはドット京氏が担当されている。また現在開催中の「ニコニコ自作ゲームフェス4」にも投稿されている。

筆者も早速プレイし、最良のエンディングと思われる結末までクリアすることが出来た。今回は、小麦畑の送り出してきた名作の数々を振り返り、そして本作『ダンス・マカブル』の魅力を紹介したいと思う。
本作はマルチエンディングで、クリアするためにいくつかの条件がある。謎解きも肝となる作品のため、自力で解いてクリアする楽しみを味わってほしいと思うが、「どうしてもエンディングが見れない!」という人は、記事の最後にいくつか攻略情報のヒントを載せているので参考にしてほしい

多くの名作フリゲを送り出したサークル「小麦畑」とは

まず「小麦畑」の活動を振り返ってみたい。最近の作品としては、フリゲ2013にて4位に入賞した『デンシャ』だ。祖母のお見舞いに向かう少年が、夢の世界の電車を探索するアドベンチャー。衝撃の結末が心に残る作品だ。

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『デンシャ』

いまだ根強い人気を誇るアドベンチャー『冠を持つ神の手』は、コンシューマゲーム『ガンパレード・マーチ』のように、キャラクターとの関係性をある程度自由に設定できるシステムなどが特徴的。こちらはキャラクターや物語の人気がとても高く、ファン活動が活発に行われている。

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『冠を持つ神の手』

日本文化や民俗学などをモチーフにした脱出アドベンチャー『マヨヒガ』は、システムとしては『ダンス・マカブル』に似ており、謎解きを楽しめるマルチエンディング作品となっている。

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『マヨヒガ』

その他、小麦畑はいくつもの名作アドベンチャーを生み出してきたサークルとして知られてきた。それらの作品はこちらからダウンロードできるので、ぜひプレイしてみてほしい。

少女と謎の神父との出会い、そして大聖堂からの脱出が描かれる

そんな数々の名作フリゲを送り出してきた「小麦畑」の新作『ダンス・マカブル』
とはどんなゲームなのか。ファーストインプレッションとしては、PV動画でも見られるように、立ち絵の2Dキャラクターが活き活きと動くのがまず衝撃的で、グラフィカルな面でリッチなものとなっていた
本作の物語としては、少女「アルエット」と、同じ村に住む幼なじみの少年「ラザール」が、気が付くと見も知らぬ大聖堂に迷い込んでいたところから始まる。
そんな二人の前に謎の男「神父」が現れ…

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少女「アルエット」。大聖堂には何故か彼女の名前が…

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謎の言葉を呟く「神父」とは一体…!?

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目の前に現れた「神父」から離れるように叫ぶ「ラザール」

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画面描写の凝った演出も

小麦畑の過去作品の『マヨヒガ』では、たとえば日本文化の知識があればより深く楽しめるものであった。本作『ダンス・マカブル』は、作中では明言されてないものの、中世頃のヨーロッパの歴史が背景になっており、特にその時に流行した「黒死病」にまつわる話が物語の中核部分となっていると推測できる。そういった背景知識を知っていると、作品世界をより楽しめるものになるはずだ。
本作をクリアされたプレイヤーの方が、そういった背景を含めたクリア感想をブログに書かれているので、クリア後にそちらを参考にしてみると、『ダンス・マカブル』の世界をより深く味わえるかもしれない。

メーレ邸なう ダンス・マカブル公開!
http://tutuyasu.blog104.fc2.com/blog-entry-416.html
※ネタバレ要素を含むため、クリア後に見ることを強く推奨

アイテムを駆使し、大聖堂の謎を解け!

ゲームシステムとしては、「大聖堂」の中で手に入れるアイテムを駆使し、謎を解いていくというもの。特に肝となるシステムは2つ。1つめは、各所で手に入るアイテム「釘」を特定の場所に刺すことで、周囲の闇を払い、進む道を拓くことが出来るというもの。

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周囲に闇が立ち込める中、地面に釘を刺すと…

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周りが見え、先に進めるようになる!

2つ目は、「正気度」システムだ。アルエットの前に何度も現れる男「神父」に話しかけると、物語の重要情報を得ることが出来るが、代償にアルエットの「正気」が失われていってしまう

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ナイフを振り上げ、叫ぶ神父に話しかける…

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神父と話し「正気度」が下がると画面に不気味な模様が出現していき、ゼロになると…!?

少女アルエットを無事エンディングに導くには

本作でエンディングを迎えるためには、アルエットの「正気度」の維持も鍵となっている。しかし、物語の重要情報を得るためには「神父」と話し、「正気度」を失わなければならない…ここにジレンマがあるのだ。
しかし、このゲームには、失った正気度を回復する機会がある。また、その場所までたどり着ければ、エンディングに行くことも近いだろう。また、既に探索した場所へ戻ることも重要だ…、とも付け加えておく。今回は、最後にヒントとなる画像をいくつか挙げ、締めることとしよう

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他とは少し異なる石柱が…

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橋のようだが、良く見てみるとアルファベットに見え…

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ある場所で見つかる、草の冠が鍵に…

さらに詳細な攻略としては、先にご紹介したプレイヤーの方が詳しい攻略のまとめを書かれているので、こちらもご紹介したい。

メーレ邸なう ダンス・マカブル攻略メモ
http://tutuyasu.blog104.fc2.com/blog-entry-417.html
※攻略のネタバレ要素を含みます

『ダンス・マカブル』のクリア時間としては、ひとつのエンディングまでは約2時間。エンディングのコンプリートを目指しても、長くて4、5時間程度だろう。濃密な短編作品を楽しみたい方は、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか?

[基本情報]
タイトル ダンス・マカブル
制作者 小麦畑 様(制作者様サイトはこちら)
クリア時間 2時間~5時間程度
対応OS Windows2000以降(7で動作確認)
価格 無料

ダウンロードはこちらから http://wheat.x0.to/game/danceM/

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
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    poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。