重力を振り切り、創造力を解き放て。ブラジル生まれの探索型2Dアクション『Dandara』

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日々の生活の中では、自分たちを縛るものというのは気付きにくいものである。例えば自分の体を地面に縛り付けている重力のことを、普段どれだけ気にかけることだろうか。
あるいは年を重ねるごとに凝り固まってゆく自分自身の発想の限界というものも、大いに自分自身を縛り付けていくものだ。インディーゲームの中にはそうした自分自身の発想の限界を時として飛び越えていくものがあり、それが筆者がインディーゲームを愛好する理由のひとつともなっている。
そんな作品のひとつとして、今回は『Dandara』という作品を紹介させてほしい。

『Dandara』はブラジルに拠点を置く開発会社Long Hat Houseが制作し、Raw Furyが販売を務める横視点の探索型アクションゲーム。Windows、XBox One、PlayStation4、Nintendo Switch、iOS、Androidの各機種に対応し、Steamおよび各プラットフォームのダウンロードストアにて2月7日より配信されている。

天地無用にして縦横無尽。全方位スーパーアクションを体感せよ!

『Dandara』では主人公ダンダラを操作して敵と戦いつつ迷路を進み、アイテム等を探し出してパワーアップしつつボスの撃破を目指すのが基本的な流れとなる。

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本作の最大の特徴は、横視点型のアクションゲームながら、それを支配する最大の物理法則である「重力」が無いという点にある。
スティック、もしくはマウスやタッチパッドで壁や天井、足場などにある「色が白くなっている」ポイントを指示すると、ダンダラはその地点へ向かって飛翔し、そこが壁だろうと天井だろうとお構いなしに張り付くことができる。

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先に進む場合は床へ天井へ交互に飛びながら移動することになる。アメリカン・コミックスのヒーロー「スパイダーマン」や、宇宙飛行士が宇宙船内を壁を蹴って移動する様子を思い浮かべてもらうのがイメージしやすいだろう。
また、主な攻撃方法である拡散ショットは発射までに若干の溜めを要するため連射が効かず、画面の端まではギリギリ届かないという癖のある武器となっている。

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言葉だけで説明すると制約の多さから不自由な印象になってしまうが、実際にゲームをプレイしてみるとその印象は大きく覆る。ジグザグ移動で攻撃をかわしながら敵の袂へ素早く飛び込み一撃、二撃目は溜めが間に合わないと判断してすかさずその場を離れる…というような、圧倒的に機敏な機動力と溜めの効いた攻撃から生み出されるヒット&アウェイの醍醐味にあふれたアクロバティックなバトルとスーパーヒーロー気分を堪能することができる。

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道中には敵とのバトルのみならず、ショットの反動を使って動かす足場などの様々な仕掛けも待ち受けている。限られた足場の中をどのように渡り、襲いくる敵をさばきながら道を切り開いていくか、頭を悩ませることになるだろう。

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旅の道中にあるキャンプはチェックポイントになっており、敵を倒したり宝箱などから得た「ソルト」を消費することで体力の上限や回復アイテムの効力を向上させることができる。
もしもライフがゼロになった場合は、ペナルティとしてその場所にソルトを半分落とした状態でキャンプからやり直しとなる。倒された場所まで向かえば落としたソルトは回収できるので、やられてしまったからといって意気消沈せず復帰を目指そう。

神秘と創造の世界から自由と調和を取り戻せ

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かつては創造の力に満ちあふれていた世界「ソルト」。しかし今では圧制者によって抑圧され、人々の存在が忘れさられようとしていた。そのような中、ひとりの女性「ダンダラ」が目覚め、自由と調和を取り戻すべく立ち上がる。

本作の世界観は開発元であるLong Hat Houseの地元「ブラジル」からのインスピレーションを得て構成されている。
一例として、主人公である「ダンダラ」が「圧政からの解放」のため戦う、という筋書きは17世紀のブラジルで奴隷制度と戦った実在の女性・Dandara dos Palmaresがモデルとされている。

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他にも上の足の大きな女性はブラジルの絵画「Abaporu」を元にしていたり、標識だらけの道中はブラジルの雑多な街並みから着想されているなど、開発者のツイートからは身近なものから意外なものまで様々なモチーフを確認することができる。
物理法則から解き放たれた空間の上に重ねられた異国情緒と神秘性に満ちた世界観は、本作の存在そのものを、作中の言葉を借りれば「創造のゆりかご」と呼ぶにふさわしいものにしていると言えるだろう。

プレイするならSwitch版がオススメ

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『Dandara』はPC版の他にも現行の家庭用ゲーム機3種とスマートデバイス向けにもリリースされている。複数の機器を持っている場合にはどの機種でプレイすればよいか悩む所だが、筆者としてはNintendo Switchでのプレイを推奨したい。

本作はその開発の当初よりタッチスクリーンとゲームパッドの双方に対応するアクションゲームを目指して制作されており、その操作性を味わう意味でタッチスクリーンとゲームパッドの両方を標準搭載しているSwitchがうってつけだからだ。

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加えて、ゲームパッドでプレイする場合には頻繁に振動が加わるのだが、SwitchのJoy-Conに搭載されているHD振動はただ強力に揺するだけではないきめ細やかな振動を提供してくれる。本作をプレイする上では振動体験も注目ポイントのひとつだと言えるだろう。

『Dandara』は探索型アクションゲームというインディーゲームでの定番ジャンルの中にあって、その新たな可能性を感じさせる作品といえる。日々に閉塞感を感じるならば、本作を手に重力を振り切り、創造力をはためかせてみてほしい。

[基本情報]
タイトル: DANDARA
制作者: Long Hat House
クリア時間:  6時間~
対応OS: Windows / PlayStation4 / Xbox One / Nintendo Switch / Android / iOS
価格: ¥1680

↓ダウンロードはこちらから

(Steam)

(PlayStation4)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/EP2187-CUSA10571_00-JPPS400000000001

(XBox One)
https://www.microsoft.com/ja-jp/store/p/Dandara/BQQD1KHRWWL8

(Nintendo Switch)
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000004801

(Android)
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(iOS)
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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。