今後のアップデートと完成が期待される、注目の制作途中フリーゲーム3選(2021年4月号)

日々、個性豊かな新作が誕生し続けているフリーゲーム。その中には完成品に限らず、現在制作途上のものもあり、公開後も都度実施されるアップデートで完成に向け、着々と進歩し続けている。

本記事では、そんな制作途上のフリーゲームより注目の3本を紹介。

今回はサバイバル戦術SLG、デスゲームアドベンチャー、ダンジョン探索”責任”アドベンチャーと個性の強い3作をピックアップした。どれも今後のアップデート、完成版登場が期待されるタイトルだ。機会があればぜひ、プレイしてその魅力を確かめてみて欲しい。

目次

  1. Ivaxion
  2. マジカルデスペア
  3. ルナダン

Ivaxion

限られた戦力を限界まで駆使し、危機的状況を打開するターン制サバイバル戦術シミュレーションゲーム(SLG)。シミュレーションRPG(SRPG)制作ツール「SRPG Studio」製作品の中でも、飛び抜けた高難易度で話題を呼んだ『ReinPhazer(リインフェイザー)の作者、m.o.3氏が制作中の次回作。まだ全ての章が実装されていない段階ながら、攻略に30~50時間を要する衝撃的な高難易度、ボリュームを特徴とする。

また、ジャンル名が物語る通り、RPG要素は薄め。レベルアップはマップクリア時に全ユニットが一律で実施され、武器、回復薬の使用回数もマップごとの定数のため、リソースのやり繰りは必要とされない。さらにセーブは毎ターンどのタイミングでも可能。戦闘でも確率要素が存在せず、必ず予告通りの結果が出る仕組み。まさにマップ攻略に集中特化したゲームデザインになっている。

裏を返せば、相応に膨大な試行錯誤が試される。何せ、こちらの戦力は常に少ない。それに対し、敵は火力の高い武器と無慈悲な特殊技で殺しにかかってくる。それを導き出されるあらゆる手段を駆使して打開していくのだ。最初の1章から!生半可な思いで挑めばどんなことになるかは語るまでもない。
「殺意」なる数値を貯め込んでの強力なスキルの使用、倒した敵の死体に死霊術をかけて蘇らせ、囮やバリケード代わりにする独自のシステムもあり、それらを駆使しないと突破困難な場面も多数。後半に入っていくにつれ、1マップ攻略に10時間以上費やすのがザラになるだけでも、その熾烈さが容易に想像できるだろう。

まさにSLGに手ごわさと試行錯誤の楽しさを求める人には要注目の1作。難易度選択機能もなく、覚悟のない人お断りの潔い仕様なので、我こそはという方はぜひ挑戦し、四六時中最善の一手を考えてはもがき苦しむ、戦慄の新生活を始めてみよう。

[基本情報]
タイトル:『Ivaxion』
作者:m.o.3
クリア時間:30~50時間
対応OS:Windows
価格:無料
備考:暴力・出血表現あり

ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/21794

マジカルデスペア

(架空の)東京都・四十九駅内の結界に潜む「マモノ」2体を討伐するため、精鋭の魔法使いたち16人が全員ペアを組み、内部で行われる命を懸けた「ゲーム」に挑むストーリーを描いたアドベンチャーゲーム。

厳密には駅内のマップを行き来しながらストーリーを進める、若干の探索要素を持つアドベンチャーゲーム。ただ、ストーリーの根幹に「人狼」を基にした「デスゲーム」の設定があり、主人公の三峯灯香(魔法使い名:ヴァスティーヌ)たちを含む16人8ペアの中に潜む「マモノ」を7時間限定の「自由タイム」に見定め、その後行われる「投票タイム」で疑わしき者を「挑戦者」に決定。最後の「決闘タイム」で多対一の戦闘に持ち込んで討伐するという、独特な流れを通して進行する。

ただ、基本はストーリーを追うことに終始するので、作りそのものはシンプル。だが、参加者間の争いと殺害が禁じられていない「自由タイム」内のルールを端に発するトラブル、約1名を除き、怪しい動きを見せる魔法使いたちの存在感もあり、一瞬たりとも目が離せない緊迫の展開が繰り広げられる。ごく一部の選択肢が現れるイベントでは、判断次第でゲームオーバーに繋がることも。さらに無事「投票タイム」まで進んだ後にも驚きの展開が待っている。登場人物たちの個性付け、ペア同士の関係に関する描写も細かく、カップリング好きの琴線を刺激する仕上がり。他に映像・演出面の作り込みも圧巻で、人によっては見惚れてしまうほどだ。

全5幕のストーリーを予定しているようで、執筆時点では第1幕がプレイ可能。序盤ながら2時間を超えるボリュームで、ストーリー的にも非常に濃い内容になっている。「人狼」、「カップリング萌え」、「魔法少年少女」のキーワードにピンと来るものがあるなら、ぜひプレイいただきたい力作だ。

なお、凄惨な残虐表現を多々含むため、苦手な人はご注意。
また、本作はドネーションウェア(カンパウェア)でもあり、BOOTHのページから作者の八名木氏に寄付も可能だ。

[基本情報]
タイトル:『マジカルデスペア』
作者:八名木(おやすみすみか)
クリア時間:1時間半~2時間
対応OS:Windows、macOS
価格:無料(※ドネーションウェア)
備考:激しめの暴力、出血、身体欠損表現あり

※プレイはこちら(ブラウザ版)
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm17658

※ダウンロードはこちら
https://317.booth.pm/items/2616142

ルナダン

村のはずれに、ひとつのダンジョンがある。
そこに突入し、目的を果たそうとする4人の人物がいる。
だが、中に入れるのは3人が限界。誰かをメンバーから外さなければならない。
そうして、ひとりぼっちにされた仲間はどうなってしまうのか。そんな制約から生まれる「責任」をプレイヤーに問いかける、RPG風アドベンチャーゲーム。

基本的に拠点の村、ダンジョンの2つのマップを行き来し、進めていく構成。最終的には5日間の内に各々が掲げる目標を成し遂げることに取り組んでいく形になる。見た目は懐かしい雰囲気漂うRPGだが、戦闘要素の搭載は予定されていないようで、キャラクターたちとの交流とダンジョンの探索に重きを置いている。しかしながら前述の通り、ダンジョンの探索に参加できるのは主人公と仲間2人だけ。1人は村の外で放置される形になる。それによってひいきしたキャラクター、蔑ろにしたキャラクターに分けられ、最終的なエンディングが変わってくる仕掛けが凝らされている。しかも、作者のTwitterモーメントによればキャラクターそれぞれに個別のハッピーエンド、バッドエンドを用意しているとのことだ。

若干、仮定が混じった記述になっているが、それは現在「ゲームアツマール」にて公開中のプロローグ版ではその辺のシステムまで体験できないことに由来する。あくまでも舞台となる村、世界観、探索が始まる導入部が見られるだけだ。具体的な内容はこれからのアップデートで追加されていくと思われる。
ただ、現時点でも懐かしい香り漂うドット絵で描かれたグラフィック、少しメタフィクションを感じさせる要素とほんのり毒気の混じった台詞回しなど、多くの見所がある。ここにキモである仲間外れにする「責任」を問う要素がプラスされることで、どうエグくなるのか。これからの拡張に注目したいタイトルだ。

[基本情報]
タイトル:『ルナダン』
作者:ぼうそう
クリア時間:5~10分
対応OS:Windows
価格:無料

※プレイはこちら(ブラウザ版)
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm18465


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