日本最大のアナログゲームの祭典「ゲームマーケット2016秋」 印象的な13ブースを紹介

アナログゲーム,イベントレポート

12月11日、冬の海風が吹く東京ビックサイト東7,8ホールにて、国内最大のアナログゲームの祭典「ゲームマーケット2016秋」が開催された。

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今回は主催者発表でも来場者が12,000人を超え、出展企業・サークル数も530と過去最大になり、回を重ねるごとに増える参加者にアナログゲームの盛り上がりを感じる。

朝の入場待機列は人数の増加が見込まれた為、入場口が変更されるなどの対応がとられ、10時からの開場にも関わらず筆者が来場した8時頃には既に長蛇の列が出来ていた。

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開場後は各々目当てのブースに移動し、広大なホールはすぐに大勢の人で溢れた。頒布数の少ない注目作などは午前中の間に次々と完売していた。
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今回の記事では、本イベントに参加したサークルのうち、筆者が気になった企業・サークル及び2ブースを紹介する。

オインクゲームズ

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今回初の試みとなるエリア出展は1区画を自由にレイアウト出来るということで、会場中央に出展していたオインクゲームズは既製品や新作「死ぬまでにピラミッド」の試遊を中心にとても賑わっていた。

Saashi&Saashi

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オシャレなイラストとしっかりしたゲーム性で出展のたびに話題となっているサークル「Saashi&Saashi」はハーフカメラをモチーフにした「フィルムを巻いて!」を頒布。入場口目の前ということもあってか、終始人が絶えなかった。

四等星

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初参加のサークル「四等星」は事前告知でのハンバーガーイラストが目を引いた「FINAL BURGER」や、エロ本収集ボードゲーム「リビドー」、既出のゲーム「セブン」の新ルールとして出された「ラミネートラミー」を頒布し、注目を集めていた。

蒼猫の巣 出張所

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海外のクラウドファンディングで発表されたゲームを個人サークルから日本版にローカライズして頒布された動物の顔真似ゲーム「そんな顔してどうしたの?」。
既存のゲームを個人サークルがパブリッシャーとなり発表する形は、新たな流れを感じさせる。

カタンフリークス

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名作ボードゲーム「カタン」の解説本「カタンブートキャンプ」を頒布したカタンフリークスでは、自作のカタン養成ギプスコスプレをした九州カタンクラブの秋との子さんが呼込みをして目を引いていた。

賽苑

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今回ゲーム性の高さと同人作品とは思えないアートワークによって開催前から大きな話題になっていた「リカーーーリング」。
近年は同人作品が企業からリメイク販売されることも多くなっているが、もはや完成度でその差を図ることは難しくなってきているように感じる。

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その独特な見た目から話題沸騰だった「TOKYO HIGHWAY」はマドラーに使われている木の板であろうものを道に見立てて高速道路を作っていくゲームだ。
手作り感とプレイ自体のアナログ度合が観ても遊んでも楽しい一作だった。

ノスゲム

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ウッドバーニングと手着色によって作られた「マトリンゴ」は、8000円という価格にも関わらず完売していた。
もはや工芸品のような作品を見られるのもアナログゲームイベントならではの醍醐味だ。

篠原遊戯重工

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「裏裏表」はβ版として頒布されていた作品。箱の中はルールとカード構成を変えたトランプが入っている。価格を抑えることができ、改良が容易であるので、まずこのような形で出せるのはアナログの強みだろう。

モグワイ

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「朧ニンジャスタートリック」は無地箱に自家印刷の表紙を貼り、レーザーカッターで作られた手裏剣やおにぎりがコマとして封入されたゲーム。テスト版ということで1000円という低価格で10部程度が頒布されていた。テストという形で逆に凝ったことも出来るということを実感させられた。

Power9Games

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過去作である「ひつじとどろぼう」は1000部製作したものが店頭在庫のみになったという人気作。
一方でチャック袋に名刺印刷のカード、少数のキューブだけで作られたテスト版「龍と政略」は近年では中々見られなくなったスタイルだ。商業志向が強まっているゲームマーケットの流れに一石を投じているように感じた。

プレイスペースストリート

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今回初の試みとなるプレイスペースストリートでは、ここ数年で急激に増えた都内近郊のボードゲームプレイスペースが出展し、様々なゲームが遊べるイベントスペースとなっていた。

こどもゲームコーナー

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来場者の増加に伴い親子連れも多数参加するようになったゲームマーケットでは、低年齢からでも遊べるゲームを取り揃え、遊びに来るだけでも楽しい特設スペースも設けられていた。

会場も広がり、出展数も過去最大となった今回のゲームマーケット。様々な目的があってそれぞれの楽しみ方をしているように感じられた。アナログゲーム業界自体が商業的に大きくなっていく一方で、“インディーズ”ならではの自由さを垣間見られたような今回のゲームマーケットだった。

これから先どのような広がりを見せていくのか楽しみなイベントだ。
なお、次回は関西での開催となる。

【次回開催概要】
ゲームマーケット2017神戸
2017年3月12日(日) 10時~17時
神戸国際展示場(3号館)
詳細はゲームマーケット公式HP

  • おこげ(@orokoge

    デジタルゲームで一番プレイしたのは『ワールド・ネバーランド』初期2作。現在はゆるふわボードゲーマーとして僻地高知でマンガをメインに雑多な趣味で広く浅く活動中。