女の子中心パーティで歪んだダンジョンに挑む、ゆるくて骨太、ちょっぴり百合もあるRPG『ガールズパーティ!』

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……という感じに、今回紹介するのは『ガールズパーティ!(正式名称:ガールズパーティ! 少女と歪みの迷宮)』というロールプレイングゲーム(RPG)である。その名の通り、女の子中心のパーティを編成してダンジョン探索、戦闘などに挑んでいくというものだ。

2019年3月6日より、フリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」にて公開。「RPGアツマール」ではブラウザ版も公開されている。(※ただ、作者のいぬまし氏いわく、頻繁に読み込みが入る関係でテンポが悪いため、PCダウンロード版推奨とのこと。)

物語ユルめ、ゲームは本格的の意外性抜群のRPG

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とある辺境の土地。ここに「歪み」と呼ばれる時空の扉が大量発生するようになった。
歪みからは異世界の魔物も現れ、人々に危害を与えるようにもなって大きな問題に。
この事態を解決するため、女性冒険者「リノ」は歪み調査の活動拠点へとやってくる。
そして、志同じく集まった他の冒険者と共に、真相を解き明かす探索に出る。
果たして、その先には何が待つのか。

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少々シリアスなあらすじだが、主要登場人物(厳密には冒険者たち)の大半は女性。基本は彼女たちがキャッキャウフフなやり取りを繰り広げる、ユルい作風の物語となっている。

時折、シリアスなイベントも挟まるが、全体の比率としては2~3割程度。
それもあって、あまり肩に力を入れる必要もなく楽しめる内容だ。

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女性陣も個性派揃いなので、その手のやり取りをお求めの紳士的、且つ百合大好きなプレイヤーなら大満足この上なし。男勝りにおしとやか系、幼女、眼鏡っ娘(+猫耳)まで、色々網羅してますので、大いに満腹となることでしょう。

しかし、ところがどっこい、ちょい待った。
肝心のゲーム部分は本格的。
腰を据えて挑む姿勢が求められるRPGになっている。

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紹介が遅れたが、本作はダンジョン探索&攻略型のRPGだ。流れとしては「ネイブルウッド」と呼ばれる村を拠点に、「歪み」と呼ばれるダンジョン内へと突入。階層を踏破しながら最深部を目指していく。

最深部にはボスが待ち受けており、撃破すればそのエリアはクリア。そして、新たな「歪み」に繋がる続きのエリアが出現するので、再びそこへ突入し、最深部を目指す。以降はその繰り返しだ。

いわゆるローグライクな構成になっている。さらに階層ごとの構造はシャッフル方式で、入るたびにマップが変わる。これもローグライク風だが、シャッフルというのがミソ。つまり、あらかじめ作られたマップがランダムで選ばれていくのだ。なので、最初は草原だったのが、次は神殿、その次は学校と、カオスの極みな展開が繰り広げられていく。

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また、階層には数多くのアイテムが落ちていて、近くで決定ボタンを押すと回収できる(※オプションの接触回収機能をONにすれば、触れるだけで回収可能)。このアイテムの大半が装備品なのも大きな見所。拠点には店があるのだが、売られているのは消耗系のアイテムだけ。武器、防具などの装備品は一切ないのだ。

したがって、ダンジョン内で拾って調達していくのが基本となる。おまけに量が多いので、ザクザク手に入る。拠点で購入できない制約を相殺するかのような設定だ。しかし、何かそれって裏がありそうな、と思ったら実に鋭い。

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大体ご想像の通り、装備にはレアリティが設定されている。基本的に簡単に手に入るものの大半は平凡な装備。より強力なものをお求めなら、ガチャを引き当てる気持ちでガンガン回収するか、宝箱を見つけて開けていくしかないのだ。

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いわゆる「トレジャーハント(トレハン)」をフィーチャーした設計になっている。特に宝箱は普通に開けられるもの以外に鍵が必須の種類が複数あり、グレードの高い宝箱ほど、レアな装備が手に入れられる。
だが、その鍵に限って入手が難しかったり、買うにしても高額のお金が要求される。そもそも、マップがシャッフル方式だけあって、その宝箱に巡り逢えるかどうかも時の運。

それもあって、根気が試されるバランス。これぞトレジャーハント、と言わんばかりの追求し甲斐抜群の作りになっている。しかも、手に入れたアイテムは図鑑に記録される”分かっている”機能も完備。コンプリートのやり込みも熱い。

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敵との戦闘でも時折、稀少な鍵が手に入ることがあるなど、「ハック&スラッシュ(ハクスラ)」の要素が凝らされているのも見所だ。なので探索にしろ、戦闘にしろ、積極的に挑んではアイテムを手に入れていくのが攻略のキモ。

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こんな具合にストーリー、キャラクターはユルい作風でありながら、ゲームはガチガチのガチと言わんばかりの骨太な仕上がりとなっている。女の子がキャッキャウフフする物語を求めて遊んだはずが、気が付けばレアな装備を求めて探索と戦闘を繰り返すのに集中してしまうという、とんでもないギャップを秘めたRPGなのである。なんてこったい。

戦術・戦略を練る醍醐味を突き詰めた、高度な戦闘バランス

それでいて、難易度もユルさ皆無の歯応え抜群という盤石の仕上がりである。
本作最大の魅力はまさにそこにある。全体的に高度なバランス調整が施されているのだ。

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戦闘システム自体は、RPGとしては王道も王道のコマンド選択タイプだ。素早さ(AGI)の数値の高い順から行動していく流れで展開する。また、属性相関もあり、弱点に当たる属性で攻撃すれば大ダメージを与えられるほか、こちらに耐性があればダメージが減少、数値が一定量を上回れば回復効果まで及ぼす設計になっている。

ほかにこれと言って特徴的な要素はない。ザ・スタンダードの作りだ。
しかしその分、バランス周りの調整が驚くほど入念。序盤から終盤まで、一貫して戦術・戦略を練る必要性を問う戦闘を描いているのだ。

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特にボス戦は象徴的な部分。レベルを上げる以外にも、属性を踏まえた装備の変更と言った入念な準備をして挑まなければ、返り討ちにされるほど手ごわい難易度になっている。

攻撃パターン、仕掛けの面でも一方的、且つヌルくしないようにする徹底した工夫が光る。ボス本人がパワーアップしたり、想定外の状態異常技を繰り出して回復役が行動不能になって、有利だった戦況がひっくり返されるハプニングが何かしらあり、プレイヤーを焦らせてくるのだ。その結果、挽回不能に陥ることもあるので、一瞬たりとも気が抜けない。いい加減に力押しを考えたが最後。強烈なしっぺ返しが確約されるのだ。

このような調整が施されているのもあって、どのボスも戦い甲斐抜群。さらに戦闘直前に全回復ポイント、セーブポイントも設置する公平さを尊重した配慮も施されていて、不快な気持ちにもさせられることなく、真っ向勝負を楽しめるのである。

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RPGはボス戦が最も面白く、盛り上がる場面だとお思いのプレイヤーなら、本作のバランス調整の巧みさには舌を巻くこと間違いなし。キャラクター達が育ってくる終盤になると難易度が低下する展開を嫌うなら、感動すら覚えるかもしれない。

しかし、スクリーンショットだけの印象ならこう思うはずだ。
「こんなユルいキャラが敵で出てくる戦闘がバランスいいって、マジかよ」と。

断言しよう。マジのマジだ。
ボス戦にフォーカスしたが、雑魚戦も序盤こそ簡単ながら、中盤が過ぎると属性相関を意識した戦術を心がけないと、返り討ちにされかねない強さになる。基本、レベルを上げれば大丈夫……とはならない。あらゆる要素を活かした作戦が重要なのだ。

百聞は一見に如かずだ。
気になればぜひ、ゲームをプレイして感じ取ってみていただきたい。最初は変な敵キャラクター達の数々に脱力してしまうだろう。人によっては、愛着すら抱くかもしれない。

だが、ある時を境に全てが脅威へと様変わりするのだ。
その瞬間を刮目いただきたい。
この作品の本格的たるゆえんを思い知るだろう。

きっとあなたは夢中となるだろう、ゲームの方に!

戦闘に関しては、自由なパーティ編成も見所の一つ。本編は主人公のリノを加えた、四人でダンジョン探索に挑むのだが、三人を誰にするかはプレイヤーのお好みで選べ、様々な強みを持ったパーティを作れる。

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▲待機メンバーにも自動的に経験値が入る、嬉しいシステムも。

キャラクターごとの個性付けも面白く、それぞれ固有の属性も設定されているので、この歪み(ダンジョン)ではこのキャラを……という具合に編成する楽しさもバッチリ。

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さらにそれぞれのキャラクターには「親睦度」が設定されていて、それによってストーリーの会話イベントで登場するキャラクターが変わってくる仕掛けも。

拠点の宿舎にある「ベッド」で一睡すれば、親睦度に応じてキャラクターがスキルを獲得したり、本編とは関係ないダンジョンが解禁されるイベントも起きるので、積極的に伸ばす分、楽しみも増える。
メンバーがメンバーだけに、百合成分強めの会話劇もあったりするので、その種のものをお求めの方もぜひ、励んでみていただきたい。

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ボリュームもメインストーリー15~20時間以上、アイテムに敵ごとの図鑑をコンプリートする収集要素、サブダンジョンとEXボスの撃破などのおまけも満載で、極め甲斐抜群。ここまでの通り、キャラクターのデザインも個性的の極みで、特に脱力感満点の敵キャラクター達は必見。彼らの所見を綴った図鑑のテキストも要チェックだ。

全体的に雑魚も含めて敵の体力が高めの関係で戦闘に時間がかかりがち、落ちている装備のバリエーションが乏しくて中盤以降から物足りなくなる、設定的に仕方がないとは言うものの質素すぎる拠点マップの全体像など、粗さを感じてしまう部分も幾つか。ダンジョンも終始、シャッフル方式の階層を突破する展開に終始する関係で起伏が無く、終盤辺りになると単調さが際立ってくる。

また、敵とのエンカウントはシンボル方式なのだが、追跡されている状態での横切りが接触判定に扱われるのは結構なストレス。この辺はツールの都合もあるかもしれないので、難しいのかもしれないが、できれば緩くして欲しかったところだ。

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ただ、全体的な完成度は非常に高く、特に戦闘バランスは突出している。トレハン、ハクスラの要素もやり応え抜群、ボリュームもたんまりと、本格的な仕上がりの本作。RPG好きならぜひ、プレイしてみていただきたい意外性抜群の傑作だ。
もちろん、女の子同士のやり取りをお求めの方にもおすすめできる。

だが、遊んでいく内にゲーム部分に心を奪われちゃうことでしょう。
……なってたまるか?なっちゃいますよ、きっとね……。

[基本情報]
タイトル:『ガールズパーティ!』
制作者: いぬまし
クリア時間: 15~20時間
対応OS: Windows
価格: 無料
備考: 対象年齢12歳以上推奨(※セクシャル表現あり)

ダウンロードはこちらから
※ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/19682

※RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm7742

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