レトロスタイルカーレース『Hotshot Racing』ドリフト&ブーストでぶっ飛ばせ!

現在ではごく当たり前に用いられている「ポリゴン」や「テクスチャマッピング」などの3次元映像技術は、1990年代前半ごろにはまだ物珍しい先端技術であり、それらを本格的に導入し始めたセガ『バーチャレーシング』『デイトナUSA』やナムコ『リッジレーサー』シリーズなどの3Dレースゲームの数々は、当時のゲームセンター(アーケードゲーム)における花形のひとつとなっていた。
その当時子供だった筆者にとっても『バーチャレーシング』のトンガッたビジュアルは、ゲーム内のF1カーをうまく走らせる事ができなかった思い出と共に刻み込まれている。

今回紹介する『Hotshot Racing』はそんな時代の空気を感じさせてくれる、レトロ・アーケードスタイルの3Dレースゲーム。
販売はCurve Digital、開発は英Lucky Mountain GamesとSumo Digitalが担当し、日本語表示にも対応している。2020年9月11日よりWindows PC版がSTEAMにて、XBox One版がMicrosoft Storeにて配信されている。海外のみPlayStation4ならびにNintendo Switch向けの各ストアでも配信中だ。

奇をてらわず気軽に楽しめる正統派レースゲーム

『Hotshot Racing』における原色ポリゴンによる荒くカクカクしたビジュアルは、ポリゴンの表現技術が発展途上にあった90年代初頭を知る者にとっては懐かしさを覚えるものだろう。ご丁寧に人物までカクカクなのだから恐れ入る。

しかしカクカクだからといって見た目に乏しいかと言われれば全くそんなことはない。青い
海が広がる海岸、荒涼とした砂漠、白く雪化粧した山々、ジュラシックな密林といった華やかな景色の数々は目を楽しませてくれるほか、ガラス張りの水族館やカジノのレッドカーペットの中を進むコースもあるなど意外性にも富んでいる。

ゲーム内容は至ってオーソドックス。8人のドライバーと4種類の車から1台を選択し、車を運転して制限時間内にチェックポイントを通過しつつ、サーキットを規定回数周回すればゴールとなる。1人プレイ用のグランプリモードでは全4ステージを走り抜き、ゴール時の順位に応じてもらえるポイントによって最終順位を決定する。また、オフラインの画面分割で4人まで、オンラインで8人までの対戦プレイも可能だ。

アーケードスタイルと銘打たれている通り「ゲームセンターで見かけてちょっと100円入れてみる」感覚でスパッと始められてスパッと終われる、とても気楽な感触に仕上がっている。

派手なドライビングテクニックでぶっちぎれ!

本作のドライビングはシミュレータ志向ではなく、豪快な挙動でブイブイ言わせるスタイルとなっている。その中でも重要なシステムとなっているのが、強力な加速を得ることができるブーストと、ブーストをチャージするためのドライビングテクニックだ。

ブーストはタイヤを横滑りさせ速度を殺さないように曲がる「ドリフト」や、走行中の車の後ろに付けて風除けにすることで空気抵抗を減らして速度を伸ばす「スリップストリーム」を使うことでゲージが上昇。ゲージがあるときにボタンでブーストを発動することができる。最大4回分までストック可能だが出し惜しみせずに使っていくと良いだろう。

また、スリップストリームは加速効果が高く設定されており、ライバルカーの後ろにつけることを少し意識するだけでみるみるうちに目の前の相手に追い付くことができる。スリップストリームを利用しあおうとして必然的に車同士が一団で固まることも多くなり、白熱する抜き合い・差し合いが楽しめること間違い無しだ。

多彩なゲームモードでアクション映画気分!

唐突だが、1994年公開の『スピード』という映画をご存じだろうか?
『スピード』は時速50マイル(約80km/h)以下の速度になると爆発するという爆弾を仕掛けられたバスを舞台に、爆弾を仕掛けた爆弾魔とバスに乗り合わせた警察のSWAT隊員との駆け引きが繰り広げられるサスペンス・アクションで、俳優キアヌ・リーヴスの出世作ともなった大ヒット作だ。

『Hotshot Racing』にはそんな映画『スピード』のごとく「車の速度が一定以下になると車が爆発する」という、これまでにありそうで無かったゲームモード「炎のレーサー」(Drive or Explode)が搭載されている。
このモードではスピードが落としにくくなることによりカーブが曲がりづらくなるため、コース取りの緊張感が高くなる。加えて爆弾の下限速度リミットが時間経過と共に徐々に上昇して車の制御がより効きにくくなっていくなど、壮絶なサドンデスバトルが展開される。

この他にもゲームモード「泥棒ごっこ」(Cops and Robbers)は、その名の通り泥棒と警察に分かれての鬼ごっこ風ルールとなっており、警察は泥棒にタッチして捕まえ、泥棒は警察から逃げ切る事で資金を獲得し、その総額を競うことになる。泥棒側の車のHPが無くなると新たな警察となるため、粘る泥棒に対しては警察側の人数を増やして挑みたい。こちらのモードも映画さながらのカーチェイス模様が味わえる。

本作はシビアなタイムアタックに終始しない、一風変わったスタイルが楽しめる遊び心にあふれた作品と言えるだろう。

[基本情報]
タイトル: Hotshot Racing
制作者: Lucky Mountain Games, Sumo Digital
クリア時間:  1時間~
対応OS: Windows , Xbox One, PlayStation4(海外のみ), Nintendo Switch(海外のみ)
価格: $19.99

↓ダウンロードはこちらから
(STEAM)

(Microsoft Store)
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/hotshot-racing/c11hcjpqfhh7


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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。