『インフレクエスト2』人気実況者が400時間かけて作ったフリゲは、インフレが半端ないRPGだった

ニコニコ動画やYoutubeなどでは、フリーゲームの実況が人気だ。ホラーゲームで絶叫が得意な実況者、モノマネがうまい実況者、ラジオのパーソナリティのように饒舌な実況者など、実に個性豊かだ。そんな実況者の中に、実際にゲームを作ってしまう者がいてもおかしくはないだろう。

今回紹介するフリゲRPG『インフレクエスト2』は、人気実況者のまっくす氏が制作した中編RPG。まっくす氏は、鬼畜な死にゲー『I wannna be the guy』の実況などで知られるようになった人気実況者だ。


前作『インフレクエスト』(2014年)は3日で作ったとのことだが、今回の『インフレクエスト2』は、400時間かけて作られた大作だ(※)。前作と同じインフレをテーマにしており、クッキークリッカーのようにとにかく増えていく数字を楽しみながら、ちょっとおふざけ要素が強いながらもしっかりとRPGのストーリーと戦闘を楽しめる作品に仕上がっている。

※制作時間は、プレイ中にとあることを達成するとその事実が明かされるので楽しみにしていただきたい。

人に成り代わって旅をするスライムの物語

さて、この 『インフレクエスト2』の主人公は、魔王軍で底辺扱いされているただの「スライム」。ある日攻めてきた勇者一行を迎え撃つために駆り出されるが…ひょんなことから人に乗り移ることができる能力に目覚める。そして、魔王城に帰るべく世界を旅し始める。

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さえないスライム

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幼女に乗り移ったスライムなかなか口調が汚い

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キャラクターのアートワークは手描き風のシュールなものも多く、かなりカオスな様相を呈する

乗り移る能力は途中から変身能力へと進化する。世界各地で出会う特徴あるキャラクターと会話すると、即座に姿を変えられるようになる。強さは分からないが、スキルや戦闘時の特性が変わるのもポイントだ。また、町中での会話も、変身を使い分けることで変わり、特殊なイベントが発生することもある。

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スキルは変身ごとに色々と異なり、重要な要素の1つ。

スライムは旅をするうちに、自分の故郷スライ村に立ち寄ったり、勇者の戦いを目の当たりにし、強くなろうと決意する。悪ノリが激しい主人公なので、感情移入はあまりできないかもしれないが、彼の旅がどう展開するのかは妙に気になってしまう。

インフレする楽しさ

そして、このゲームの最大の特徴でもあり醍醐味が戦闘要素の「インフレ」。敵味方ともに、HP、攻撃力、経験値、レベル、所持金といったあらゆるパラメータがインフレしていく。ドラゴンボールの比ではない。レベル53万など一瞬で通り過ぎ、その桁は兆を優に超え、見知らぬ漢字が現れ始める…。

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ゲーム開始当初

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すぐにこのインフレである。

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だんだん桁がおかしくなってきて…

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何が何やら。

数値のインフレが激しいゲームというと、ブラウザゲームの『クッキークリッカー』を初めとする一連のゲーム群があり、RPG要素を強めたものとしてスマホゲームの『Tap Titans』なども以前もぐらゲームスでは紹介している。

とにかく、すさまじい勢いで増えていく数字に快感を覚えるようになってくる。しかし、クッキークリッカーのようなクリックやタップといった単純操作で遊べるゲームとこのゲームは一線を画している。

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桁はまだまだ増えていく…

いくつか存在するダンジョンを巡っていくことになるのだが、1つのダンジョンをクリアしてから次に移った瞬間に遭遇する新たな敵キャラの強さが段違いなのだ。このゲームの戦闘はアクション性の高いものになっており、新たなエリアに入ってから最初に行われる戦闘の緊張感はなかなかのものだ。

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新エリアで最初に出会う敵は突然の強敵!(倒すと膨大な経験値が入り、レベルが倍に跳ね上がるんなんてこともザラ)

もちろん、すごい勢いでレベルが上がっていくので、何度も戦っていると先ほどまで苦戦していた敵が次以降は一撃で死んでいくというなんとも言えないインフレを経験することになる。非常に苦戦する部分とバサバサと敵を斬って進める部分のテンポは絶妙なので、プレイしていてあまりストレス無く、ハクスラのノリでサクサク進める

死にゲーのごときシビアなアクション性と難易度「ドM」

先ほど述べた、本作の戦闘システムだが。アクション性が高く、そこそこ難しい。マス目を移動しながら戦うリアルタイムの戦闘になる。敵は一定間隔で矢印を表示してくるので、その矢印の指し示しているマスにとどまり続けると、矢印が消えるときに攻撃を受けるというもの。そしてプレイヤーは前列の2マスにいるときしか攻撃ができない。敵によって攻撃のテンポが異なるが基本的にタイミングは早いので手元はかなり忙しい

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斜め移動もできるので駆使しよう!

敵の強さのインフレも相まって、敵の一撃はかなり強力になる。特に、新エリアに入って最初に遭遇する敵の攻撃は即死級になる。そのため、一撃も食らわないようにしつつ、攻撃するという、さながら「死にアクションゲー」が成立している。まさに『I wanna be the guy』など数々の鬼畜ゲーに時に涙しながら挑んできた制作者まっくす氏だからこそ実装したシビアさではないだろうか。

なお、制作者まっくす氏からの挑戦状といってもいいであろう要素が、難易度設定だ。通常のイージー、ノーマル、ハードはプレイ中にもとある方法で変更可能だが、それ以外に、ほぼストレスフリーで進める「ベイビー」、ややきつめの「マニア」、そして超難易度として「ドM」が存在する

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筆者は初プレイを「ドM」で挑んでしまい、一番最初のボスを倒すまでに何度もゲームを中断したくなった。「ドM」は道中の雑魚敵でも気を抜くことができず、プレイ中の変更もできないので、挑む際は心していただきたい。

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1面のボス「ベルゼネフ」の難易度「ドM」。一撃食らったら死ぬ上に、矢印が現れ消える間隔が非常に短いため、めまぐるしく動かなくてはならない。

こうした超絶難易度の存在にも、数々の鬼畜ゲーをプレイしてきた制作者まっくす氏の「ドMになって、クリアできるか?」という挑戦のように感じてしまうのだ。

アクションゲームからRPGへ、ジャンルこそ違えど、その鬼畜さが見事に再現されている「インフレクエスト2」。アクションの死にゲーに飽きたあなたも、ひたすら膨らんでいく数字を見たいあなたも、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか。

[基本情報]
タイトル
インフレクエスト2
制作者 まっくす
クリア時間 5時間~50時間(難易度による)
動作環境 Windows
DL こちらから。

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    すんくぼ(@tyranusii

    学生時代、MMORPG「リネージュ」で朝から晩まで飽くことなきレベル上げと戦争に没頭する毎日を送る。本業では廃人卒業後、国家公務員を経て、再びゲームの世界へ。「もぐらゲームス」を立ち上げました。ハマったゲームはライブアライブ、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜、デモンズソウルなど。
    個人ブログもやってます:もぐらかペンギンか