蒼穹を貫く天槍となれ!超音速ドックファイトバトル『Jet Lancer』

速度と重力の極限をせめぎ合いながら繰り広げられる戦闘機同士の空中戦「ドッグファイト」。それらは媒体を問わず様々なフィクションでも鮮烈に描かれ、大空という未知の領域や、戦闘機などのメカニック、あるいはそれを操るエース・パイロットと呼ばれる人々への憧憬を想起させてきた。筆者もそうしたドッグファイトの世界に魅了された人間のひとりであり、筆者の場合はとりわけ幼少のころに実兄の影響でプレイしたパソコン用のフライト・シミュレータの存在が大きかったように思う。

『Jet Lancer』はVladimir Fedyushkin氏、Nicolai Danielsen氏が共同で開発し、Armor Games Studiosが販売を担当するシューティングゲーム。2020年5月12日よりSTEAMにてPC版、ニンテンドーe shopにてNintendo Switch版がそれぞれ配信されている。架け橋ゲームズのサポートにより日本語にも対応している。

もっと高く、もっと速く。理屈無用の超音速バトル

過去に作戦の失敗によって愛機を失い借金漬けとなった傭兵Ash。借金返済のために新たに格安で入手した戦闘機は、幽霊が乗っていると噂されるいわく付きの機体。その機体の入手と呼応するかのように各地で見つかる古代兵器群を巡り、傭兵・連邦空軍・空賊の3つの勢力の思惑が交差する戦いが繰り広げられていく。

本作『Jet Lancer』はフィールド内を移動しつつ敵と戦う全方位型の2Dシューティングゲームとなっている。その特徴は圧倒的なスピード感とド派手な戦闘描写だ。四の五の理屈で語るよりもまずはムービーを見てもらった方が説明が早い。

広大に開けた空を自由に舞い、敵から放たれた尾を引く大量のミサイルを捻り込んだ軌道で掻い潜って機銃一閃、間髪入れずに地上の戦車へ目掛けて急降下爆撃…アニメ『超時空要塞マクロス』シリーズなどで見られるような激しい空中戦を自らの手で体感できるとあれば、興奮するなという方が無理筋というもの。導入部の切れ味も素晴らしく、男児の憧れを詰め込んだ作品と言えるだろう。

圧倒的機動力で制空権をもぎ取れ

本作では空戦エリア内を戦闘機で飛び回り、敵のせん滅やボスの撃破、施設のハッキングや味方の護衛といった作戦目標を達成すればステージクリアとなる。逆に敵からの攻撃を受けたり衝突などで3つあるライフが無くなって撃墜された場合や、作戦目標を達成しないままはエリア外に出た場合はゲームオーバーとなる。

操作はコントローラ操作の場合、スティックで旋回、Rトリガーで推進し、推進ボタンを放している間は重力にしたがって徐々に下降していく。ボタンを押していないと前に進まないという癖のある操作だが、推進力をカットしていても空中でその場での旋回が可能で、現代の戦闘機では一部の最新鋭機でしか成しえないクルビット機動を再現できるという空戦マニアを唸らせる高機動ぶり。また、Lトリガーで一定時間の間さらに加速できるアフターバーンを使用できる。

武装は機銃とロケット、ロケットの溜め撃ちで発動できるチャージウェポンの3種類。敵からの攻撃は一瞬だけ無敵になれる緊急回避アクション「ドッジロール」を駆使して回避していこう。敵ミサイルは引き付けてからドッジロールを行うことで追尾を切れるほか、被弾直後であってもドッジロールをタイミングよく行えていればダメージをリカバリーできる。ドッジロール・オア・ダイと言っても過言ではないくらい攻撃が激しいので、猛攻を耐え抜く為にもドッジロールの扱いはぜひ習熟しておこう。

ミッション攻略は的確なカスタマイズから

ミッションをクリアしていくことで機体のカスタマイズが解禁され、ロケットやチャージウェポン、機体に様々な機能を追加するモジュールの変更ができるようになる。戦闘機の装備の定番であるホーミングミサイルや無誘導爆弾の他、ドッジロールをエネルギーをまとった体当たり攻撃に変更する「Dash Module」など、ミッションに合わせて最適な装備を選択しよう。メカニック担当猫のLemの猫らしいイイ性格をしたコメントにも注目だ。

一方、演出の派手さやレーダー等で遠方が確認できないことからくる敵からの攻撃の視認のしにくさはストレスになりやすい。また、中盤から後半にかけて時間内に所定のスコアを稼ぐ必要があるミッションでは、ただでさえ攻撃が激しい事に加えて目標スコアがシビアに設定されており、筆者がプレイしていた際にはかなりのリトライ回数がかさんでしまった。ミッション攻略の上では攻撃方法ごとに得られる基礎点数の違いと、その説明がされていないことも行き詰まりやすくしている要因といえる。ただしスコア関係についてはパッチ等で難易度が緩和される傾向にもある。諦めずに様々な装備を試して挑戦してみて欲しい。

とにかく派手な空中戦が楽しめる本作。空に魅せられたバカ野郎どもに捧げたい一本だ。

[基本情報]
タイトル: Jet Lancer
制作者: Vladimir Fedyushkin & Nicolai Danielsen
クリア時間:  9時間~
対応OS: Windows , Macintosh , Nintendo Switch
価格: ¥1520

↓ダウンロードはこちらから
(STEAM)

(Nintendo eShop)
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000030913


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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。