明治浪漫の世界を探索するフリーホラーゲーム『狂骨』。帝都の博物館で怪異の正体を暴け!

今回は、ドスバギイ氏の制作したフリーホラーゲーム『狂骨』を紹介する。このゲームの特徴となるのは、まずその世界観だ。明治時代を舞台としたというホラーアドベンチャーで、作りこまれた世界観から存分に雰囲気が伝わってくる。加えて、プレイヤーが主体的に考えて読み解いていく物語や、ホラーアドベンチャーとしての恐怖要素、謎解き要素も作りこまれており、それら複数の要素を楽しみながらプレイできるものとなっている。作品の詳しい魅力をさっそく紹介したい。

明治の帝都を舞台に、謎の連続失踪事件を追う

物語は、主人公である学生の少年「加藤」が、従姉妹である少女「伊佐間」の失踪事件を受け、探偵事務所に相談を持ちかけるところから始まる。

探偵である「川島」の事務所へ向かい、そこで川島と助手の「辰宮」と出会う加藤。話を聞いた川島は、加藤と辰宮に対して、失踪した伊佐間の通っている学校への現地調査を指示する。現地に赴いた二人は、「失踪事件には「狂骨」という妖怪が関わっている」という噂の調査を行う。そして調査の途中、とつぜん現れた白い猫に誘われるかのように、今は亡き学校の初代学長「大河内」に関する展示品が収められており、現在は閉鎖されている「大河内忠志記念館」へと足を踏み入れることになるが……。

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川島探偵事務所に相談を持ちかける主人公の少年、加藤

本作をプレイしてまず目を惹くのは、「明治時代」をテーマにして作られたグラフィックだろう。ゲーム内に作りこまれたマップを歩いているだけで、その雰囲気を存分に堪能することが出来る。

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明治をイメージにして作られた世界観は、好きな人にはたまらない

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ときおり挿入される昔の新聞広告のようなイラストは非常に特徴的で、おもわず見入ってしまう

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物語に関係する妖怪ついての絵も所々に挿入される

もちろん、本作の魅力はそれだけではない、物語性や恐怖描写・謎解き要素も楽しめるものとなっている。

本作での物語については、まるで小説作品のように、プレイヤーによる読解が求められる。このゲームのストーリーや背景は、キャラクター同士の会話だけでなく、探索を行なう博物館の資料を読み解くことでも知ることが出来る。現在起こっている事件、そして過去に起こった出来事を知ることで、より深く物語を味わうことが出来るだろう。

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博物館の中の資料から迫ることが出来る、かつて起こった出来事とは……?

ホラーアドベンチャーとしての恐怖要素・謎解き要素も豊富だ。恐怖要素については、無人の博物館という独特の雰囲気が怖さを醸しだしており、加藤たちが博物館の探索で出会うことになる謎の怪奇現象の存在も、正体が気になりつつも存分に怖がらせてくれる。

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無人の広い博物館からはどこか不穏な雰囲気を感じる

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加藤と辰宮の前に現れた謎の骨のような存在は……!?

謎解きに関しては、舞台となる博物館に展示された「標本」や「絵」をキーとした謎が特徴的だ。進め方としてはマップを探索してヒントを集めることが基本となるが、解答を導くには少し頭をひねる必要がある場面もある。とはいえクリアに必要なヒント情報は探索で全て手に入るため、しっかり探索を行なえば謎を解くことが出来るだろう。どうしても困った時には、作者の公式サイトにヒント集が存在しているので、そちらも参照してみてほしい。

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博物館の中に存在する展示物の内容が謎解きのヒントになる

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時には時間制限のある緊張感のある謎解きも

博物館を探索した先に待つ物語とは……

妖怪による失踪事件の謎を追い、大河内博物館の探索に乗り出した加藤と辰宮。そこでは様々な怪奇現象と対峙しつつ、館内を調べていくことで段々と物語の全貌が掴めていくものとなっていく。そして手に入れた情報をプレイヤーが考察していくことで、より深く物語を楽しむことが出来るのだ。ここからは、そんな物語の気になる一幕をピックアップして紹介したい。

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「狂骨」を目撃したと証言する少年、鷹野

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自身も博物館の調査に乗り出す探偵、川島

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御伽噺になぞらえた言葉の意味とは…?

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加藤の目の前には一体何が現れたのか

明治日本という独特の雰囲気を上手く表現した世界観、そして妖怪「狂骨」の仕業とされる失踪事件。物語の後半にかけて段々と謎が明かされていく展開は気持ちの良さがある。雰囲気あふれる明治の世界観と物語を、ぜひ遊んでみてほしい。

[基本情報]
タイトル『狂骨』
制作者 ドスバギイ(制作者様サイトはこちら
クリア時間 3時間ほど
対応OS Windows Vista/7/8
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10317


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    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。