クッキークリッカーライクな自動探索型RPG『マジックポーション・エクスプローラー』。はた迷惑なダンジョンを薬の力(?)で踏破せよ!

本日は2015年7月にリリースされたばかりのタイトルについて紹介したい。自動探索型RPG『マジックポーション・エクスプローラー』だ。

本作はインディーゲームの祭典BitSummit2015にて会場限定の先行販売を行い、その数日後にダウンロード版が正式にリリースされたタイトル。「自動探索型RPG」という何やら聞きなれないジャンルだが、本作は誰でも楽しめる敷居の低さと、PCの前でずっと熱中してプレイしてしまう魅力を併せ持った作品だ。さっそく紹介に移りたい。

ちなみに本作の開発は、RPG風ビジュアルノベル『マジックポーション・ストーリーズ』や『瞳の中のアビス』等も制作しているARTIFACTSの樹ひかり氏。上記2タイトルはいずれもシナリオ部分にギミックや趣向の凝らされたゲーム。双方ともオススメできるタイトルなので、よければ別の機会にプレイしてみてほしい。

「ときどき面倒を見てやる」そんなゲーム進行

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冒頭のワンシーン。太っ腹&はた迷惑な話である

本作は小さな薬屋を営む主人公・パステルの自宅地下に広大なダンジョンが勝手に増築(?)されてしまったことがきっかけとなって始まる。事件の張本人たる謎の老婆はダンジョンの地下100Fで待ち構えており、そこまで辿り着くことが目的だ。もちろんダンジョンと言うからにはモンスターがウヨウヨ。こいつらをどんどん倒し、時折出現するボスも倒し、ひたすら潜る。

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冒頭の操作説明。パッと見だと選択できる箇所が多く戸惑うかもしれないが、やることはシンプルだ

本作『マジックポーション・エクスプローラー』のプレイ自体はボタンをひとつ押すだけで残りはほぼオート進行。「START」ボタンを押せばほぼ放置しているだけで探索や戦闘が進む。戦闘ではパステルと敵とが交代でダメージを与えあい、敵を無事倒せば「RP」が手に入る。この「RP」を消費して、「薬の開発・強化」を行い、パステルをパワーアップさせてどんどんダンジョンを探索してゆく。

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最大HPアップや最大RP&獲得RPのアップ、攻撃力アップに攻撃回数アップ、探索速度アップとよりどりみどり

また、この「薬の開発(=パワーアップ)」は自動で行えないので、RPの溜まり具合や敵の強さを見つつ手動でパステルを強化する。そのため「完全放置・全自動」ではなく、「パステルが戦ったり探索したりしているのをじっと見ながら、時々薬を開発してパワーアップさせる」というプレイになる。時々面倒を見る必要があるというわけだ。ぼーっと見ているだけだとすぐやられてしまう。この微妙な「手のかかり具合」とでもいうべき部分が非常に面白い。

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もちろん一時停止して小休止も可能。ノンストップではないのが地味にありがたい

ちなみにゲーム自体の進行ペースや展開は筆者の想定よりもやや早く、意外と忙しめに感じた(もともと想定がかなりゆっくりだったから、なのだが)。プレイした感想としてはかの「クッキークリッカー」に似つつも、RPG風のシステムやタイムアタック要素を盛り込んだ感じ。と言えば伝わるだろうか。リソースを支払って次のリソースを手に入れやすくし、先へ進む。それに伴って敵も自身も強くなってゆく。「限られたリソースでの取捨選択」「緩やかなインフレ」、この二つがこのゲームを構成するメイン要素だ。手軽にプレイでき、かつ効果音等が小気味よいこともあって、「5分、10分、15分……と、ついついやってしまう」系の中毒性がある

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どんどこ倒す。容赦なく倒す。すべては薬のために(?)。倒せば回復するしね。

ちなみに、本作では敵を倒すごとにHPが一定値回復する上、薬の開発でその回復量を増やすことができる。これによる回復量の上昇は結構なものなので、ここと攻撃力さえ上げてしまえば一定フロア内では絶対に倒されないようにすることも可能だ。かといってそれに胡坐をかいていると、ボスが硬くてどうしようもなく、あと一歩でやられてしまうのだが……。

そうそう、敵に倒されても強化した部分はそのまま引き継がれるのでご安心を。ちなみに難易度の高い「ハードモード」だと、HPがゼロになるとステータス強化がリセットされてしまうため、RTS(リアルタイムストラテジー)的な戦略性が要求されることになる。ノーマルモードなんか楽勝でクリアできるぜ!という人にはうってつけ、歯ごたえのあるゲームが楽しめるはずだ。(筆者は無理でした)

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一定階層進むとボスが出現、異様に硬い。頑張って倒そう。

本作は「倒す、ポイントを得る、強化する、倒す、ポイントを得る、強化する」このサイクルをひたすら回すこととなる。自分のキャラがきっちり強くなっていき、敵も強くなり、ゆるやかにインフレしてゆく……という流れ自体がそもそも楽しい。「次はコレが上げられるから、その次はコレ!」と小刻みに目標を設定して緻密につぶしてゆくのもよいだろう。地道な「先へ進む」「強くなる」「積み上げる」、この楽しさをきっちりとおさえた作品だ。

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敵にやられてすごすご戻ってきたパステルさん。正直言ってこわい

もちろん、同作者の前々作『マジックポーション・ストーリーズ』ですでに見られたような、コミカルで笑える(が時折ストレートな)物語部分も見どころ。冒頭の「老婆」の正体や自分の弟ガッシュに八つ当たりするパステルさん等、テキストを眺めているのも楽しくなる。もちろん前々作『マジックポーション・ストーリーズ』をプレイしている人はそちらとの関連でも楽しめるにちがいない。

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クリアリザルトは日数により評価され、また実績解除も複数ある。すべて埋めるのはそこそこ難しい

以上、本日は「積み上げや緩やかなインフレの楽しい」「時々面倒を見てやる系」、そんな自動探索型RPG『マジックポーション・エクスプローラー』を紹介した。皆さんも地下に突然増築された謎のダンジョンに挑んでみてはいかが?

[基本情報]
タイトル
 マジックポーション・エクスプローラー
制作者 ARTIFACTS
クリア時間 約2~4時間
対応OS Windows 7以降
価格 ¥1000
購入・ダウンロードはBOOTH、またはDiGiket.comから


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    水原由紀(@mizuharayuki

    読みは「みずはらゆき」。ゲーム業界のはしっこに勤めつつ、色々書いてます。思い入れの強いゲームは初代『.hack//』や『風ノ旅ビト』、『Dear Esther』『ゆめにっき』『Ruina 廃都の物語』などなど。2015年マイベストははむすたさんの『ざくざくアクターズ』。美学と工学の交差するゲームを求め、今日も片道切符。Narrative関係勉強中。