もしも90年代の有名シューティングゲームの機体が、他ゲームの敵と戦ったら…? 野心作『MoonStriker』を紹介

時代と共にゲームは進化していく。キャラクターの表示数が増したり、色数が増えたり、演出が派手になったり。プレイヤーが操作するキャラクターもまた、進化と共に動きが多彩になったり、目を見張る攻撃を繰り出せるようになってきた。そんな進化の過程を追い続けて、こんな事を妄想したプレイヤーも少なからずいるかと思われる。

もし、このゲームで生まれたキャラクターが同じジャンルの別ゲームで主人公を務めたら、どんなことになってしまうのか、と。
 
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そんな「もしも」をシューティングゲームの場で描いたのが、今回紹介する『MoonStriker(ムーンストライカー)』だ。製作者は当もぐらゲームスでもレビューを掲載している『Image Striker(イメージストライカー)』(関連記事)のてらりん氏。2017年3月にiOS、Android、PC(Windows)向けに配信された。

内容は縦スクロールのシューティングで、迫りくる敵機を撃墜ながらステージを攻略していくという王道のものだ。しかしながら、システム周り及びその本編は、90年代のシューティングゲームの機体(自機)が他のシューティングに殴り込みをかけるという、個性的なものになっている。

二つの装備を駆使して、既視感のある敵達を撃て!

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今作でプレイヤーが操縦する自機は一口で言えば、タイトーのレイシリーズ(レイフォース、レイストーム、レイクライシス)と一緒。敵弾をかき消せる性能を持つ「ショット」、敵に狙いを付け、誘導レーザーの集中砲火を浴びせる「ロックオンレーザー」の二つの武装を搭載している。この(変な表現だが)「レイ感」溢れる機体で、プレイヤーは迫りくる敵達を撃墜していく。

そして、そんな自機を操縦して撃墜していく敵達は皆、見覚えのある容姿と動きを特徴としている。一括りに言ってしまうと、80~90年代仕様。その頃に生まれたシューティングゲームとほぼ同じ動きで、プレイヤーに襲い掛かってくるのだ。
 
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例として、ステージ1にて下方向から現れるこの大型宇宙戦闘機。
 
image2 ▲参考画像:『ストライカーズ1945 II』(※ゲームアーカイブスで配信中)

第二次世界大戦終結後を舞台に、新型兵器を駆使して謎の組織と戦うシューティングゲーム『ストライカーズ1945』に出てくる戦闘機だ。ご丁寧に登場の仕方まで同作っぽくしている。
 
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次のステージ2では、古くからのゲーム世代なら苦笑い必至の光景が。
 
image13 ▲参考画像:『ゼビウス』(※Wii、WiiUバーチャルコンソールで配信中)
 
そう、1983年にアーケードゲームとして誕生し、後にファミリーコンピュータにも移植された『ゼビウス』だ!しかも、道中には飛行新素材という名の回る鉄板「バキュラ」のような敵も登場する。更にステージを進めていくと、「ゼビウスと言えばこれ」という代名詞的なものも。それが何なのかは実際にプレイしてのお楽しみだ。
 
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他にも『イメージストライカー』でもネタにされていた、『イメージファイト』由来の巨大戦艦が出てきたりと、至れり尽くせり。そんな他の著名なシューティングゲームを模した敵達をレイシリーズ由来の機体で撃退していく。これこそが今作の魅力で、著名なシューティングゲームの機体で、他のゲームに殴り込みをかける「もしも」なドッグファイトを楽しめるのだ。
 
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90年代から80年代の過去へタイムスリップしたかのような雰囲気も醸し出しており、特に先の『ゼビウス』を模したステージにおいては、「未来からの殴り込み」とも言うべき、『ドラえもん』(主に映画シリーズ)の時間犯罪者になった気分を体験できるのが面白い。タイムパトロールもいないから、まさにやりたい放題だ!(※歴史改変は重罪です。よい子はマネしないように。
 
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未来の機体で過去の敵を相手にするなら、一方的になるのではと想像してしまうが、意外とそうならないのも面白い。というのも、敵の耐久力が高めに設定されている上、通常ショットの威力が低めなので、発射までにワンテンポ挟むロックオンレーザーで撃墜していく立ち回りが要求されるのだ。

なので、ロックオンする際に別の敵に裏をかかれ、撃墜されるなんてことも。先のゼビウスの面々も、ショットを数発撃ち込まなければ撃墜できないので、結構な脅威だったりする。さすがは超知性体ガンプ、南米を制圧した力を持つだけにあると言うべきか。

そんな具合に、一方的になりそうに見えてそうならないゲームバランスも今作の魅力。最新の装備があれば、昔の脅威も一網打尽にできるという考えが如何に浅はかか、そして昔の敵達の侮り難さというものを思い知らされるだろう。 まさに古きを知り、新しきを知る。温故知新なゲームバランスとはこのことだ。

遊び易さと手応えを両立する難易度

『イメージストライカー』の良いところもしっかりと継承されている。具体的にはシューティングゲーム初心者に優しい、ストレスを減らす配慮を凝らしたステージ構成と抑えた難易度。

今作でもステージの攻略に費やす所要時間は短く、3分以上の時間がかかることはほとんどない。遅くても2分以内には終わるボリュームでほぼ統一されている。これにより、長期戦になるが故のいつ撃ち落とされるかのヒリヒリ感も控え目なので、気持ちよく遊べる設計になっている。
 
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難易度も派手な弾幕が展開されることもなければ、大半の敵の弾はショット攻撃でかき消せるので、圧迫感を感じさせない。単純に回避するだけでなく、打ち消すという二つの回避方法を用意して、脅威を緩和させる。これによって回避に自信の無いプレイヤーでもやって行けるハードルの低さを演出している辺り、初心者に対する意識が現れている。
 
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上級者に対するフォローも欠かしていない。『イメージストライカー』は最高難易度のハードでもやや物足りなさのあるバランスだったが、今作は底上げが実施され、非常に手ごわい難易度に改められている。ステージの総数も7つに増え、個々のステージでは二つの攻撃手段の癖を活かす立ち回りを心掛けていく必要があるので、やり応えは十分だ。
 
image3 制限時間以内に何処まで得点を伸ばせるかを競う「キャラバンモード」も健在で、ショット攻撃全般の癖の強さによって、独特の手応えを演出している。どの敵にロックをかけて一網打尽を図るか、と言った戦術性もシステムの恩恵もあって高めで、独特のバランスと遊び心地が描かれている。

作品としては完全新作に当たるが、前作の良かった所を残して磨き上げるという点で正統進化系と言い切れる出来。そして、相変わらずの上級者だけにフォーカスしない良心的なバランスの取り方はお見事の一言に尽きるばかりだ。

溢れ出るファミコンの新作っぽさも見逃せない

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ファミコンっぽさに富んだグラフィック、音楽も独特の味わいを醸し出しており、それが80年代と90年代が争う独特の世界観と雰囲気を構築している。特に音楽は80年代のナムコ、カプコン作品に近い味わいに満ちており、直撃世代ならノスタルジーを喚起させられること請け合いだ。

他にも一部のステージで特殊な動きをすることで隠しエリアに入れたり、いきなりパワーアップと言った隠し要素も仕込まれているのも、その頃のゲームっぽさを醸し出している。

一方で気になる点も幾つか。特にボスの強弱が激しい。ステージ1のボスは攻撃を二段階変化させるなど手強い調整なのに対し、次のステージ2のボスはロックオンレーザーを集中砲火させれば直に倒せるほどあっけないなど、難易度曲線に波が立ち過ぎている。特にステージ1のボスは強さとしても最初に相応しくないし、できれば後半のステージでの登場にして欲しかったところだ。
 
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また、効果音も残機アップとボーナススコアの効果音が共通なのが紛らわしい。何度か残機アップしたと勘違いすることがあり、それが元で安易な突撃を行ってしまって窮地に陥ることが筆者の場合、何度かあった。音を共通にしたのは容量の節約も兼ねているのかもしれないが、ここは普通に独立した効果音を用意して、紛らわしさを緩和すべきだったと思う。

そう言った惜しいと感じる箇所もあるが、総じて良質なシューティングゲームとして完成されている。90年代の機体で他のシューティングゲームの敵達を殲滅していく展開には、まさに「もしも」な楽しさと難しさが満ちている。スコアアタックのやり込み甲斐も健在且つ、往年のシューティングゲームをネタにした要素も満載なので、シューティングゲーム好きならば要プレイ。シューティングゲームが苦手なプレイヤーに優しい設計になっているので、その入門編としてもどうぞ。

[基本情報] タイトル: 『MoonStriker(ムーンストライカー)』
制作者: てらりん
クリア時間:30分~1時間
対応OS:iOS、Android、PC(Windows)
価格: iOS、Android版 ¥120 / PC版 $1.00

ダウンロードはこちら
https://itunes.apple.com/jp/app/moonstriker/id1213359897?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.terarin.MoonStriker

https://terarin.itch.io/moonstriker


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