VRディスプレイOculus Riftの没入感―ちょっと仮想現実 (”あっち”) いってくる

Oculus Rift DK2,VR(バーチャル・リアリティ)

仮想現実(バーチャル・リアリティ、VR)を体験するためのヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」が今、盛り上がりを見せている。

まずは紹介動画で雰囲気が伝わるだろうか。

2012年6月のE3にてプロトタイプが公開され、その後のKickStarterによる資金調達では、目標額の25万ドルを大幅に上回る240万ドルを集め、話題になった。

Oculus Rift: Step Into the Game by Oculus — Kickstarter

3月8日・9日に京都で開催されたBitSummitでも、Oculus Riftの特徴を活かしたゲームが展示されており、各ブースには列ができていた。

2014年の3月17日から3月21日までアメリカで開催されたGame Developers Conference(GDC)でも、ヘッドマウントディスプレイをめぐる大きなニュースが発表された。

【GDC 2014】高解像度、低遅延、低残像、位置トラッキングにも対応した「Oculus Rift Development Kit 2」が予約開始 | インサイド

一方、こうしたOculusu Riftの盛り上がりに対抗して、HMZシリーズなどヘッドマウントディスプレイを販売しているソニーも、PS4向けの試作機を発表しており、今後、性能や価格、対応ソフトなどで違いが出てきそうだ。

「プレイステーション 4」(PS4™)の世界をさらに拡げるバーチャルリアリティシステム「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」を開発~PlayStation®Cameraとの組み合わせで360度全方向、リアルタイムに変化する新次元のゲーム体験を実現~ | プレイステーション® オフィシャルサイト

今回の記事では、Oculus Riftを筆者が実際に購入し装着してみた感想、そして本デバイスの最大の魅力である「没入感」を引き出してくれるゲームについて、簡単に取り上げてみたい。

装着してみて感じる「没入感」

まずは筆者のOculus Rift購入体験から。筆者の場合は購入から10日前後で発送国の香港から到着した。

早速装着してみた。

いざ仮想現実へ。

f:id:moguragames:20140322092452j:plain

外から見るとあやしい。
音も聴いてみようということでヘッドホンをつけてみたので、さらにあやしい。
楽しくてついついニヤやけてしまった日には、狂気すら感じる。

しかしその内側では、ニヤけてしまっても仕方ない新しい体験が広がっている。
お見せできないのが非常に残念だ。

果たしてどのような体験なのか。

自分の頭を動かすと、その動きに合わせて仮想現実の中の視界が動く。その動きは一致している。まるで「自分がゲームの中にいて動いている」という感覚=没入感が従来のゲームでの体験よりもずっと深い。

この没入感の深さは、Oculus Riftの視野角の広さとヘッドトラッキングによって実現されている。
視野角は110度。装着するとわかるが、画面が視界のかなりの幅を占めており、画面が「ある」というよりは「広がっている」と表現したほうが相応しいだろう。
そして、ヘッドトラッキングはジャイロ・加速度・地磁気センサーによって頭の動きと画面の動きを同期している。

装着した人たちの反応はYoutubeでも見ることができる。

映像を眺めている感覚が無くなり、仮想現実の中に入っていく「没入感」。
これこそが現時点では他のヘッドマウントディスプレイでは味わえないOculus Riftの醍醐味だ。
一度装着しただけで、このデバイスがこれまでのゲームと違う体験をもたらしてくれることが直感的に分かる。

没入感を深める「イントロダクションの工夫」

今後が期待されるOculus Riftだが、2014年3月現在、まだ開発者用のDevelopment Kitが公式サイトで発売されているのみ。対応するゲームも開発者が試験的に作ってみた段階のものが多い。

だが、Oculus Riftの特徴を活かそうとした試行錯誤が見られる、非常にチャレンジングなものが多い印象だ。

例えば、現実から仮想現実の世界へ入っていく過程の演出についても、こだわりが見られるゲームが多い。

ユーザーがOculus Riftを装着する時、「よいしょ」とディスプレイを持ち、ヘッドバンドで固定する。気持ちは一瞬ゲームから離れて、極めて現実的な時間になってしまう。

そこで、このバイクでジャンプ台から飛ぶゲーム「Jump Star VR」では、スタジアムの映像を移した後に、「ヘルメットを被ったらスペースキーを押してください」と表示される。ヘルメットを被るというゲーム内のアクションとユーザーがOculus Riftを被るという現実の行動を同期させているのだ。

タイトルが近づいてきたり、ワープしながら世界に入っていくような演出は、従来のゲームでも見られたが、Oculusを装着すると引き込まれていく感覚が一層強くなる。ディズニーランドのアトラクション「スターツアーズ」で見られるような、ユーザーを惹きつけるためのいわば「イントロダクションの工夫」が、ゲームでもより重要になってきているのかもしれない。

例えば、昨年KickStarterで8万ドル超を集め開発中のゲーム「The Gallery: Six Elements」もそうした「イントロダクションの工夫」がなされているゲームのひとつだ。

主人公=プレイヤーが絵画の中に入って引きこまれていく感覚を体験できる。

世界観の中へ入っていく体験

また、映画など既に世界観が構築されているものをOculus Rift向けに再現することによって、ユーザーがその世界観の中に入っていく、という夢のような体験が可能になる。

例えば、「千と千尋の神隠し」の世界を再現しようとした「VR Projects」。ボイラー室のシーンを作成し、現在は「となりのトトロ」の世界の再現に取り組んでいる。

アニメやキャラクターといった世界観とも、OculusRiftは相性が良い。初音ミクたちが選んだ音楽に対応して踊る様子を見ることができる「Miku Entertainment Sphere Stage(MESS)」。筆者もやってみたが、目の前でミクが踊り、それをあらゆる角度、距離から眺める、といったことが容易にできる。

増え続けるOculus対応のゲーム

Development Kitに付属してくるソフトだけでなく、世界中の開発者がインターネット上で公開してるもの等をダウンロードすることで楽しむことができる。2013年5月から全世界で開発されたソフトは400点以上。日々新たなソフトが制作され、公開されている。

また、ゲームプラットフォームのSteamでも対応する本格的なゲームが徐々に増えてきている状況だ。
この2月にはロボット物のFPSでOculusある「HAWKEN」がMeteor Entertainmentよりリリースされた。

このHAWKENもしかり、Oculus Rift対応のソフトはインディゲームが多い。ゲームの開発エンジンであるUnityやUnreal EngineもOculus Riftに対応しており、開発環境の点からもインディゲームと親和性が高いデバイスとも言える。

もぐらゲームスでは今後も引き続きOculus Rift対応のゲームのレビューなど注目を続けていく。
次回はBitSummitに出展していたOculus対応のゲームを紹介してみたい。

(参考)

VR Design: From Splash Screen to Shutdown, a Presentation by Cymatic Bruce – Road to Virtual Reality

VRにまつわるニュース・ソフトの紹介はMoguraVRにて更新中!
http://www.moguravr.com/

  • すんくぼ(@tyranusii

    学生時代、MMORPG「リネージュ」で朝から晩まで飽くことなきレベル上げと戦争に没頭する毎日を送る。本業では廃人卒業後、国家公務員を経て、再びゲームの世界へ。「もぐらゲームス」を立ち上げました。ハマったゲームはライブアライブ、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜、デモンズソウルなど。
    個人ブログもやってます:もぐらかペンギンか