立ち止まることが許されないローグライクアクション。名作『Risk of Rain』を遊んでみた

Steam,インディーゲーム

ローグライクのゲームは人を魅了する。
昨年末、もぐらゲームスで8つのゲームを紹介した記事も多くの方に読んでいただき非常に好評だった。特に、ローグライクゲームの特徴でもある、毎回異なる状況のゲームプレイはプレイヤーの臨機応変な実力を試してくる、という意味でも挑む度にプレイヤーをワクワクさせる。

ローグライク系おすすめのフリーゲーム・インディゲーム作品8選

インディゲームでも、様々なローグライクゲームが登場しつつある。その一つが以前も紹介した『Crypt of the Necrodancer』だ。

中毒者続出。ローグライクRPGとリズムゲーを組み合わせた異端児『ネクロダンサー』が神ゲーな理由

ローグライクRPGとリズムゲームを組み合わせ、異次元の面白さを実現している。また、年末に公開した宇宙船の内部のローグライク『FTL:Faster than light』のレビューも非常に多くの方に読んでいただいた。

宇宙船ローグライク『FTL』のゲームデザインは何故こんなにも美しいのか

今回紹介するのは、そんなローグライクの要素を取り入れたアクションゲーム『Risk of Rain』だ。ワシントン大学の学生が2人で作った本作。既にインディゲーム界では名作として名を知られるゲームではあるが、今回改めて紹介してみたい。

アクションゲームに散りばめられたランダム性

未来、惑星間の移動が当たり前に行われるようになった世界で、未知の惑星に墜落して1人生き残ったプレイヤーが生き延びるために戦い抜くというストーリー。銃火器の使用やエイリアンチックな敵キャラなど非常にSFな世界観だ。

image01
キャラは豆粒のように小さい

プレイヤーは10人のキャラクターから1人を選ぶことができる。ゲームをスタートした当初は「Commando」しか使えないが、プレイしていくにつれ徐々にアンロックされていく仕組み。どのキャラも攻撃方法など使えるアビリティが違ってプレイ感が変わってくる。

image09
敵はどんどん湧き出てくる

マップのどこかにあるテレポーターを探し出し起動、同時に登場するボスを含む全敵キャラを倒してテレポーターに乗ると階層クリアだ。

image03
画面右端で赤く縁取られているのがテレポーター。広大なマップでなかなか見つけられないと悲惨。

image11
起動するとボスが現れる。出現するボスもランダムに選ばれる。「STAY ALIVE!(生き残れ!)」

image10
ボスの出現後も湧き続ける敵キャラたち。段々お祭り状態になってくる。敵の出現はテレポーターの起動から90秒が経過すると止まるので、殲滅していこう。

なお、敵の出現や後述するアイテムの出現は完全にランダムだ。また、マップの形状は半ランダムになっている。実際にプレイしてみると数種類のパーツを組み合わせただけなので、そこまでランダム性は高くないことが分かる。とはいえ、各階層ごとに用意されているステージは複数あり、なおかつその地形も入れ替わるとなるとかなりのバリエーションになるため、「毎回異なるステージで遊んでいる」感覚になることは間違いない

image07
同じ第一階層でもプレイする度に複数のシーンが用意されている。

キャラクターは敵を倒すことでレベルアップするが、それ以上に大きな役割を果たすのがマップに点在しているアイテムだ。

image08
お金を払わないとアイテムを手に入れることができない。また、3つのアイテムが表示されており、その中から1つを選ぶ形式の場所もある。

アイテムは100種類以上存在している。自動的に効果がある「パッシブアイテム」とボタンを押して使用する「ユーズアイテム」があるが、どのアイテムも使用しているときはエフェクトが現れるのが特徴。

image00
例えばこの「Hopoo Feather」を手に入れると、2段ジャンプができるようになる

アイテムは1ステージあたり10個程度あるため、最初は豆粒のようだったキャラクターの周りにどんどんエフェクトが現れるようになる。段々派手になっていく様が面白い。

止まることを許さない時間経過

さて、ここまでで本作の簡単な紹介は終わり…かというと一番大事な要素がある。
それが難易度設定だ。

本作は、第一階層のスタートから時間が経てば経つほど敵の湧き方や強さなどステージの難易度が上昇していく

image06
画面右上に表示されている時計と難易度

プレイヤーセレクト画面ではこの難易度上昇を設定できるのだが、通常の設定「RAINFORCE」だとVery Easyからスタートし5分ごとに難易度が上昇する。41分経過すると最高レベルの「HAHAHAHAHA」に到達するが、それまで生き延びられるかどうか…。他の設定「DRIZZLE」は7分おきの上昇だが、アンロックなど記録が残らない。また、「MONSOON」(モンスーン)はその名のごとく3分ごとに上昇するというハードコアモードだ。

この時間経過による難易度上昇が何をもたらすか。
階層を進んでも時間のカウントは変わらない。つまり早く進めば進むほど後のステージが楽になる。そうなると手っ取り早く敵を倒したくなるが、そうするためにはアイテムが必要だ。アイテムをより多く手に入れるためには、敵を倒してお金を集めないといけない。でも、敵を倒していると時間が経ってボスを含む敵が強くなってしまう…

このジレンマと常に闘いながら、画面上では次々と湧いてくる敵キャラとも戦わなければならない。立ち止まることは許されない緊張感が漂う。

image05
止まることは許されない。

image04
そう、どんなときも。この緊張感に包まれながらドンパチするのがたまらない!

アイテムの引きは完全に運なので、うまく攻略できるかは運まかせな部分もあり、まさにローグライクだ。

全6階層で構成されているが、5階層をクリアしたところで最初の階層に戻るかを選ぶことができる。つまり周回プレイが可能だ。自キャラもどんどん強化できるということだ。

image02
周回して戻ってきたところ。敵が格段に強いが自キャラも強化されていれば入り乱れてヒャッハー。

さらにこのゲームの秀逸なところはマルチプレイにも対応していること。最大8人でプレイできる。ワイワイ遊べるようでアイテムの分配がシビアになるなど、人数が多い=楽というわけではない。

残念ながら日本語には訳されていないが、エフェクトなどをみていれば何となく効果が分かる上に、有志による日本語wikiも存在するので一助としてみてはいかがだろうか。

10種類いるキャラそれぞれを楽しむもよし、複数人プレイを楽しむもよし、ハードコアモードに挑戦するもよし、限界の難易度で何周できるか楽しむもよし。

長く遊べる熱い1作だ。

[基本情報]
タイトル Risk of Rain
制作者 Hopoo Games
クリア時間 腕次第
対応OS等 Windows Vista以降/OSX10.6以降/Linux
価格 980円
備考 ゲームパッドには対応していますが、スタートメニューのOptionからGame padの設定をONにする必要があります。

ダウンロードはこちら

(関連記事)
Steamハロウィンセール開催中!おすすめインディゲーム18選
『LIMBO』のplaydead新作『INSIDE』レビュー 生命があまりにも軽い世界の果てに、少年が見たものは
『ゼルダ』や「ジブリ」の影響が息づく『Hyper Light Drifter』は美しくもムズかしいアクションRPGだった

  • すんくぼ(@tyranusii

    学生時代、MMORPG「リネージュ」で朝から晩まで飽くことなきレベル上げと戦争に没頭する毎日を送る。本業では廃人卒業後、国家公務員を経て、再びゲームの世界へ。「もぐらゲームス」を立ち上げました。ハマったゲームはライブアライブ、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜、デモンズソウルなど。
    個人ブログもやってます:もぐらかペンギンか