記憶を失ったケモノ青年の剣撃アクションRPG『Dust: An Elysian Tail』手書き2Dアニメとスピーディーな戦闘が光る

私たちが住むこの地球には、人間と様々な種類の動物が共存している。犬、ネコ、ウサギ、クマ、彼らがもし人間のように生活をしている世界があったらどうなるだろうか。服を着て、言葉を話し、村を築く姿を見てみたい。

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今回、そんな人間が存在しないケモノだけの世界のゲーム『Dust: An Elysian Tail』を紹介する。まずは、本作のトレーラーを見ていただきたい。

Dust: An Elysian Tail – XBLA Launch Trailer(YouTube)

Dean Dodrill氏による手書きアニメーションが実に印象的なゲームである。会話シーンはキャラクターがなめらかに動き、アニメのようで見ていて飽きが来ない。プレイしている内に自然とケモノのみの世界へと入り込める。そして独特なキャラクターデザインもさることながら、スピーディーな戦闘にも目が惹かれるゲームだ。

記憶を失った青年は、謎の声に導かれる

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プレイヤーが操る「ダスト」は、小鳥がさえずる穏やかな森で謎の声によって起こされる。彼は自分が何者でどこから来たのかが分からない、記憶喪失の状態で目覚めた。目の前に現れたのは「言葉を話す剣」。そう、謎の声の主は「アーラ」という剣だったのだ。アーラは「われは、おまえに召喚されし者」と不可思議なことを言い、ダストを以前から知っているようだが、多くを語らない。謎深き存在である。

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アーラ)「おまえの求める答えは東にある」とダストを導く剣
 
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フィジット)口うるさいが徐々にダストらとの仲を深めていく

状況が把握しきれていないダストの元へ、この剣の守護精であると主張する「フィジット」が横入りしてくる。そして、自分の村へアーラを連れ戻すために、自らも旅に付いていくと言い出した。こうして「記憶喪失の男、言葉を話す剣、お喋りな守護精」の異色の3人組が結成され、「ダストの記憶を解き明かす」旅が幕開けたのである。

迫り来る敵を、スピーディーな”連撃”で斬りつけろ

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本作の楽しい要素となっているのが、地上・空中を問わず敵を剣で斬りつけていく「連撃」だ。ダッシュで敵の群れに突っ込み、次々と斬りつけるのも良し。空中へと斬り上げ、追撃で地上へと叩き落とすのも良し。飛んでいる敵に対しては、相手の元へ回転しながら斬りつけ、地面へ叩き落とすという方法もある。

こういったコンボを繋げることで、経験値のボーナスを多く得られるというメリットも発生する。なお、攻撃中に敵からダメージを受けてしまうとコンボが途切れてしまうので、いかにコンボを繋げていくかがミソとなる。

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冒険を進めていくうちに、敵に囲まれてしまうシーンも出てくるだろう。そんな時に頼りになるのが、「フィジットの遠距離攻撃」と「ダストストーム」の組み合わせ技だ。小さな光が風の力により増幅され、画面内の敵に連続攻撃を与え続ける。

この組み合わせ技は、敵が多い時だけでなく、コンボを繋げるためにも利用できる。フィジットの遠距離攻撃は、物語が進むに連れて種類が増えていくので、状況に応じて切り替えて使っていこう。近接と遠距離を組合せ、自身の最大コンボ数を更新していくのも楽しい。

戦闘に「静と動」を生む「パリィ」

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パリィが決まると衝撃と共にスローが発生する
 
斬りつけてコンボを稼いでいく戦闘は、スピーディで爽快だが繰り返していく内に飽きが訪れることもあるだろう。そこで、戦闘にメリハリを付けるのが「パリィ」だ。敵の攻撃モーションに合わせて剣を振ること攻撃を相殺し、さらに敵は仰け反り無防備となる。

特にガードが固い敵は、いくら斬りつけても歯が立たないのでパリィが有効だ。その隙にダメージを与えて切り抜けよう。このタイミングと間合いを見極めるというアクションが「静と動」を生み出し、本作の戦闘を盛り上げている。

目の前の敵を斬りつけてる時に、後ろからの攻撃に合わせて振り返りパリィ、その流れでさらに斬りつける。という一連の流れはまさに「剣劇」で、とても気持ちがいい。戦闘に慣れて来たら、あえてパリィを狙って戦うのも面白いかもしれない。

避けきれないと判断した時は、「回避」も選択肢にある。右に回避した際、左向きに着地するため敵の背後に回ることができる。回避をしつつ、攻撃に転じられるため使う機会は増えそうだ。

クラフトを活用してアイテムを生成

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主人公であるダストをより強く頑丈にするためには装備をしっかりと整えなければならない。装備は、「店」で変えるほか、「設計図」から作り出すことができる。設計図を元にしてクラフト(アイテムの生成)をするには、「素材」が必要となる。敵や宝箱、クエストをこなして素材を集めよう。なお、宝箱には「メモ」が入っていることもあり、物語の補完や更なるお宝へのヒントが載っていることも……。

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ヘイリー)設計図と素材を持っていくとクラフトしてくれる女性
 
本作は、作中のマップを行き来するメトロイドヴァニア型の探索アクションなので、装備をクラフトするためにヘイリーの元へと毎回通うのが少々面倒に感じることもある。

でも大丈夫。森のどこかにある「レシーバー」を見つけだすことで、どこにいようとクラフトを行うことができ、足りない素材は買い足すことが可能となる。まずはそれを見つけてみよう。

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ダストのレベルが上がることで「HP.・攻撃・防御・フィジットの技」の4つに「ジェム(パワーアップ)」を振ることができる。このジェムにはルールが定められており、最高の項目と最低の項目の差は「4ポイント」と決まっている。つまりHPだけ、攻撃だけ極端に上げることは許されていない。

とは言うものの、そこまで制約を感じることなくジェムを割り振っていける感触となっていた。敵に囲まれてしまうと、HPがゴリゴリ削られていくので、アクションに慣れていない人は、まずはHPと防御に振るのがおすすめである。

自分は「何者」なのか……

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ジンジャー)どこか冷たく、ダストに見覚えがあるようだが……

自分の正体を明らかにする目的のために旅をすすめるダストらは、この世界の住人たちと出会うことになる。彼らは好意的な者、攻撃的な者、不思議なオーラを纏うものなど、様々だ。自分のためだけの旅だったと思っているのも始めのうち、事はどんどんと大きくなり、次第に自分の周囲を巻き込む旅に変化していく。

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老夫婦の夫はモンスターが現れた際に、妻を置いて自分だけ逃げてしまっていたようだ

世界で出会う住人との会話に気が配られているのも本作の魅力。重要ではない部分の会話も細かに作られていて、つい何回も話しかけてしまう。住人たちとの新しい会話を聞くたびに経験値が入るので、聞いて損は無い。

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商人)回復アイテムや素材の売買相手。どこか怪しい気がする。
 
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ヒューズ)村を襲った張本人であり敵意を剥き出している
 
自分が存在する意義は何なのか。何のために生まれてどこへ行くのか。終盤には、頭の中にあった謎や疑問が解決し、すっきりとしたエンディングを迎えられた。手書きの優しいアニメーションでファンタジーさを生みだしながら、メッセージ性のある物語を楽しめる。2013年にリリースされた本作だが、今でも人気が高いのも頷ける。ぜひ、ダストが存在する意味をその目で確かめていただきたい。

[作品情報]
タイトル:『Dust: An Elysian Tail』
開発元:Humble Hearts LLC
プレイ時間:8時間~
価格:1,480円


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