大作フリーゲームRPG『Tactical Chronicle』。100年間かけて自分だけの戦術を完成させろ!

今回は長い夏休みにオススメなフリーゲームRPG『Tactical Chronicle』を紹介します。このゲームは過去にフリーゲームRPG『Happy & Birthday』などを発表したカレプリ氏の新作です。そして本作は筆者が2015年上半期にプレイしたゲームの中で最もツボにはまったゲームでもあります。

本作の特徴は、戦術性の高いオートバトル、世代交代を繰り返しながら紡がれてゆく壮大な冒険譚、一度始めるとなかなかやめられない中毒性と、非常に濃厚なゲーム性が詰まっています。今回幸運にも紹介記事を書くことになりましたので、皆様にその魅力をガッツリと紹介したいと思います。

突如現れた「ガンビット」を受け継ぐ戦闘システム

本作を語る上で、ひとつどうしても外せない要素があります。皆さまは「ガンビット」をご存知でしょうか?ガンビットとはコンシューマの有名RPG『ファイナルファンタジー』においてたった一度だけ、シリーズ12作目にて採用された戦闘システムのことです。

ガンビットはキャラクターたちが戦闘中に行なう行動をあらかじめプレイヤーがプログラムのように指定し、戦闘をセミオートで行うという画期的な内容でした。それまでコマンドを選択する形式が主流だったRPG界隈に与えた衝撃は大きく、当時は「戦闘中にプレイヤーが何もすることがない」という批判も浴びました。しかしながらシステムとしての完成度は高く、その快適性や戦術性の高さが後に見直され、プレイヤーによっては「一人用RPGの戦闘システムの完成形」と評価する声もあります。残念ながらその後のシリーズでは採用されないまま現在に至っております。

ここまで読めば分かると思いますが、本作『Tactical Chronicle』はそのガンビットに近い戦闘システムが採用されております。

高度な作戦を組み立てて戦うオートバトルが熱い!

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白魔術師の作戦設定画面

上の画像は、このゲームに登場するクラス(職業)のひとつである「白魔術師」の作戦行動です。本作では上から順に条件が満たされた技や魔法を実行していきます。この場合だとHPの少ない味方を優先的に回復し、HPが少ない味方がいなければ状態異常を回復、そして余裕があれば敵への攻撃に転じるようになっています。

しかしこれはあくまでも一例。プレイヤーの作戦次第では、非常に攻撃的な白魔術師だって作れます。一見複雑そうですが、ゲーム進行に合わせ作戦が徐々に増えていくので、少しづつ戦い方を学んでゆくことが出来ます。

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マップと戦闘画面の切り替わりのないシームレスな戦闘

作戦を設定したら実践開始!フィールドの敵に近づくとキャラクターたちは作戦に合わせて自動で戦闘をしてくれます。ちまちまと攻撃をしてくれる彼らを見ているだけで楽しいですが、敵もまた作戦に沿って行動してくるので、プレイヤーの思い通りに勝たせてはくれません。ボス戦の最中MPが切れてしまったり、敵の手数の多さに回復が間に合わなくなったり、もたもたしている間に強力な魔法を撃たれてパーティが壊滅したりと、たくさんの失敗がプレイヤーを待ち受けます。しかし作戦を作り替えて再び敵に挑み勝利したとき、何も考えずにクリアできるようなゲームでは絶対味わうことのできない達成感があります

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本作では個性的な作戦を使ってくる強敵がうようよ出てくる。いかにして相手の牙城を崩すか考える事が重要になる

本作ではFF12よりも作戦のバリエーションが豊富になっています。「相手のHP」や「弱点」に合わせて攻撃するのはもちろん、「範囲内のターゲットの数」、「敵がどんなアクションを行っているか」、「キャラクターが狙われているか否か」といった条件を設定し、状況に合わせた多彩な行動が取れるようになっています。

さらに「制御命令」と呼ばれるコマンドを使えば、複数の条件を組み合わせて設定できるのも嬉しいところです。活用していけば、放っておいても思い通りに動いてくれるパーティを作れるようになります。もちろん、強敵に打ち勝てるかどうかはあなた次第ですが。

世代交代してゆくキャラクターたちと冒険しよう

『Tactical Chronicle』の特徴はこれだけではありません。本作ではゲーム内で時間が刻々と経過しています。1年が過ぎるたびキャラクターたちは年を取り、20歳頃から能力がピークになり、25歳を過ぎると引退してしまいます。また、一度死亡したキャラクターを復活させる方法が中盤まで存在せず、気を抜けば今まで育てたキャラクターが冒険者は簡単にロストしてしまいます。しかし彼らの冒険の経験は村レベルやクラスごとのスキルへと引き継がれ、新しく加入したキャラクターの強さを底上げしてくれます。消えていった仲間は村の記録として残り続けるので、プレイヤーの足跡はまるで歴史のように綴られてゆきます

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何世代も交代してゆくキャラクターたち。魔王との決戦をする頃には100年の月日と100人の冒険者の記録が残る

冒険を彩るキャラクターたちのクラスは多岐に渡ります。初期のクラス数は戦士、弓使い、盗賊、農家の四種類だけですが、各地の試練を乗り越えることで増えてゆきます。移動速度に長けた「騎士」、範囲攻撃が豊富な「蛮族」、高いリスクを払って強力な魔法を使うことができる「黒魔術師」など、個性的なクラスがパーティ入りすることで戦いの幅が更に広がります。クラスは終盤まで増え続けますので、新天地で新しいクラスを探すことが本作の大きな楽しみであると言えます

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莫大な詠唱時間と引き換えに文字通り桁外れの威力を発揮する「黒魔法」。本作が他のRPGと一線を画すことを端的に表している

圧倒的なボリュームと自由度を体感せよ!

本作の大きな目的は魔王を倒すことですが、それ以外はほとんど自由に冒険を進めることが出来ます。マップを探索する順序は決まっておらず、早い段階で魔王城に裏口から突入することもできます(もちろんそのまま魔王に辿り着けるほど甘くはないですが)。ただゴールを目指すだけではなく、素材を集めて装備合成をしたり、討伐モンスターに挑んだり、功績を積んでクラスごとの勲章を手に入れたりと、寄り道も非常に充実しています。どれもやりこみ要素が高く、何時間プレイしてもまだまだ終点が見えません。想定プレイ時間が30~100時間なので、フリゲとしては破格のボリュームです。

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村の成長とともにどんどん攻略範囲が広がってゆく。魔王を倒した後も冒険は続く

これだけの密度を誇る分、ゲームシステムはかなり複雑でやりごたえのあるゲームです。一方、操作はマウス操作を採用しているため、非常に快適にプレイすることができます。また、ヘルプも非常に充実しており、分からないことがあればすぐに確認できます。他にも遊び方を学ぶことができるチュートリアル、ボタンを押すだけで登録した作戦や装備を切り替えられるマクロ、条件を満たしたときにアラームやマクロを起動させてくれるスケジュール機能などもあり、かゆいところに手が届く丁寧な作りになっています。

圧倒的なボリュームゆえ気軽にクリアできるゲームではないですし、作戦を作るのには頭を使います。ストーリーもほとんど語られることがありませんし、萌えるキャラクターも出てきません。例えば人気ジャンルであるホラー系フリゲとはほぼ真逆の内容です。逆を言えば、本格的にゲームをやり込みたい人であればその期待に答えられるほどの手応えが『Tactical Chronicle』にはあります。RPGに対し情熱を注ぐプレイヤーに対する挑戦状とでも言えるでしょう。

ここまで読んで少しでも良いなと思った方、このゲームを遊ばないのはかなりもったいないです。ぜひ今すぐダウンロードして冒険に足を踏み入れてください。100年に渡る困難でロマンに満ちた冒険があなたを待ち受けています。

[基本情報]
タイトル 『Tactical Chronicle』
制作者 カレプリ(制作者様サイトはこちら)
クリア時間 30~100時間
対応OS win
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/9292

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    ノンジャンル人生(@nongenre_zinsei

    普段からRPGの考察と『メイジの転生録』の話ばかりしている人です。去年もぐらゲームスにて連載「フリーゲームをはじめよう。」を書かせて頂きました。今年も積みゲーとの格闘をしています。自身もRPGを制作しており、現在WEBサイト等を準備予定です。