タオルケットをもう一度シリーズ最新作、『タオルケットをもう一度0 空からクル乙女爆弾』&『タオルケットをもう一度』シリーズ特集!

RPG,フリーゲーム

長年続くフリーゲームの名作RPGシリーズとして人気のある『タオルケットをもう一度』シリーズ。およそ2年半ぶりの最新作である『タオルケットをもう一度0 空からクル乙女爆弾』が公開されたのを機に、今回の記事では本作のレビューに加え、シリーズの過去タイトルをも振り返りながら書かせて頂きたい。

本記事では、最初にリリースされた『タオルケットをもう一度3』から最新作『空からクル乙女爆弾』までを一挙に短評レビュー&紹介する。基本的に順番は筆者のプレイ順(3→2→1→4→5→6{裏})に準じ、非ナンバリングタイトルと最新作『空からクル乙女爆弾』は後半に記載した。できれば『空からクル乙女爆弾』をいの一番に書きたかったのだが、本作は過去作の展開や流れを受けた上での作品であるため、このような順番となった。ちなみにこの並びは、制作者の水野氏によるオススメ順とは異なるので、プレイ時はご注意を。また、本記事では2015年3月1日現在「ふりーむ!」にてDL可能なタイトルのみを掲載している。

本シリーズはほのぼのとした雰囲気とSF的な設定をベースに、ある作品ではシュールなギャグシーン満載かつ最後には泣ける展開、ある作品ではR-15指定のかかりそうなシーンに超がつくほどのシリアスな展開、ある作品では宇宙と輪廻転生を巡る壮大な旅に……と、通底するものはありつつも、多様な設定・展開・シナリオetcを入れ込んでいることが大きな魅力。いわゆる「スターシステム」(同一の外見や名前を持つキャラクターを、異なる作品で起用するシステム)を採用しているのも特徴的だ。それ以外にもドット絵で描かれた個性的で可愛い(そして時たまに不気味な)キャラクターグラフィック、マップ上で豊富に用意されたポイントを調べることで発生するキャラクター同士の会話イベント・かけ合い、タイトルごとに大きく異なる雰囲気やテイスト……と見所盛りだくさんの作品である。

思い起こしてみれば筆者のシリーズ初プレイは2010年。昔DLしていたフリーゲームの中から『3』を発見し、そこから公開順にプレイしていった記憶がある。その当時は個性的なセリフ回しやキャラクターグラフィック&キャラ名に笑い、驚き、泣きながらクリアしていったことを思い出す。一作目が公開されてから数年が経つ、息の長いシリーズとして、未だなおファンを生み続けている『タオルケットをもう一度』シリーズ。皆さんに各タイトルの雰囲気が少しでも伝われば幸いだ。

タオルケットをもう一度3

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タオルケットシリーズは、ここから始まった! 本作には、タオルケットをもう一度「3」という番号が付いているが、前述の通りシリーズとして初めて公開された第一作となる。そのかわいらしいドット絵、ほのぼのとした物語。その中に、ときおり驚きの展開が待ち受ける…という作風は、後々のシリーズにも繋がる魅力あるものとなり、多くのプレイヤーを惹きつけた。
物語としては、平凡な家庭に住む主人公とその妹はある日、家の物置でふしぎな本を見つける。その本に触れると、突然体が小さくなってしまった!元に戻るために、主人公たちは掃除機の中や下水道、家の庭を冒険することになる。そして同じ頃、謎の宇宙人「キセチュー星人」が、主人公たちの住む地球への侵略を開始し…。そんな本作のシナリオは、シリーズを貫くファンタジーSFのような世界観そのものとなっている。ゲームの中盤以降は、宇宙人たちの指導者のような存在である、人のような姿をした「魚帽子」との戦いが繰り広げられる。数多くの仲間たちと共に宇宙人に立ち向かう主人公、そして世界の運命やいかに…!?
RPGとしては難しすぎる部分もなく、遊びやすいものとなっている。シリーズの初作品という事もあり、後々のシリーズまで受け継がれる雰囲気をぜひ楽しんでほしい。

タオルケットをもう一度2

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牧場の家で生まれ育った主人公の少年、そして幼なじみの少女である「ぱりぱりうめ」。平和な町に住む二人を中心とした、平穏と悲哀の物語が描かれるシリーズ第二作。主人公の少年は平凡な毎日を送っていたが、ある日「愛の唇星人」という謎の宇宙人に連れ去られてしまい、実験の対象となってしまう…。『タオルケットをもう一度3』から続く、ドット絵とほのぼのとした雰囲気は健在だが、ゲームが進むにつれて物語や場面描写は徐々にシリアスなものとなっていく。そして、物語の最後に主人公とぱりぱりうめを待つのは…。

本作の特徴は、やはり最終局面で描かれる悲しみに満ちたハッピーエンド、とも言える非常に印象的なラストシーンだろう。プレイヤーの間でも語り草となっている場面で、筆者としてもプレイ当時、深く記憶に焼きついたエンディングだった。その結末と全体的な完成度の高さからか「ふりーむ!」にて70,000ダウンロード以上を記録しており、現時点でタオルケットシリーズの中でもっともDLされている人気の高い作品となっている。
物語の中心となる二人のほかにも、主人公の飼い牛であり、「愛の唇星人」による実験によって人語を話すようになった「牛ちゃん」、TV局勤めの人気女子アナである「光恵さん」、そして四角いロボである「ちびロボ」を開発する研究者の女の子「ケツあご博士」…など、個性豊かなキャラクターたちが登場する本作のストーリーも、続きを読み進めていきたくなるものとなっている。
ゲームシステムとしては、物語中の「思い出」を集めることでキャラクターの強化などを行うことが出来る「心の中」システムが特徴的。このシステム自体は第一作にも登場しているが、本作ではシステムという位置付けだけでなく、ゲーム終盤の物語にも関わってくる演出としても機能している。戦闘はターン制RPGとなっているが、戦闘画面でキャラクターが行動する際に動きが表示されるなど、登場人物の魅力が引き出されるものとなっている。ぜひエンディングまで見届けてほしい作品だ。

タオルケットをもう一度1

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タオルケットシリーズ3作目となる本作は、現在発売されている小説版「タオルケットをもう一度」のストーリーの元にもなっている作品だ。記事冒頭で触れたように、制作者本人によるシリーズおすすめプレイ順番としても、一番先にプレイするのがおすすめの作品とされている。
引越しの最中、事故により無人島に流されてしまった主人公「もーちゃす」は、そこで「コンチェル」「ラザニア」「ぱりぱりうめ」という3人の女の子に出会い…。
物語の本筋のひとつは人間とロボット、そして「記憶」というキーワードから描かれるストーリーで、心に訴えかけてくる物語となっている。本作で特に注目したいのはゲーム中盤以降、数億年という気の遠くなる年月を超える物語となっていく場面だ。そこで挿入される普通の小鳥「ちゅん」のエピソードは、特に印象的なものとなっている。家族と共に平和に暮らしていた「ちゅん」。しかし、ある事件により、ちゅんは「生きること」について考え始め、思索の旅の中で多くの存在に出会っていく…。一見、本編とは離れたところで展開される「ちゅん」の旅だが、その中で「生きること」の自分なりの答えに行き着いたちゅんが、次第に物語の本筋にも関わっていく流れは必見だ。他のシリーズと同じく、一部シリアスな要素も含まれるものの、心に残るドラマチックな物語を楽しみたい人にはぜひオススメのゲームだ。

タオルケットをもう一度4 海

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SF要素の強かった『2』や『1』から一転、ファンタジックでメルヘンな『タオルケットをもう一度4 海』。
行方不明になった親友「もーちゃす」を探す過程で異世界に迷い込んだ主人公「もか」。紆余曲折あって命の危機に晒されたもかを救ったのは、心優しい人魚「こうちゃ」だった。彼女や異世界の住民との出会いを経て、彼は再びもーちゃすを探し出す旅に出る。そこにシリーズ恒例の悪役「魚帽子」が絡んできて、大きな陰謀が動き出す……。一度プレイしていただければすぐ分かると思うのだが、本作はいつになく伏線や謎の多いストーリーとなっている。どこか童話を思わせるような物語やグラフィックにも注目だ。
登場する仲間の数はおそらくシリーズ最多クラス、シナリオもなかなかの長編となった。敵が総じて強めであり、戦闘の難易度はシリーズ中では高い方に当たるものの、難易度は高すぎず低すぎずのところで落ち着いている。後半になればもかがかなり強力な全体攻撃を覚えることもあるので、困ることはないはずだ。
本作はシリーズの従来作品同様の独立したシナリオを持っているが、それと同時に様々な意味において『3』『2』『1』を束ねる物語を擁するタイトルでもある。プレイする際は上記のタイトル(と、『裏(6)』)に一度目を通しておくと120%楽しめるだろう。親友を追って異世界へ迷い込んだ「もか」の運命、そしてもかに恋焦がれる人魚「こうちゃ」の運命やいかに?

タオルケットをもう一度5~がぅがぅの花嫁~

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ひょんなことから地球が滅びる系RPG『タオルケットをもう一度5~がぅがぅの花嫁~』。
47億年の遥か昔から地球の中心でジャンプを繰り返し、地球の自転を生み出していたロボット「えだまめちゃん」と「びーる君」。地球の自転を維持するため、来る日も来る日もひたすらジャンプ……びーる君はまんざらでもないようだったが、えだまめちゃんはそんな生活にすっかり嫌気がさしていたのだった。そんな二人(二体?)のところに、地球の中心が空洞であることを証明するため穴を掘り続けていた「ぷっち」が偶然出くわし、えだまめちゃんをマジギレさせたことが原因で地球の自転は停止。地球は大変なことになってしまう。時を同じくして、自転が停止した影響ですっかり壊滅した地上から恐竜たちの跳梁跋扈する地下へと迷い込んだ主人公「ろっぺんちゅ」の物語も幕を開ける。果たして地球はどうなってしまうのか、えだまめちゃんの機嫌は直るのか、ろっぺんちゅがスカートの中に隠した【検閲済み】なビデオ(?)の正体とは……etcetc、この型破りな展開の行きつく先はいったい!?
……といった感じで、本作はシリーズ作品の持つギャグ・コメディ要素がより強く現れた作品であると同時に、過去作のお約束を逆手に取った演出やまさかのどんでん返しを見ることができる、なかなか味のある一作だ。もちろん、決して笑える要素だけで構成されているわけではない。笑いあり涙ありギャグありシリアスあり、山と谷を満載した奇想天外びっくり仰天、本作もお楽しみに!

タオルケットをもう一度6(裏)〜悪魔と悪魔と悪夢と悪魔〜

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ナンバリングタイトル紹介もこれでラスト、『タオルケットをもう一度6~悪魔と悪魔と悪夢と悪魔~』だ。母親の「ぱりぱりうめ」と二人で暮らしていた主人公の女の子「みんぽぅ」。そんなみんぽぅの妹が産まれたところから物語は始まる。ナンバリングタイトルとしては最も数字が大きいが、筆者の記憶が正しければ『1』と『4』の間に、一時期公開されていた『タオルケットをもう一度裏』がベースとなっている。なので実質シリーズ四作目と言っていいかもしれない。
元々「裏」と名前がついていただけに(もちろん「裏」には別の意味もあるのだが)、今までのタオルケットシリーズのテイストを残しつつも、一風変わった趣向の作品だ。例えばファンにはおなじみ、白くてふわふわの生物「ポン」。シリーズの他作品ではなんだかんだ言って主人公たちの味方をしてくれるのだが、本作ではなんと地球を侵略する悪の宇宙人として登場。コミカルなシーンはなきにしもあらずだが、作中では一貫して悪役に徹している。
また、ストーリーは終始シリアスな色が強く、部分的には『2』に近い雰囲気があるかも。タオルケットシリーズ恒例のスターシステムを利用したネタもそこかしこにあるものの、ギャグやジョークの類ではなく、過去作と本作の繋がりを示す意味合いで使われている個所が多い。他にも後に制作された『笑う、わらわぅ』のメイン登場人物である「わらわぅ」や「にゃにゃも」が初登場する等、本シリーズにおいて独特の位置を占めている作品だ。

かいけつ! 猫足乙女ちゃん

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ここからは非ナンバリングタイトル群の短評・紹介といこう。第一号は『かいけつ! 猫足乙女ちゃん』。軍隊に入隊した主人公・猫足乙女ちゃんは、同部隊にトップの成績で入ってきた侍・猫舌に惚れられたり、本作では軍隊の司令官を務めるあごちゅ、大佐のぷっちにセクハラされたり、シリーズほぼ皆勤賞の「ポンのお婿さん」にセクハラされたりしつつ、突如現れた宇宙からの侵略者「乙女爆弾」を打倒すべく数奇で素敵な運命の渦中へダイブすることになる。
本作はいわゆるスピンアウト作品的な色合いが強いものの、ナンバリングタイトル群のほのぼの・ギャグ・SFテイストを強く引き継いだストーリーやテキストを楽しむことができる。また、今回はなんと毎回変態キャラとして登場する「ポンのお婿さん」が超カッコいい(そして超ハイスペック)ので、お婿一族の意外な一面(?)を見ることができるのも、シリーズをプレイしているユーザーには嬉しいところだ。ちなみに筆者イチオシのキャラ、妖艶緑茶云々師匠も本作が初出。
ご覧の通りギャグやセクハラ的展開が山盛りの明るめかつ笑えるテイストだが、後半になるにつれてギャグ要素は少しずつ抜けてどんどんシリアスな(そして、切ない)展開になってゆく。本シリーズの大きな魅力のひとつである“物語”が全面に出た形となっているので、ぜひ最後まで通してプレイしてほしい一本だ。

笑う、わらわぅ

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シリーズに突如現れた幻想怪奇系RPG『笑う、わらわぅ』。本作のストーリーは、やたらと使用人の態度がでかいお屋敷に住むお嬢様「わらわぅ」が「笑う世界」と呼ばれるネジの数本外れた異世界(?)に迷い込み、案内役を名乗る「血反吐結び」に導かれて「笑う世界」をさまよう……というもの。今までのシリーズとはかなり毛色の異なる作品であり、意味深で謎めいている台詞回しとストーリー、そして戦闘を演出として取り扱うスタイルの徹底ぶりが強く印象に残る。言わずもがな『タオルケットをもう一度』シリーズは台詞回しやストーリー展開に独特のクセがあるが、本作『笑う、わらわぅ』はそれを差し引いてもかなり難解。すぐには全容をつかめないプレイヤーもいるかもしれない。しかし、物語を進めるにつれて謎は徐々に明かされてゆき、最後にはジグソーパズルが連鎖的に組み上がっていくのを眺めているような楽しみがある
ちなみに「戦闘を演出として取り扱うスタイル」についてだが、いわゆるRPGの類に漏れず、『タオルケットをもう一度』シリーズも「敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルを上げて先へ行く」という要素を少なからず持っていた。しかし本作ではイベント戦闘を除き大半の戦闘を回避することができ、その代わりマップ上に配置されているオブジェクトを調べたり踏んだりすることで経験値が手に入る仕組みになっている(しかも後者の方が圧倒的に効率が良い)。つまり、過去作以上に稼ぎとしての戦闘を行う必要が一切ないというわけだ。そしてこの疑似的なRPGとでも言うべきスタイルは、後の『夜の海でお月様を釣る』でより先鋭化することとなる。
『タオルケットをもう一度』シリーズの中でも異色の設定やビジュアルとなった本作。幻想と謎がたっぷりの物語が欲しい方はぜひ。よりパワーアップしたドット絵と造形のキャラクターたちも必見だ。

夜の海でお月様を釣る

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タイトルで惚れた『夜の海でお月様を釣る』。マルチシナリオ&マルチエンディングという意欲作だ。本作は「4」の主人公「もか」が再び主役として登場。偶然命を助けられたことをきっかけに「旅館」で働くことになった「もか」は、旅館の主である「妖艶緑茶云々師匠」やその娘「きゅうりぽんぽん」「血反吐結び」、どこかの誰かと同じ名前の旅人「もーちゃす」、その他様々な登場人物たちと数奇な運命に巻き込まれてゆく。
本作の物語は『笑う、わらわぅ』以上に複雑に絡み合っており、しかもマルチシナリオ&マルチエンディングを採用したことによって、その分量も比べ物にならないほど増大している。こちらでも、霧に包まれたような謎の多い物語や設定を、何度もプレイしながら読み解いていくのが醍醐味と言えるだろう。繰り返しプレイするうちに、他の『タオルケットをもう一度』シリーズ作品(特に『4/海』)との関係性も見えてくるはずだ。
また『笑う、わらわぅ』の項目でも書いたが、本作もイベント戦闘を除き大半の戦闘を回避することが可能。しかも『笑う、わらわぅ』においてはそこそこレベルの必要だったイベント戦闘は、本作においてはよほどのことが無い限り勝てるように設計されている。ここまで来るとRPGというより探索型のアドベンチャーと言ってもいいのかもしれない。
上記のようなシステム的な理由もあり、『笑う、わらわぅ』以上にシリーズ異色の作品となった本作だが、『タオルケットをもう一度』シリーズの持つの独特のテイストは間違いなく受け継がれているもーちゃすはいつになくスンゴイことになってるけど。

タオルケットをもう一度0 空からクル乙女爆弾

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そしておよそ2年半ぶりの新作、『タオルケットをもう一度0 空からクル乙女爆弾』が公開されたというわけである。今回はチーム「乙女爆弾」の一員でいじめられ気味のおもちちゃん、そして「魚帽子」のヘミオラを主役に据えたラブストーリー兼コメディ兼サスペンス。おもちちゃんが“素敵な殿方”を探しに行った惑星カジノで二人は偶然出会い、なりゆきと勘違いで大変なことに……。

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さてさて、彼らは一体?

本作は過去に出たナンバリングタイトルの持つSF的な設定やほのぼの系ギャグ要素を満載しつつ、突然の急展開もしっかりついてくる。最初期の「3」やギャグ要素多めだった「5」のようなテイストがある、と言えば伝わるだろうか。もちろん、一風変わったセリフ回しも健在。久々のタオルケット節(?)に心動かされたプレイヤーもいるのではないだろうか。

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「魚帽子」ヘミオラ。過去作では悪役としての登場が多かったが、本作では……?

久々のシリーズ最新作ということで、一部キャラクターの一新されたドット絵も見所。特にあごちゅ博士や魚帽子たちの新ドット絵は必見、過去作も全てプレイしていた身としてはデザインの変遷を辿るだけでなかなか感慨深いものがある。個人的には、やはり上に挙げたヘミオラもさることながら、「ぷちすますつりー」要素もまじえつつ完成されたぷっちのドット絵がイチオシ。こればかりはぜひプレイして見ていただきたい。

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もちろんこのセリフも。でぅでぅでぅは笑いのSE!

また、過去作品からの引用や「あ、こいつってあの作品のアレじゃん!」というファンサービス的な小ネタがいつになく多いので、『タオルケットをもう一度』シリーズを一通りプレイしてから遊ぶことをお勧めする。そうそう、あの「けるばぁすでぅーさ」の出生の秘密が明かされたり明かされなかったりするらしいので、『タオルケットをもう一度』シリーズのファンは要チェックだ。

おわりに

さて、本記事では『タオルケットをもう一度』シリーズ、現在プレイ可能な全10作をレビュー&紹介した。こうして振り返ってみれば、2008年から続いていることもあり、かなりの長編シリーズであることが分かると思う。
長く続くにはそれなりのワケがある、というわけで気になった方やシリーズのファンだけどまだ未プレイの作品がある方etc、本シリーズの持つ独特の空気や物語に触れてみてはいかがだろうか?

※本記事は『タオルケットをもう一度』シリーズ制作者、水野輝和氏による記事内容の確認を経て掲載されています。

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。

  • 水原由紀(@mizuharayuki

    読みは「みずはらゆき」。ゲーム業界のはしっこに勤めつつ、色々書いてます。思い入れの強いゲームは初代『.hack//』や『風ノ旅ビト』、『Dear Esther』『ゆめにっき』『Ruina 廃都の物語』などなど。2015年マイベストははむすたさんの『ざくざくアクターズ』。美学と工学の交差するゲームを求め、今日も片道切符。Narrative関係勉強中。