「WiiUゲームパッドの真価」を堪能できる『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』は結末まで見てほしいステルスアクション

Wii U,アクション

『スプラトゥーン』、『スーパーマリオメーカー』と言ったヒット作が誕生したのち、生産終了によって4年で幕を下ろすことになった任天堂の据え置きゲーム機『WiiU』。そんなWiiUでも、様々なインディーゲームがリリースされた。今回紹介するのは、WiiU独占のインディーゲーム『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES(ユーエクスプロー スペースアドベンチャー)』だ。

image00

今作は同じくWiiUで販売された『Knytt Underground(クニットアンダーグラウンド)』を始め、作家性の強いゲームを手掛けてきたスウェーデンの個人デベロッパーNifflas’Games、そしてWiiUゲームパッド、Wiiリモコンを前代未聞の形で活用したパーティゲーム『Spin the Bottle: Bumpie’s Party(国内版:わいわい!みんなでチャレンジ)』を手掛けたデンマークのKnapNok Gamesの共同開発によって制作された。

作家性の強い作品、奇抜なアイディアを特徴とする作品の製作を作った両者のコラボで誕生したのは、WiiUゲームパッドとWiiU独自の機能あってこその遊び心地を特徴とする作品だった。その魅力を下記に綴っていこう。

image01
 
image04
 
舞台となるのは未知の惑星「スぺクタクロン」。宇宙旅行会社「ユーエクスプロー社」のツアーに参加した旅行者達は小型宇宙船「スモールクラフト」を乗せた母船で現地へ向かう。だが、「スモールクラフト」を地上へ送り届ける着陸船が嵐によって墜落。スぺクタクロンの大地に不時着してしまう。

プレイヤーはそんな旅行者の一人となり、スモールクラフトを操縦してスぺクタクロンの地を探索し、何処かに墜落した救援ポッドの発見と救難信号の送信を目指す…というのが大まかなあらすじだ。

WiiUゲームパッドで小型宇宙船を操縦し、難関を潜り抜けろ!

image07
 
ゲーム内容としては横スクロールのステルスアクションゲーム。小型宇宙船の「スモールクラフト」を操作し、ゴール(出口)への到達を目指す、ステージクリア方式で進んでいく。

スモールクラフトは小型ながら非常に多機能な宇宙船。「燃料」、「電気」の二種類のエンジンとそれに付随する「安定装置」、「スラスター」等の各種デバイス、地面に着陸する際の形状を変更できる「着陸機能」、目前の脅威の危険度を調べる「スキャナーライト」、そしてスイッチを押したりできる「照明弾」など、数多くの装備が搭載されている。

image12

そして、これらの機能を使うに当たり、WiiUゲームパッドをフル活用する。先の各種デバイスとエンジンは、全てWiiUゲームパッドに表示された「コントロールパネル」に表示されており、該当のパネルをタッチする事で、それらの機能を起動させたり、停止させたりする事ができるのだ。

エンジンなど、一部はボタン操作に対応しているが、「スラスター」、「安定装置」と言ったエンジンに付随するデバイスはタッチ操作限定。なので、細かい調整を行う際はパッド側に目を向け、パネルをいじる事になる。状況によっては、テレビ画面とパッド側の画面を交互に確認しつつの操縦をする事も。まさにWiiUならではの「非対称プレイ」を体現した設計。この特徴的な操作でステージ攻略に挑んでいくのだ。

このWiiUゲームパッドをフル活用した操作性、ゲームデザインが今作最大の特色。テレビとパッドの双方に目をやりながらステージ攻略に挑んでいくその遊びには、他のハードでは味わえない面白さが詰まっている。

image05
 
ステージの作りも独特だ。基本は仕掛けを解いたり、トラップを潜り抜けていくのだが、ある程度進めていくと「異星人の遺物」と呼ばれる敵が登場。動きはせず、自機にも攻撃はしてこないのだが、周囲に感知センサーを展開しており、それに引っかかってしまうと正確無比の攻撃が行われ、自機が撃墜されてしまうのだ。

だったら、攻撃して破壊すればいい…と思いきや、スモールクラフトに武器は搭載されていない。なので、センサーに引っかからぬよう、やり過ごさなければならない。やり過ごす方法は単に感知センサーの範囲外を潜り抜ければいいだけ。装備の一つ「スキャナーライト」で遺物をスキャンすると、感知センサーが可視化されるので、その範囲内に入らないように自機を動かせばいい。

だが、時にはセンサー内部を進む以外に選択肢がない場面も。こんな時はどうするのかと言うと、敵のセンサーがコントロールパネルに表示された「音」、「熱」、「電気」の三つのセンサーのどれに一番反応するのかを確かめ、該当するセンサーの動力源に当たるデバイスを切ったり、出力値を下げるなどして弱めればいい。

image03
 
上記のオレンジ色に表示された所が危険域。ここまでメーター達した状態でセンサー内部に入ってしまうと、敵が攻撃を仕掛けてくる。このメーターが危険域に到達しないよう…

image06
 
メーターを上げる原因になっている機能を切ったり、出力を下げるなどして対応。

このような形でセンサーを潜り抜けていく事になる。これが面白い。テレビ側の状況を見つつ、パッド側で各種デバイスのパネルを調整し、脅威を潜り抜けていく緊張感、乗り越えた際の達成感は、このWiiUゲームパッドをフル活用した操作性ならではの感動とスリルがある。

異なる二つの画面を見ながら遊ぶので、本当に宇宙船を操縦しているかのような手応えもバッチリ。実際にゲームパッドで操作するコントロールパネルは、テレビ側で動くスモールクラフトの操作パネルそのものという設定上、沢山の機能を擁しているので、宇宙船らしい手触り感がある。

現実味を出す意図で、敵の攻撃やトラップに引っかかって撃墜されると、ゲームパッド側のパネルが残像だらけになる故障した演出が入るという仕掛けも。その素晴らしい操作感、リアリティを高める演出の数々には、本当に自分が小型宇宙船で旅する旅行者になったかのような錯覚を覚えるかもしれない。

image08
 
段階的にパッド側の機能を解禁していくレベルデザインも素晴らしい。プレイヤーに少しずつエンジンの機能を覚えて行ってもらい、応用まで分かったタイミングで次の機能を解禁していく構成でまとめられている。慣れてない序盤は緩やかにし、慣れ始めていくと同時に挑戦を促してくる難易度曲線も見事。宇宙船の機能が少しずつ蘇っていく演出も、ゲームとストーリーが密接にリンクしたものになっているなど、丁寧に作り込まれている。

そして、後半以降のほぼ全ての機能が解禁された後の展開も見逃せない。全部の機能が使える事になったのを活かした、とんでもない突破法をプレイヤーに要求してくる。どんなものかは実際に遊んでからのお楽しみだが、どれもこれも唖然となること必至。その無茶苦茶な解法の数々には、WiiUゲームパッドの底力を思い知らされるだろう。

「旅行者=プレイヤー」の設定、WiiUならではの工夫と演出が光る物語

ストーリーもユニークな作りをしている。基本的にゲーム中、会話イベントが発生する事は無い。物語の背景、設定などは一定量のステージをクリアする度に挟まれる、ユーエクスプロー社のプロモーションムービーで語られていく。

image13
 
プロモーションムービーはその名の通り、今回の旅行やスぺクタクロンの魅力や注意点、ユーエクスプロー社の社風などが語られていくのだが、面白いのが語られる内容全てがゲーム本編と著しく矛盾していること。プレイヤーにユーエクスプロー社への不信感と怒りを増幅させる、感情に訴えかけるものになっているのだ。

こちらは救援ポッドを探し出す為、スモールクラフトでスぺクタクロンの危険区域を死に物狂いで探検しているのに、主催者は「スぺクタクロンは安全なところです!」、「我が社の事故率は0%です!」と声高に主張。挙句の果てには「事故が起きないから、社員は気軽に長期休暇を取得できます!」のような台詞まで言い放つ。

この会社、危機管理能力が無さすぎる…という気持ちが湧き上がってくるほど、刺激的な描写が繰り返されるのだ。そうも進める度にプレイヤーのユーエクスプロー社への不信は募っていき、頂点に達するタイミングで今作はエンディングを迎える。

image09
 
その内容については多く語らないが、「旅行者=プレイヤー」という設定、そして、WiiUというゲーム機だからこそできたアイディアが光る、非常に印象深い結末になっている。見れば何故、ユーエクスプロー社への不信を募らせる構成になっているのかの狙いを知ることになるだろう。また、ゲームを終えたら”あるもの”が見たくなること請け合い。それが何なのかは実際に遊んで確かめてみて欲しい。

image11
 
ローカライズも手が込んでいて、ロード画面に表示されるユーエクスプロー社のガイドブック、スモールクラフトの解説書の部分に至るまで、丁寧な日本語化が行われている。更にムービーの音声は日本語吹き替え仕様となっていて、声優の演技がいい感じにうさん臭く、ユーエクスプロー社への不信感をより引き立てているのが素晴らしい。台詞にも日本語的におかしな表現があるのだが、それすら演出の一つになっているほど。計算され尽したその作りには、細部へのこだわりを実感させられるはずだ。

事故率0%。生還率100%。安心安全な宇宙旅行を楽しんでみませんか?

やり込み要素は皆無。しかし、ステージ総数は35以上と十分なボリューム。また、2016年2月に実施されたアップデートで高難易度のステージも追加され、より極め甲斐のある内容へ進歩している。難易度も後半、物理演算に任せた難ステージがあるが、リトライポイントが適度に設置されているので、やり直しは苦にならない。

image14
 
更にゲーム中には難易度の引き下げも可能。スリリングなサバイバルを楽しむか、或いは観光気分で惑星探検を楽しむかはプレイヤー次第だ。

image10
 
まさにWiiUというハードがあってこそ生まれた作品。見た目が地味で、ゲーム中も環境音楽しか流れないほど静かだが、そこには他では決して体験できない遊びと衝撃が詰まっている。

筆者の気持ち全開で書かせて頂くと、WiiU持ってるなら、一度でもいいから遊んでおこうと主張したいほどのゲーム。今、貴方の手元にあるWiiUゲームパッドは何に使ってますか?テレビに映さないでゲームを遊ぶ為だけですか。それとも、イカのスーパージャンプ専用ですか。

もし、それぐらいしか活用していないのならぜひ、今作をプレイしてWiiUゲームパッドの真価を味わってみて欲しい。

image02
 
事故率0%、生還率100%の安心と信頼の実績を持つユーエクスプロー社による、不思議な宇宙探検旅行に旅立とう。

[基本情報]
タイトル: 『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』
制作者: KnapNok Games、Nifflas’Games(※販売:レイニーフロッグ)
クリア時間:7時間~10時間
対応OS: WiiU
価格: ¥1700

ダウンロードはこちらから
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000020173

  • シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence