これぞ究極のマルチタスク!?前代未聞の「歩きスマホ」シミュレータ『Double Dodgers』

人間、ふたつ以上のことを同時にやるのは難しい。思考が入れ違い、それにより動作は混線してミスを誘発してしまう。しかし難しいからこそある種の挑戦にもなるともいえる。ビデオゲームにおいても「内政」と「戦闘」を同時に行うリアルタイムストラテジーなど、要素を分解していくと複数の作業を同時にこなさせる構造となっている物に心当たりが出てくるだろう。

また、コンピュータにとっても、複数の処理を同時に実施していく「マルチタスク」は一見得意分野のようにも見えて、実際にはひとつひとつの処理に対して時間配分を決めて高速で切り替えることで同時に処理しているように”見せかけて”いる方式がほとんどで、完全な同時とはいかず、時間配分や処理の切り替えの効率化など考慮しなければならない点が増える難題であると言える。

そんな「マルチタスク」の難しさを表現したのが、今回紹介するオランダ・ロッテルダムに籍を置くPelican Pirty Studios制作の『Double Dodgers』だ。
2020年2月25日にリリースされ、Webサイト上でプレイできる他、iOS版・Android版が各対応ストアで無料ダウンロード可能となっている。

画面内と画面外でひたすらに穴を回避せよ

「究極のマルチタスク」を謳う本作『Double Dodgers』においても、ふたつの事を同時にこなす事が目的となる。歩道を歩く。スマートフォンでゲームをする。すなわち、「歩きスマホ」である。

本作では自動的に前へ前へと進んでいく強制スクロールの形式が撮られている。キーボードの左右キーで歩道を移動し、上キーでスマホ内のスライム君をジャンプさせ、歩道とスマホ内ゲームの両方で下水に落ちないよう穴を避けていこう。
”本人”が道路側のマンホールなどに落ちても、スライム君がゲーム内の下水に落ちても、その時点でゲーム終了となり、終了までに進む事が出来た距離が得点として記録される。

ゲーム終了後は得点をSNSへ送信したり、画面右下部からスキン(飾り付け)の変更を行うことができる。ハイスコアが取れたら是非とも自慢していこう。

ママ:「晩ごはんは6時よ!ポテトとブロッコリー!」

スマートフォンでゲームをしているときに厄介なものといえば、それはゲーム画面を塞いでくるゲーム以外の通知のポップアップであることに異論はないだろう。本作においてもスマホ上でのポップアップメッセージが表現されており、おせっかいなママからの連絡が容赦なく入ってくる。気を散らさないよう注意が必要だ。

また、外出先でゲームを遊ぶ際には周囲に音が漏れないようイヤホン等を使うこともあるだろうが、本作においてもスマホにヘッドホンを接続した旨のメッセージが出ることもあり、その際はゲームのBGMもさながらヘッドホンをかけたかのようにくぐもった形で聞こえるようになるなど、とても細やかな演出がなされている。

本作は歩きスマホという題材のチョイスのみならず、日常的な部分の切り取り方のセンスが光る作品と言えるだろう。

スマホで「歩きスマホ」を体験

やるべきことは穴を避けていくのみと非常にシンプルだが、スマホの画面と歩道の穴のどちらを注視すれば良いのかの判断がつけにくく、ふたつ同時には意識できないが故のもどかしさに襲われる。いざプレイしてみると、想像していたよりもずっと難しいと思わされること請け合いだ。

また、本作にはスマートフォン版も存在している(操作はタップでジャンプ、左右フリックで移動)。端末があるならば歩きスマホをしながら歩きスマホのゲームをするという風刺的でシュールな体験を味わってみるのもまた一興といえるかもしれない。

…本作の内容自体が示している通り、穴に落ちるなどして怪我の元になるので、読者の皆様におかれましてはくれぐれも現実では歩きスマホなどしないようお願いいたします。

[基本情報]
タイトル:Double Dodgers
制作者: Pelican Party Studios
クリア時間:  エンドレス
対応OS: HTML5, iOS, Android
価格: 無料

↓プレイはこちらから
https://doubledodgers.com/

↓ダウンロードはこちらから
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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。