”舌”で切り込み血路を開け。地獄アリーナシューター『HELLFROG』

「カエルをいきなり熱湯に入れると驚いて飛び出すが、水に入れてから温めていくとそれと気づかないうちに茹で上がる」という万話は実は科学的には否定されているが、緩やかな物事の変化に対して対応が遅れて致命的になってしまうというものの例えとして定着している。では、もし熱湯どころか地獄の業火に叩き込まれたカエルがいたとしたら?当然のように焼かれると思うのが筋ではあろうが、これまた案外どうにか抜け出してくるのかもしれない。

『HELLFROG』はlic氏が制作した全方位型2Dシューティングゲーム。2021年9月23日よりふりーむ!ならびにitch.ioにて公開されている。

釜茹でなどはぬるま湯に等しい

本作では銃を手に地獄へと降り立った蛙となり、化物たちを殲滅しながら地獄の先へと進んでいくことが目的となる。蛙と地獄、ともすれば不思議な組み合わせではあるが、なぜ蛙が地獄に降り立つことになったのか、何を目指して進むのか、それらが作中でわかりやすく語られることはない。我々にできるのは戦いに身を投じるその背中を察するのみである。

操作はキーボード+マウスで行う方式となっており、WASDキーで蛙を移動させ、マウスの移動で照準を定め、左クリックで散弾銃を発砲する。敵から放たれる攻撃に当たらないようにしながら、こちらの散弾銃を敵へと当てていこう。また右クリックやスペースキーなどで蛙らしく舌を伸ばすことができ、舌を伸ばした先に壁や柱などがあればその地点へと高速で移動することが可能だ。

冒頭のチュートリアルステージなどを除き、基本的にはステージ内の敵を全て倒すことでゴールとなる穴が出現し、穴へ入ることで先のステージへと進むことができる。敵から攻撃を受けるなどして蛙の体力がゼロになった場合はステージの最初からやり直しとなる。敵の全滅というクリア条件の都合上、取りこぼしがあると後戻りが大変なので、画面外枠付近に表示されるマーカーをよく見て敵の位置を確認したり、再挑戦を重ねて敵の配置を覚えておくことが攻略ポイントといえるだろう。

棒立ちでいることは許されない地獄のマラソン

生きとし生けるものには地獄という環境はただ居るでも過酷なものなのか、本作では何もしていない状態でも体力が減り続け、もたもたしていることはそれだけで死を意味する。加えて体力を回復する手段は敵を倒すことのみであるため、必然的に素早く敵を倒しにいかねばならない。先のステージへ進むと血の池に足を取られるようにもなるので、舌を使った高速移動を使いこなせるようにすることが非常に重要だ。

また、蛙が武器として持っている散弾銃は撃てば撃つほど敵から遠ざかってしまうほどに反動が強く、また散弾という特性から距離が遠ざかるほど弾が散らばってまとまった威力にならなくなってしまう。こうした点を補うためにも敵に近寄るというプロセスが重要になってくる。

刻々と迫る体力切れ、舌伸ばしでの高速移動、武器である散弾銃の強反動。これらを統合すると「体力が無くなる前に舌を伸ばして素早く敵に近づき、至近距離で散弾銃を敵に叩き込み、敵を倒して体力を回復、舌で更なる敵へと向かう」サイクルが完成し、否応なしにハイテンポに動くことになるため非常に白熱する。多少の被弾も敵を倒して体力を分捕ってやればいい。ガンガン突っ込んで大暴れすれば脳の奥からアドレナリンが沸き立つこと間違いなしだ。

アレンジの効く難易度調整

本作ではNORMAL・VERY HARDの2種類の難易度設定のほか、「アシストモード」を使うことで敵の攻撃力・スリップダメージ・プレイヤーの攻撃力の3項目を調節することができる。アシストモードはゲーム中であっても変更可能なので、プレイしていて難しすぎると感じた場合には自分好みの味付けに調節してみよう。

また本作では様々な難易度設定や条件でクリアすることで「実績」を取得できるが、その中には「移動キーを使わずに終盤ステージに辿り着く」というユニークなものがある。先の項にて述べた「舌伸ばしでの高速移動」と「散弾銃の強反動」という本作の特色を最大限に活用することになる、本作を象徴するチャレンジだといえるだろう。腕に覚えがある人はぜひ挑戦してみてほしい。

攻めっ気の強い作品が好きな人にお勧めしたい本作。リトライ等を重ねても1度のクリアまで20分~30分程度であるため気軽にプレイしてみてほしい。
[基本情報]
タイトル: HELLFROG
制作者: lic
クリア時間:  20分~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア

↓ダウンロードはこちらから
(ふりーむ!)
https://www.freem.ne.jp/win/game/26682

(itch.io)
https://lic-cake.itch.io/hellfrog


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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。