万人におすすめなアクションゲーム『魔神少女エピソード2』 前作の魅力はそのままに、多彩なシステムを楽しめる

image09

前回紹介したインディゲーム『魔神少女 -Chronicle 2D ACT-』に続く形で、今回はその続編『魔神少女エピソード2 願いへの代価』を紹介する。開発は前作に引き続きINSIDE SYSTEM。2015年11月4日、ニンテンドー3DS用ダウンロードソフトとして販売された。

見た目とは裏腹に歯応え抜群なアクションゲームだった前作。続編となる今作もその魅力はそのままに、前作の尖っていた箇所を丸く改めた、正統進化を遂げた作品に仕上がっている。

image00
 
image08
 
今回の舞台となるのは、東の大陸に位置する『リアーナ』と呼ばれる国。同じく東の大陸に位置する魔法研究大国『ゲルマ』は、危険な秘密研究集団『イーチュ』のメンバーをリアーナへと集め、世界に向けた宣戦布告を始めようとしていた。魔の力を管理する魔神”ジズー・オリンピア”はゲルマの企みを阻止すべく、リアーナへと降り立つ。そしてもう一人、行方知れずの両親を探す少女”ソラ”もリアーナに向かう…というのが大まかなストーリーである。

新システム多数追加で、遊び心地が大きく変化

ショット攻撃で敵を倒しながらステージを進み、最後に待ち構えるボスの撃破を目指す横スクロールアクションゲームであるのは前作と一緒。プレイヤーお好みのルートで進めていける『ステージセレクト』。ボス撃破によって獲得できる新たな技『テクニカルスキル』。『トレース』と呼ばれる敵を倒した際に手に入れたパワーを消費し、ジズーの能力をパワーアップさせる『強化スロット』。それら特徴的なシステムの数々も健在だ。今作はその前作で出来上がった土台を元に多くの新システムを追加し、改良を施した作りになっている。

image06
 
新システムで特に象徴的なものは『キャパシティ』。攻撃を行う度に消費されていくゲージが『強化スロット』の上に備え付けられた。前作はメイン攻撃の『ライナーショット』であれば基本、撃ち放題だったが、今回はその攻撃を行う際に件のゲージを消費。必要以上に撃ち過ぎてしまうと、ゲージが自動回復するまでの間、攻撃を繰り出せなくなる仕組みに改められた。

聞くだけでも撃ちまくる快感を損ねるシステムに見えるが、一発一発、間隔を空けながら撃てば、ほぼ途切れなく攻撃を続けていけるので、ショットを撃ちながらの移動は普通に可能。節度を持った行動をプレイヤーに促しはするが、爽快感は残す調整が図られている。

また、特筆すべき点として、このシステムの追加で『テクニカルスキル』が使い易くなった。前作は強化スロットに溜まったゲージを消費して使う仕組みで、連発したくてもできない縛りがあった。だが、今回はキャパシティを消費するので、強化スロットのゲージ関係なしに連発が可能。気持ちよく個々のスキルを放てるようになったのだ。

強力なスキルほどキャパシティを多く消費する為、種類によっては連発できず、必要以上に消費すると通常攻撃の『ライナーショット』がしばらく撃てないデメリットも生じる。だが、使える場面に限りがあった前作よりも、その勝手は大幅に向上。多彩なアクションを駆使する楽しさもパワーアップし、より奥深いステージ攻略、ボス戦を満喫できるようになっている。

image02
 
『テクニカルスキル』に関連して新しい技も追加。その名も『リベンジマジック』。ダメージを受けるとライフゲージ左隣に新設された『リベンジパワー』が蓄積されていき、半分以上溜まると、敵に大ダメージを与える強力な魔法を放てるようになった。勿論、これはボスにも有効。窮地に追い込まれ、敗北の二文字が脳裏をよぎったとしても、タイミング次第で形勢逆転を狙える。

何より、『リベンジパワー』はダメージを受ける度に溜まっていく為、戦闘中にダメージを受ける事がデメリットとならない。受け過ぎたとしても、逆転の可能性が必ず残るのだ。こうした見返りが得られるようになって、ボス戦では大胆かつ、力に任せた立ち回りも可能に。回避行動が重要視された前作から更に戦い易く、それでいて選択肢の広いゲームバランスを実現させる新システムとなっている。

image03
 
これらの他にも『強化スロット』の配置をプレイヤー好みのものに変更するカスタマイズ、それに併せた瞬間的に高速移動する『ダッシュ』、射程は短いが壁を貫通し、チャージすれば強力なショットを放てる『パニッシュメント』を始めとする新スロット(新能力)の追加、既存スロットの成長など、新システムは盛り沢山。

一つ一つを解説すると長くなるので割愛するが、一言で言いたいのは、遊び心地は前作から大きく変わっていること。歯応えのあるアクションゲームとして尖ってた所が丸くなり、より取っ付き易く、気持ちよく遊べる作りへと進化しているのだ。

難易度も万人向けな調整に。しかし、可愛い娘にはやはりトゲがある。

image12
 
前作と比較して、難易度も万人向けな調整に一新された。新システムである『リベンジマジック』追加もあるが、それ以上にプレイヤーキャラクターの基本ステータスを強化させる『グロウパート』改め『パぺルネトレード&アルショップ』で、『マジックアイテム』を購入できるようになったのが大きい。いわゆるサポートアイテムで、任意タイミングでの体力回復、穴に落ちても(一回限り)復活などが行えるようになり、力任せなやり方でもステージやボス戦を攻略できるようになったのだ。

image05
 
特にボス戦はその影響が大きく現れている。今回のボス達も手加減無用の激しい攻撃を展開してくる…のだが、『マジックアイテム』(具体的には回復アイテム)があるのなら、多少は回避せずとも問題無し。また、ダメージを受ければ『リベンジパワー』も蓄積されていくので、回復アイテムを適切なタイミングで使って放てば、態勢を立て直してからの逆転も狙える。弱点に当たるテクニカルスキルも駆使すれば、更に効果は抜群。やり方によっては、戦闘開始数十秒での早期決着を決め込む事もできてしまう。

力押しできる余地はあるが、回避行動は必須となるバランスとしていた前作。それがどれほど軟化し、プレイヤー好みのスタイルで攻め込めるようになったのかは明らかだろう。まさに”丸くなった”のだ。

image01
 
しかし、普通に真っ向勝負を挑んだ時の強さは前作と変わらず。おまけに、ボスも『リベンジマジック』を使ってくる。なので、あと一息という所で追い詰められ、残り体力次第では敗北を喫したりも。

確かにサポートアイテムなどの追加で、力押しは効き易くはなっている。しかし、雑に立ち回りながらでも勝てる訳であらず。状況によっては逆転される恐れも付きまとう。高い難易度(ルナティック)なら、鬼神のような強さに変貌する所もまた然りだ。そんな「可愛い娘にはトゲがある」なところは何ら変わらず。万人向けになったとは言え、手応えは十分に感じられるだろう。

image10
 
ちなみに今回は戦ったボスとのショートエピソード『アフタートーク』も追加され、個々のキャラクターの掘り下げも行われている。

image11
 
image04
 
更にゲーム開始時点で選択できるボスキャラクターも8人に増加。その中には『シャンティ 海賊の呪い』のKOU氏、『この素晴らしい世界に祝福を!』の三嶋くろね氏と言ったイラストレーターがデザインを手掛けたキャラクターも。いずれも印象に残る面々ばかりなので必見だ。

ボリュームとやり込み要素も増加。更にリズムアクションゲームも!

image15
 
難易度に関しては、今回も選択機能と攻略途中の変更機能は完備。前者は選べる種類も増え、人生で初めてゲームを遊ぶプレイヤーに向けた『ベリーイージー』を追加。デフォルトの難易度も前作のイージーに該当する『カジュアル』となり、ノーマルは『エキスパート』なる、難しい難易度を現す名称及び位置付けに変更された。

これにより、通常難易度だと思ってノーマルで挑んだら、大やけどした…という事態も起き難いものに。より明確に世界観とストーリーを楽しみたい、アクションゲームとして楽しみたいという欲求に応えるモード分けがなされた格好だ。

image13
 
ボリュームもエンディングを目指した場合、早くても2時間半ぐらいと、前作よりも僅かに増加。しかも、今回は主人公がジズーとソラの二人かつ、それぞれ独立したストーリーが描かれる二部構成。両方のエンディングを目指すとなれば、その量は二倍に膨れ上がる。

底知れぬやり込みの世界も健在。新システム搭載で攻略法が前作以上に多彩となった事で、より深みのあるゲームプレイが可能になっている。前作を極め尽したプレイヤー、アクションゲーム好きなら、その規格外のパワーアップに驚くこと請け合い。万人向けの調整に改められたからと言って、決してアクションゲーム好きを切り捨てた訳ではないという事を実感するだろう。

image14
 
クリア後のおまけも盛り沢山で、その中にはリズムアクションも用意されている。遊べる楽曲も豊富なのに加え、高ランクチャレンジを始めとする独自のやり込み要素も完備するなど、単品のゲームとして独立できるほど作り込まれている。

image16
 
image07
 
それを現すかのように、今作の発売から半年後には、iOS、Android向けにそのリズムアクションを原作としたスピンアウト作品『魔神少女音楽外伝 ルディミカル ノリノリズムにゃん!』も発売されている。システムに変更が加わってる為、遊び心地は今作のと少し異なるが、もし、興味が湧いたらプレイしてみて欲しいゲームだ。買い切り方式で価格は360円となっている。

最後に少し脱線したが、総じて驚きの進化を遂げた今作。アクションゲームが苦手なプレイヤーにも親切な作りになって、自信を持ってお薦めできるものになっている。ストーリーも続編という事で、前作からの繋がりが幾つかあるが、知っていればより楽しめる程度なので、今作から始めても大丈夫。ニンテンドー3DSをお持ちの方はぜひ、プレイしてみて欲しい。やり込み甲斐も抜群なので、腕に自信のあるアクションゲーム好きにもお薦めだ。

[基本情報]
タイトル: 『魔神少女エピソード2 願いへの代価』
制作者: INSIDE SYSTEM(販売:フライハイワークス
クリア時間:2時間30分~3時間(※やり込み要素のコンプリートを除く)
対応OS: ニンテンドー3DS
価格: ¥800

ダウンロードはこちらから
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000037936

もぐらゲームスでは現在ライター・編集補助を募集しています。 フリーゲームやインディゲームの記事執筆・編集部作業等にご興味ある方はこちらよりお気軽にご連絡ください。
  • image09

    シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence
    ブログ:Box Diary