30秒でクリアできる作品も!短時間で楽しめるフリーゲームまとめ

フリーゲーム

フリーゲームには、短い時間でクリアできる作品ながら何回も遊びたくなるゲームが数多くある。今回は、そんな短時間で遊べるゲームの中でも、名作から知る人ぞ知る作品まで、もぐらゲームスの選んだ7つのゲームを紹介しよう。

今回取り上げるフリゲ作品は、30秒という驚きの短時間でクリアできる作品から、1~2時間ほどでクリアできるものを中心に選んだ。「最近時間がなくてフリーゲームを遊べてない…」という人にも、この特集を機会にぜひとも遊んでみてほしい。
また、一度クリアしても、ハイスコアを狙っての再チャレンジや、クリア後の要素を含む作品もピックアップしたので、ゲームをやりこみたい方々にもぜひ読んでいただきたい。

ロードライト・フェイス

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最初に取り上げる作品は、『ロードライト・フェイス』。それぞれ特徴的な7つの職業からいずれかを選び、ダンジョンの中を、6個しか持てないアイテムを駆使しながら進んでいく……というゲームシステム。しかもそのアイテムには使用回数制限もあり、あらゆる意味で取捨選択が重要になってくる、非常に丁寧な作り込みがなされたゲームデザインは大きな反響を得た。

ミニマムだがその分緻密なゲームデザインは一口で語りきれないが、大体のことは過去のレビュー(下記リンク参照)でも取り上げているのでそちらも見ていただきたい。
取捨選択に悩み続けるRPG。フリーゲーム『ロードライト・フェイス』

とにかく個人的には昨年出たフリーゲームの中でもトップクラスに取っ付きやすかった作品だ。割とさくさくゲームオーバーになってしまうが、1回のプレイ時間は30分ほどなので、気が向いた時に色々と試行錯誤しながら遊べる。第6回WOLF RPGエディターコンテストで総合部門第3位となり、中でも「遊びやすさ部門」では1位となっているのも、頷ける作品だ。(Noah)

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バリボー

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「バリボー!!」という謎の掛け声とともに現れるタイトル画面。一見シュールに見えるかもしれないが、本作はミニゲームとして非常に丁寧に作られている作品だ。このゲームは「バリボー」、つまり「バレーボール」を行うゲームとなっており、プレイヤーが操作する選手でアタックを決めることが目的だ。1プレイにかかる時間は、うまくプレイすれば1分にも満たないものとなっている。
ゲームの目的はシンプルながらも、ゲームクリアにはひとつのボタンを「押す」「押し続ける」「離す」という3つの動作が必要となっており、決して単純なデザインではない。失敗してもすぐに再挑戦することができ、上達もしやすいものとなっているので、クリアにかかる時間は10分ほどになる。システム面だけでなく、手書きのバレーボール選手がパラパラ漫画のようになめらかに、ヌルヌルと動く姿はつい魅入ってしまうので、ぜひ一度見ていただきたい。シンプルながら作りこまれたミニゲームを堪能しよう。(poroLogue)

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30秒勇者

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まさに「短時間でクリアできるフリゲ」という今回の特集にふさわしく、本作は「30秒で魔王を倒す超高速のRPG」となっている。勇者が城から旅立ち、草原、砂漠を超えた目の前には魔王の根城。しかし、すぐに魔王を倒すことは出来ない。30秒という限られた時間ながら、経験値を稼ぎレベルを上げ、お金を稼ぎ装備を充実、そして魔王に挑むという超スピードの冒険をしなければならない
ゲームを始めたばかりでは、30秒という制限時間の中で魔王を倒すことが出来ず「どうやってクリアするんだ!?」という印象を受けることだろう。しかし、プレイを重ねていくうちに、30秒という時間をどうやってやりくりするかが見えてくる。回を増すごとに行動に無駄が無くなっていき、30秒の間に魔王を倒すことが出来たときの達成感はひとしおだ。
ゲーム内に登場するショップでは時間を巻き戻すアイテムを買うことが出来るため、魔王を攻めるときにどうしても時間が足りない場合に使ってみよう。数回ゲームを繰り返すうちに勘どころがつかめてサクッとプレイできるので、「超高速」のRPGを楽しみたい人はぜひプレイしてみてほしい。(poroLogue)

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とびおり屋

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数多くのミニゲームを制作している「ひもじ村」のウータ氏が公開してるゲームの中のひとつ、このゲームもワンプレイ1分で終えることが出来るミニマムなゲームだ。タイトルからして気になるゲーム内容だが、ゲームの説明には「とびおり自殺を食い止めろ」という謎に満ちた一文のみ。いったい、どんなゲームなんだ…と思いつつスタートすると、いきなり高い建物の上から次々と飛びおりる存在たち。そして落下する存在を…地面に落ちる前に弓矢で貫くことでとびおり自殺を食い止める!という、バイオレンスを感じつつも、独特の雰囲気からシュールな世界観にもいつのまにか入り込めてしまう作品だ。
もちろんゲームデザインはしっかりしており、次々ととびおりる存在を弓矢で食い止めるのは良いテンポを感じる。ワンプレイ数分で終えることができつつも、ハイスコアめざし何回も挑戦したくなるデザインとなっている。
「ひもじ村」では、本作以外にもたくさんのミニゲームが存在するので、気になった人はプレイしてみてほしい。(poroLogue)

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リゼットの処方箋

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次に紹介するのは、ブラウザで遊べる謎解きアドベンチャーゲーム『リゼットの処方箋』。1~2時間ほどでクリアできる謎解きアドベンチャーとなっている。
少女「リゼット」と、人の言葉を喋るネコ「ゲーデ」の二人は、ある日、森の中で眠っていた少年「アシル」を見つける。アシルは「眠り病」という病にかかっており、その治療をするためにリゼットとゲーデは、アシルの心の中に入ることになる。そこで2人を待ち受けるものとは…。
本作のゲームシステムは、画面内の気になるところをクリックし、そしてさまざまな謎を解きつつ進めていく形式となっている。メインとなる謎解き要素ももちろんだが、美麗なオープニングムービー、雰囲気あふれる楽曲、そして作品内にて展開される物語も魅力あるものとなっている
なお、このゲームを制作したサークルLizArtsは、新作『メモリーズドグマ』を開発中とのこと。こちらはノベルゲームで、現在SekaiProjectにてクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げているのため、気になった人はチェックしてはいかがだろうか。(poroLogue)

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グリムボルトDeep

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本作は、フィールドがなく、敵との戦闘とリソース管理の楽しみに特化した「ノンフィールドRPG」というジャンルのインディーゲーム『AC/DC』などを送り出した巫女瓜氏による制作の「パズルライクRPG」だ。公開当初は有料頒布だったが、現在ではフリーダウンロードが可能となっている。
100年以上という長い刑期を課せられた重罪人が捕らわれている「脱出不可能」の監獄塔「グリムボルト」。そこに様々な理由で捕らわれた主人公たちが、脱獄を試みる。はたして、全10階の監獄を無事抜け出すことが出来るのか?
このゲームの特徴的な部分は、レベルアップなし、回復アイテムやHPなど、限られたリソースをうまくやりくりしていく面白さだ。普通のRPGのように、経験値を稼いでコツコツすすむ、という進め方はできず、常に緊張感のある戦いが楽しめる。それぞれの階層には「ドア」や「バリケード」が存在し、それらを解除しながら、下の階に降りるための階段を目指す。
ポイントとなるのは、戦闘における「逃げる」コマンド。階段への道がドアなどで閉ざされている間は、戦闘で「逃げる」ことは出来ないが、階段への道を開いた後なら「逃げる」ことが可能になる。先に階段への道を開き、敵と遭遇するまでアイテム探索、そして敵と出会ったら逃げる…というテクニカルな立ち回りも重要になってくる。元々、このゲームは「RPGにおける「逃げる」というコマンドを有効活用するには?」というお題が発端で作られたということにも納得のシステムだ。
アイテムなどが限られているため難易度はやや高く、クリアまでに何回かゲームオーバーになってしまうかもしれないが、慣れてきたころには1プレイ1~2時間ほどでクリアすることが出来るだろう。そして、さらなる難易度を求めるプレイヤーのために、お楽しみ要素も…? 短くも歯ごたえのあるRPGを遊びたい人にオススメだ。(poroLogue)

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ウサギとカメAvenged

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知る人ぞ知る「3分ゲーコンテスト」の第15回優勝作品がこの『ウサギとカメAvenged』だ。2004年から2007年にかけて開催されていた本コンテストは、その名の通り3分程度でワンプレイが終了するゲームをテーマに開催されていた。のちにコンシューマ版がリリースされた自爆系シューティング『Every Extend』等も輩出している。
さて本作は皆さんご存知の童話「ウサギとカメ」、すなわちレースをする話……なのだが、本作のカメは笑ってしまうくらい強い。ジェット噴射で空を飛んだり四輪駆動で追いかけてきたりミサイルをぶっぱなしたり巨大な剣を展開して突っ込んできたりするのであら大変。プレイヤーはウサギを操作し、後ろから猛追してくるカメの攻撃を回避しつつゴールを目指して突っ走ってゆくこととなる。
カメの攻撃を受けるとウサギのHPが減り、また速度が落ちてしまうためゴールタイムも遅くなってしまうので、それを避けるために攻撃を「ジャンプ」と「ガード」の二種類で避けたり防いだりしつつ進むこととなる。またレースが進行するにしたがってカメは変形し、より攻撃が激しくなってゆくので、回避するのも一苦労(そして変形するたびにいちいち笑わせられるというか驚かされる)。恐るべきカメである。
他にも3分ゲーコンテスト作品で言うと、ステッパーズ・ストップの『灼熱姫』や3分(で終わらない)ゲーの『日記のネタがないときの逃げ道6』なんかも楽しいはずだ。あと『アグニの神』は一度やりましょうぜひやりましょう。(水原由紀)

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  • Noah(@powerofgamesorg

    通称のあP。「もぐらゲームス」エグゼクティブプロデューサー&共同編集長。ゲームをする人。「ゲームのちからで世界を変えよう会議」の中の人。経営戦略(ゲーム産業)と金融が一応専門分野。 MMORPG「リネージュ」の元プレイヤー(8年ぐらい、10,000時間ほどプレイ)。長らく一つのゲームをやりこむ派でしたが、最近は雑食気味にいろんなゲームをプレイしています。思い出に残っているゲームはリネージュ、ティアリングサーガ、勇者のくせになまいきだ。or2など

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。

  • 水原由紀(@mizuharayuki

    読みは「みずはらゆき」。ゲーム業界のはしっこに勤めつつ、色々書いてます。思い入れの強いゲームは初代『.hack//』や『風ノ旅ビト』、『Dear Esther』『ゆめにっき』『Ruina 廃都の物語』などなど。2015年マイベストははむすたさんの『ざくざくアクターズ』。美学と工学の交差するゲームを求め、今日も片道切符。Narrative関係勉強中。