もし、アナタが真正のマゾであるなら、『Sundered』は極上の”くっころ”を味わえるイチオシのARPGだ。

いきなりだが、今、この記事を読んでいるアナタに聞きたい。どちらの性癖をお持ちであろうか。相手の弱点を見つけると、思わずドツキたくなるサディスティック(S:サド)か。或いは感受的に痛めつけられることに快感を覚え、ビクビクしちゃうマゾヒスティック(M:マゾ)か。

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もし後者、それも真正なるものをお持ちであると仰るのなら、今回紹介する『Sundered(サンダード)』はイチオシのアクションRPGだ。

本作は北欧神話を下地にした世界観、手描きによるアニメ調グラフィックを採用したことで注目を集めたアクションゲーム、『Jotun(ヨトゥン) ヴァルハラ版』を手掛けたインディースタジオ「Thunder Lotus Studio」の新作。2017年7月28日にPlayStation 4、PC(Steam)向けにリリースされた。日本語ローカライズ並びにパブリッシングは、『Jotun(ヨトゥン) ヴァルハラ版』の日本語版を手掛けた実績を持つ架け橋ゲームズが担当している。

異形の巣窟で待ち受ける名状しがたき試練の数々

最初に断っておく。

本作はM以外の性癖を持つプレイヤーには一切お薦めできない。迂闊に遊べば最後。地獄に次ぐ地獄を体験し、ひたすらに悶え苦しんだ挙句、真っ白に燃え尽きて廃人と化すであろう。
だが、もし……なぜMの人は痛めつけられることに快感を覚えるのか。
どこが気持ちよいというのか。
それを知りたい、学びたい意欲があるのなら、この地獄に挑む価値は大いにある。
その魅力をこれより紹介していこう。

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まず基本的な内容だが、探索型のアクションRPGとなる。
プレイヤーが操作する主人公は「エシ」という名の女性。絵師ではない。戦士だ。

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彼女は自らに降りかかった呪われた運命を振り払うべく、太古の力が眠る砂漠地下の広大な洞窟に足を踏み入れる。そこで彼女に語り掛けてきた「トラペゾヘドロン」なる謎の存在に導かれ、洞窟内に広がる旧世界の廃墟を巡り、異形の存在との戦いを繰り広げながら太古の力「エルダーシャード」の獲得を目指す……というのが大まかなあらすじだ。

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探索は「サンクチュアリ」と呼ばれる拠点を軸に展開。
洞窟内には全部で三つのエリアがあり、それぞれに「エルダーシャードのかけら」が複数、完全体の「エルダーシャード」一つが隠されている。最終目標は各エリアを統治する大ボスを倒し、完全体の「エルダーシャード」を手に入れることとなる。
しかし、そこに至るまでが名状しがたき試練の連続。
まず一つに各エリアは足を踏み入れる度に道筋が変わる。

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最初はこのような構造だったのが、

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次に足を踏み入れた時はこのようになってしまう。

そして二つに敵は集団でエシに襲い掛かる。

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本作は探索中、敵が登場しない。しかし、特定のタイミングになるとエシの周りから大群で出現。彼女を犯そうと言わんばかりの破竹の勢いで襲い掛かってくる。

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周囲が静まり、警報のような音楽が流れ始めれば、まるでタイムセールに殺到する主婦(主夫)の皆様の如く、通常の三倍以上の大群が出現。途中から小ボスクラスの強敵まで乱入するフィーバー状態になって、数の暴力に一方的に曝されることになる。

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もちろん、押し負ければお陀仏だ。
敗者は呪われろ。征服されし者は苦しめ。

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敗北後は「サンクチュアリ」に強制送還される。そこから洞窟に戻れば探索を再開できるが、新たに足を踏み入れる形になるので構造は変化。先ほどとは違った地形を駆け抜け、再び数の暴力が襲い掛かる脅威が付きまとう中、「エルダーシャード」を目指す。

この繰り返しに終始するのが、本作の基本的なプレイスタイルとなる。
要は常時「くっ、殺せ!(くっころ)」。
Mの人にしてみればエデンの園、それ以外の人には地獄のダンテ。
混じりけ皆無のドMなゲームデザインが凝らされている。

「抵抗せよ、あるいは受け入れよ」通りのゲームバランス

そんな本作のキャッチコピーが「抵抗せよ。あるいは受け入れよ。」。そして、これを文字通り体現し、プレイヤーにMの性癖をも理解させるゲームバランスを最大の特色としている。

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アクションRPGと紹介したように、本作には成長要素がある。敵を倒したり、「穢れた財宝」なる宝箱を破壊すると手に入る「シャード」と呼ばれるアイテムを拠点の「サンクチュアリ」にある「トラペゾヘドロンの樹」に捧げ、強化を図っていく。これらを重ねていくことで、次第に数の暴力で襲い掛かる敵に抵抗できるようになっていくのだ。

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各エリアで「スキル」と呼ばれる特殊能力、新たな攻撃技を手に入れれば樹が成長し、更なるステータス強化を図れるように。スキルの中には「シールド」と呼ばれる追加の体力ゲージが加わるものも用意されていて、獲得すればエシ自身の防御も底上げされる。

また、敗北しても集めた「シャード」は失われない。
なので、あえて玉砕覚悟で敵の大群に突撃し、できる限り「シャード」獲得に挑むのも戦術の一つ。もちろん、必死に抵抗し続ければ一定量のシャード獲得を達成できる。

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まさに「抵抗せよ、あるいは受け入れよ」。そして、RPG要素を取り入れているなりの「レベルを上げてその力を振るう」の醍醐味を体験できるバランスにまとめられている。

そして、数の暴力で攻めてくる敵を一人で全滅できるようになれば、爽快感も得られるように。その時、M以外のプレイヤーは知ることになるのだ。
「その手の人達が気持ちいいと感じてしまう根源はこれか…」と。

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キャッチコピーにちなんだものでは、「エルダーシャード」を捧げることによる「スキル」の強化もある。より強力で、便利な「スキル」へと発展させられるのだが、実施すれば代償としてエシは人間性を失い、異形の存在となる道を歩んでいく。

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逆にエリア内に設置された「焼却場」で「エルダーシャード」を破壊すれば、人間性を保つことはできるものの、「スキル」の更なる強化はできなくなる。

人間であり続けるか、或いは異形になってまで力を求めるか。
どちらを選ぶかはプレイヤー次第だ。
ちなみにMの人なら、人間であり続けることを強くお薦めいたします。理由は言うまでもない。

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更にここでの選択によって「トラペゾヘドロンの樹」の成長過程、エンディングも変化する。もし、全容を見届けるのなら、最低でも三周は必須。名状しがたき試練を何度も経験して歯向かうか、訪れた結末を受け入れるか。そこでもまた、キャッチコピー通りの体験を味わうことになるだろう。

異形の力を求めるか、人間の意地を見せつけるか

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ゲームバランスだけでなく、世界観も魅力的。クトゥルフ神話をベースにした、異形の魔物から近未来的なロボット、施設までもが混じり合った、実に名状しがたいものに完成されている。

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それら名状しがたさを描いたアニメ調のグラフィックも見応え十分。特にボスの攻撃にはその真価が発揮されており、思わず見惚れてしまうほどのインパクトがある。

「スキル」を入手することで、行動範囲が広がる探索型アクションの楽しさも盤石。自動生成式ながら、それに関連した場所は固定式にしているなど、ジャンルの醍醐味もしっかり押さえている。

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キャッチコピーを忠実に反映させたゲームバランスとゲームデザインを持ち味とする本作。Mの性癖を学べるシミュレーターとしての一面も併せ持ち、疑問に感じる人に何かしらの答えを示してくれる。ステータスの成長に強く依存したバランスの為、ゲームが始まって間もない頃は蹂躙されまくりで、全く面白くないという結構大きな難点があるのだが、それを乗り越えた先には数の暴力を力で押し切る気持ちよさを堪能でき、Mの何たるかを理解して新しい世界が目前に広がる。

非常に人を選ぶ唯一無二にして、M向け探索型アクションRPGだ。
Mの真理を知りたい人もこの名状しがたき洞窟に足を踏み入れてみよう。
知りたくなければそのままでよい。挑んだところでその先に待つのは「Mの悲劇」である。

[基本情報]
タイトル:『Sundered(サンダード)』
制作者:Thunder Lotus Studio
クリア時間:20~25時間(※3周時:65~75時間)
難易度:M(マゾ)向け(※難易度選択機能有り)
対応OS:PlayStation 4、PC(Windows、Mac、Linux)
価格:¥1999(PlayStation 4版)、¥1980(PC版)

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※PlayStation 4版
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