歴史上の大合戦からスパルタVSペンギンまで。大規模戦闘シミュレータ『Ultimate Epic Battle Simulator』で自分だけの戦場を演出せよ!

夏が近づいているのを感じる近頃。あまりの暑さにエアコンのスイッチを入れてしまった人も多いだろう。そしてここに梅雨まで被さってくる。何とも憂鬱な季節だ。

ああ。こんな辛い季節は何も考えず気楽に笑ってスカッとしたい!いやいや。快適な室内にこもってじっくり自分の世界に浸りたい!憂鬱な余暇をいかに過ごすか。意見の分かれるところだろう。
 
今回はそんなまるで違う欲求二つをどちらも解決できる作品『Ultimate Epic Battle Simulator』を紹介しよう。

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『Ultimate Epic Battle Simulator』はカナダ人のRobert Weaverさんが一人で切り盛りしている個人ディベロッパー「Brilliant Game Studios」が開発しているシミュレータだ。ゲーム配信プラットフォームSteamにて1,580円で販売されている。

本作は多くのインディ作品同様、Unityで開発されている作品だ。だが、Unityエンジンを本作のため開発者自らチューンしているのがすごい。さらに、たくさんのユニットで複雑に反射する光を再現するため、わざわざ専用のライティングシステムを開発して実装している。

「Brilliant Game Studios」は以前よりUnityのアセットを開発、販売している実績がある。その技術がいかんなく発揮された作品と言えるだろう。

スパルタ兵VS1万のペンギン?究極の多人数戦をシミュレート!

早速内容の説明に移ろう。最初に断っておきたい。この作品はゲームではない。シミュレータと名の付くゲームがたくさんあって誤解を招いてしまいそうだが、本作は正しい意味でのシミュレータだ。

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『Ultimate Epic Battle Simulator』は、プレーヤーがマップ上にいくつかの部隊を配置し、これら部隊をぶつけあわせて戦闘を起こし、その様を眺めるシミュレータだ。ユニットに憑依して操作することもできなくはないが、基本はAIが動かすユニットを眺め、巻き起こる戦闘を眺めて楽しむ作品である。
 
ユニットの種類は早期アクセス中とあってまだまだ種類は少ないが、米軍や中世の騎士、スパルタ兵、はてはペンギンやチャック・ノリスまでバラエティ豊かに揃えられている。
 
……これだけ聞くと、ユニットで笑いを狙った一発ネタと感じる人もいるだろう。

待ってほしい。本作の強みはそこではない。配置できるユニットの規模がとてつもなく巨大なところなのだ。

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見よ!300のスパルタ兵が10000のペンギンと対峙するさまを!なんとバカバカしく、すさまじい光景か。本作で配置できる部隊の規模は100ユニットや200ユニットは当たり前、1000の兵隊だろうが10000のペンギンだろうが、制限なくに配置することができる。300のスパルタは果たして10000のペンギンに勝てるのか?本作ならこんなミラクルマッチを実現し、その結果を知ることができるのだ。

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1万を超えるユニット数を同時に、しかもAIで自動制御できるソフトというものはそうあるものではない。映画用の群衆シミュレータが本作の類似ソフトになるのだろうが、それらはあくまでプロユースだ。個人が使って遊ぶような代物ではないし値段ももっと高額になる。これだけのユニット数を自宅のパソコンで自動に戦わせることができる。これがこの作品の最大の特徴だ。

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もちろん人数が増えれば増えるほどPCスペックが要求される。が、本作はこれだけの処理をしているにしては意外に軽く、ある程度のスペックがあれば超大規模戦闘を自宅のPCで楽しむことができる。Steamストアページの必要最低スペック欄によれば、Intel Core i5 4590かAMD FX 8320以上、メモリ8GB以上、グラフィックはAMD Radeon HD 5770 1024MB、 NVIDIA GTS 450 1024MB、Intel HD4000以上で本作は動作する。最低スペックとしてみると少し要求は高いかもしれないが、十分手の届く範囲だろう。

奇跡のマッチアップから軍師ごっこまで、遊び方はユーザー次第

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先ほどスパルタとペンギンの戦いをお見せしたが、やはりこのゲームの大きな魅力のひとつはこうした超多人数による異種格闘戦だろう。WW2米軍とファンタジー世界のオークがぶつかったらどうなるのか?中世騎士とスパルタ、それにローマ兵が三つ巴の激突をしたら?本作はこうした素朴な好奇心にすぐさま応えることができる。

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T-Rexにカンガルー、ドワーフにタンスなど、どんどんとユニットの種類が追加されているのも素晴らしい。今後も様々なユニットが追加され、さらなる異種格闘戦が実現できるはずだ。……タンスってなんだよ。

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また本作にはユニットのステータスを調整し、オリジナルのユニットを作る機能が実装されている。通常よりマッシブな性能の兵士で大隊に挑んだり、足が速い戦士と攻撃が強い兵士をぶつけてみたり、デフォルトだけでは実現できない様々なシチュエーションをこの機能を使うことで実現することができる。

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もちろん信じられない性能のユニットを作ることもできる。超高速で移動する騎士、近接攻撃を90%カットする怪物、銃からカタパルトの岩で発射する米兵も制作できる。この機能でさらに好奇心を揺さぶるミラクルマッチが実現できるだろう。

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さて、本作のありえないマッチアップの楽しさは十分伝わっただろう。本作のこういった側面はユーザーがアップした動画などで広く知れ渡っており、ご存知の方も多いかもしれない。だが、本作の楽しさはそれだけではない。部隊の陣形やユニットの設定を細かく設定できるのだから、より細かく設定することで自身の思い描く戦場をつくることができる。自分好みの陣形、戦術で戦争を起こせるのだ。これが楽しくなくてなんなのだ。……え?わからない?

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ゲームからは少し離れた話になるが、陣形の話をしよう。100の米兵と5000のニワトリを戦わせるとする。このとき米兵を何も考えず配置すると

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ニワトリ5000匹に押し切られ負けてしまう。

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これを陣形を横隊にして迎え撃ってみると、

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先ほどはあっさり押し切られた5000の大群に勝つことができる。このように数だけで勝負がつかないのが陣形の面白さである。ここに地形などの要素も絡んでくるのだからさらに面白い。
 
大量の数をぶつけられることがこの作品の大きな強みだ。そこにプレーヤーの思い描くシナリオ、陣形、戦術が加わることによって、戦場はより楽しいものになってくる。

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傷ついた小隊に敵が襲いかかったところに騎兵隊が助けに来るというロマンあふれるシナリオを実現したり、城に陣取った敵にどういった戦術で挑めば勝てるのかいろいろ試したり、悪魔の軍団に打ち勝つミラクルチームを結成したり。

本作はシミュレータだ。ゲームとしての目的がないただのツールだからこそ、ユーザー次第で様々な遊び方、使い方ができる。シチュエーションを作り、軍師になって戦略を練るもよし。ありえないマッチアップで笑うもよし。

ついにフルリリース!究極の戦いをプロデュースせよ!

早期アクセス時代からネットを賑わせ注目を集めていた本作だが、先日の6月1日、ついにフルリリースとなった。待望されていたマップの追加、ゴッドモード、ユニットへのラグドールフィジックス追加などなど、多くの追加要素を引っ提げてのフルリリースだ。もちろんユニットも多く追加され、楽しみの幅もぐっと増えた。ユーザーのアップした動画を見て気になっていた方はぜひこの機会に買ってみるといいだろう。

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フルリリースされたとはいえ、まだまだv1.0。開発は今後もアップデートを継続するとしている。追加されたゴッドモードはアビリティが少ないし、部隊への命令を細かく出したいし、もっともっといろんなマップやユニットがほしい。わがままな要求だとはわかっているが、様々な遊びを楽しむにはさらなる機能強化が必要だ。今後のアップデートに期待したい。

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他では絶対見れないミラクルマッチに笑うもよし。自分だけの戦場にのめり込むもよし。それぞれが好きなように楽しめるシミュレータで、楽しい余暇を過ごしてみるのはどうだろう?迫りくる梅雨。ジメジメムシムシに憂鬱な季節に、楽しい作品で戦略的に勝利しよう。

[作品情報]
タイトル 『Ultimate Epic Battle Simulator』
制作者 Brilliant Game Studios (制作者様サイトはこちら)
対応OS Windows Vista以上
プレイ時間 なし
価格 1,580円(早期アクセス)

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    洋ナシ(@younasi

    海外インディゲームの情報同人誌を作っているただのオタクですが、声をかけられゲーム記事を書くことになりました。人生何があるかわかりませんね。そういうことがあるのは、もっとこう絵がうまかったりマンガが面白かったりする人だけだと思ってました。他の執筆者の方のように輝かしい実績はありませんが、世界で初めてSurgeon Simulatorでペン回しに成功したという地味な実績があります。

    ブログ:http://tukedai.minibird.jp/blog/