もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2025年おすすめフリゲ・インディーゲーム11選

インディーゲーム,フリーゲーム,特集

2025年も様々なフリーゲームやインディーゲームが登場した。 みなさんはどんなゲームをプレイしただろうか?

本稿では、もぐらゲームスの執筆陣が、2025年にプレイしたゲームの中で特におすすめできるフリーゲーム・インディーゲーム11作品を一挙特集する。
各執筆者が2025年に遊んだ中で心に残った作品の数々を紹介していくので、気になった作品があればぜひ手に取って遊んでみていただきたい。

昨年の記事はこちら。
もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2024年おすすめフリゲ・インディーゲーム17選

マグナオペラ

『マグナオペラ』はそにどり氏が制作した探索型ホラーゲーム。フリーゲーム夢現にて公開されている。幼少の頃より不治の病「アラネア病」を患い迫害されていた少女「サラ」は街で盗みを繰り返す暮らしをしていたが、ある日ついに捕えられてしまう。サラは自身を捕らえた伯爵との取引により、盗みの罪の赦免と自らの病の治療法を求め、謎の怪物がうごめく錬金術師の館の探索へと挑むことになる。

館内は暗闇に覆われているうえに侵入するたびに階層の構造が変化するようになっており、丸暗記で先へと進むことはできない。探索のための道具として照明となる「ランタン」、鍵を開けるための「ピックツール」などが存在しており、ランタンの燃料や耐久度、ピックツールの数など物資には限りがある。暗闇の中で怪物におびえながら素早く宝物を集めていくのはとてもスリリングな体験だ。

持ち帰ることのできた宝物は探索へ持ち込める道具の数の増加やランタンの強化、アイテムの調合などに使うことができ、館の奥深くへと進むためには着実な強化を施していくことが重要となる。また、登場人物たちがどこか人情味にあふれている点も印象深く、ストーリーもオススメできる作品だ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:マグナオペラ
制作者:そにどり
公称プレイ時間:6~12時間
対応環境:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから
(フリーゲーム夢現)
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_13252.html

Lilia いつか花びらの海で

『Lilia いつか花びらの海で』はshinon氏が制作した、多様な地形を持つ島を舞台に失われた女神を求めて冒険するガールズアクションRPG。フリー版がふりーむ!にて、フリー版から追加要素を加えた有償版がSteamにてそれぞれ配信されており、フリー版からは有償版へのセーブデータの移行も可能となっている。

本作は島の各地を探索しつつ敵を倒して経験値とアイテムを稼ぎ、レベルアップとアイテムクラフトでパワーアップして更なるエリアへの探索に向かうことを繰り返す、いわゆるハック&スラッシュタイプのARPGとなっている。失われた女神を呼び戻すための鍵となる「試練の塔」の頂上を目指すことが最終目標。キャラを成長させて少しずつ行動半径を広げていくのが楽しく、また育成と収集をどこまでも突き詰められる。

多数の少女キャラクターが登場し大変華やかな雰囲気なのも本作の魅力。マップ上に点在する動く武器のボスを倒すことで「武樹」というアイテムが手に入り、それを使うことで新たなキャラを呼び出せるようになる。戦闘を行うメインキャラ2名にサポート要員の6名をパーティとして編成することが可能なので、お気に入りの子を見つけてパーティに組み込もう。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:Lilia いつか花びらの海で
制作者:shinon
公称プレイ時間:6~8時間
対応環境:Windows
価格:無料 / 450円(有償版)

ダウンロード・購入はこちらから
(ふりーむ!)
https://www.freem.ne.jp/win/game/33282

(Steam)※有償版

ネズミダッシュ

『ネズミダッシュ』はnizakashii氏が制作した、ネズミを操作して全20ステージでコインを集めつつゴールを目指す2Dジャンプアクションゲーム。2025年1月10日よりitch.io、3月18日よりふりーむ!でそれぞれ公開されている。

ネズミが行えるアクションとしては敵を自動で踏んでくれる空中ホーミングアタック、ボディダイブ、壁蹴り、天井張り付き&ストンピングといったものがあり、取れる行動自体はシンプルにまとまっているが、ステージに配置された上に乗ると滑走する床やバンパーなどの数々の役物によってスピード感のある展開が実現されている。

各ステージが1分前後でクリアできる短さでありつつも、障害物の配置が小憎らしく簡単にはクリアさせてもらえない。一方で的確にアクションを繰り出せた際にはノリ良く進行できるという絶妙なステージ構成に膝を打つ。他、星型のアイテムを取ると一時的にシューティングゲーム風の空中戦に移行するというバラエティに富んだ展開も楽しいアスレチックアクションだ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:ネズミダッシュ
制作者:nizakashii
プレイ時間:3時間~
対応環境:Windows、ブラウザ
価格:無料

ダウンロード・プレイはこちらから
(ふりーむ!)※ダウンロード版
https://www.freem.ne.jp/win/game/33537

(itch.io)※ダウンロード版・ブラウザ版

リリカルアナグラム

『リリカルアナグラム』はサウンドクリエイターのkuma氏が株式会社ドワンゴ主催の合成音声ソフトを使用した作曲コンペティション「ボカコレ2025冬」に投稿した同名楽曲の「遊べるMV」。unityroomにて公開中となっている。

いわゆる倉庫番パズルのようにキャラクターを操作して文字のブロックを押し、所定の枠までブロックを運ぶのだが、文字を枠まで運ぶことでその後の歌の歌詞がリアルタイムに変化するようになっている。

ただ曲を聴くのではなく、言葉の入れ替えによって歌の意味を変えていくという体験は唯一無二のもの。遊べるMVという媒体のこれからの可能性を強く感じさせる一作だ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:リリカルアナグラム
制作者:kuma
プレイ時間:4分
対応環境:ブラウザ
価格:無料

プレイはこちらから
(unityroom)
https://unityroom.com/games/lyrical-anagram

アンドロイドフユ

『アンドロイドフユ』はかべろくん氏が制作したアドベンチャーゲーム。ダウンロード版のほか、スマートフォンからでもプレイ可能なブラウザ版が各種フリーゲーム配信サイトにて公開されている。

突如として家にやってきた「フユ」。人型ロボットである彼女はとある目的を持って未来からやってきたが、事故に遭遇して自身の機能のいくつかが故障してしまい、プレイヤーにフユ自身の修理を依頼してくる。修理は特に技術が無くともマニュアル通りに行えばまったく問題がないという。まずはマニュアルを読んでみることになるのだが…

…うーん、めまいがしてきたぞ。新しい機械を購入した際などにやる説明書と格闘するあの感覚が味わえる。物語の結末は3種類が用意されており、フユの修理を進める中でフユが持つ目的が判明し、それを受けてどう行動するかが求められる。短編アドベンチャーとして綺麗にまとめられた一本だ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:アンドロイドフユ
制作者:かべろくん
公称プレイ時間:30分~
対応環境:Windows、ブラウザ
価格:無料

ダウンロード・プレイはこちらから
(PLiCy)※ブラウザ版
https://plicy.net/GamePlay/216899

(ふりーむ!)※ブラウザ版
https://www.freem.ne.jp/win/game/34264

(フリーゲーム夢現)※ダウンロード版・ブラウザ版
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_14216.html

(インディ市)※ダウンロード版
https://indieichi.com/games/cmhu7fgnx007db83hwjruj6g9

ふぇにきのミニゲームゆにばぁ~す

『ふぇにきのミニゲームゆにばぁ~す』はふぇにき氏が制作したミニゲーム集。2025年2月12日よりApp StoreにてiOS版、SteamにてPC版がそれぞれ配信中となっている。初公開時点では12種類、2025年12月現在はアップデートによる追加を含めた合計20種類のミニゲームをプレイすることができる。

本作は現在のタイトルに改名される以前は『愉快でくだらないゲーム集』と銘打たれており、かつての看板に嘘偽りの無い駄洒落めいた「愉快でくだらない」内容のミニゲームの数々が収録されている。その内容については…この場で無粋に言及するよりは実際に見ていただいた時の瞬間最大風速を大切にした方がきっとよいだろう。

いずれのミニゲームもタップ&フリックまたはマウスで操作が完結するようになっており、複雑なことは何一つ必要ない。肩の力を抜いて楽しもう。加えて各ミニゲームごとに所定の条件を満たすことで「メダル」がもらえるようになっており、メダルの制覇を目指すのもなかなかに熱中できる。初笑いや箸休めとしてオススメだ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:ふぇにきのミニゲームゆにばぁ~す
制作者:ふぇにき
プレイ時間:90分~
対応環境:iOS、Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから
(App Store)
Download on the App Store

(Steam)

HEART of CROWN ONLINE

『HEART of CROWN ONLINE』はサークルilluCalab.が開発した、ボードゲーム『ハートオブクラウン』のデジタル版となる作品。2024年4月24日よりSteamにてアーリーアクセスが開始されたのち、2025年12月18日に正式リリースされた。販売はPLAYISMが担当し、Nintendo Switch版も同時に発売されている。

(※アナログ版『ハートオブクラウン 第二版』)

原作の『ハートオブクラウン』は漫画家ユニットFLIPFLOPsが2011年より展開しているデッキ構築型ボードゲーム。デッキ構築型ゲームジャンルの開祖『ドミニオン』を拡張した独自の戦略性と親しみ易い絵柄で人気を集め、インディー発のボードゲームとして異例のロングランシリーズとなっているタイトルだ。

ゲームの流れは、山札(デッキ)から引いたカードを使ってコインを生み出し、生み出したコインを使って市場に出ているカードの購入を行う。カードの購入と山札の循環を繰り返して自分が使えるカードの種類を増やしていき、7人の「姫」の中から1人を「擁立」することを目指す。姫を擁立した後は、勝利条件である「継承点」を持つ有力者たちのカードを集めて「戴冠式」「即位」を狙う事になる。

市場に並ぶカードの種類や擁立する姫が変わることで取るべき戦略も変わるため、繰り返しプレイしても飽きがきにくいのが本作の魅力。メインモードとなるオンライン対戦のほか、ストーリーモードも用意されており、アナログ版では知る由のなかった姫達の性格や物語を窺い知ることができる。一人で遊ぶもよし、大勢で遊ぶもよしだ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:HEART of CROWN ONLINE
制作者:illuCalab.
プレイ時間:1試合30分~
対応環境:Windows、Nintendo Switch
価格:3,500円

購入はこちらから
(Steam)

(Nintendo Store)
https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000105894

It’s On The Mouse

『It’s On The Mouse』はイタリアのXryEcho氏が制作した3Dアクションゲーム。2025年4月17日にSteamにてリリースされ、11月27日に日本語表示への対応が行われている。閉店予定だったカフェを引き継いだ少女「ホリー」となり、ウェイトレスとして接客を行っていくこととなる。

カフェに来店したお客さんを空き席に案内した後、オーダーされた品物を用意し、テーブルに届ける、というサイクルを繰り返していくのだが、本作の特徴はプレイヤーキャラクターが超ミニサイズであるということ。つまり、お客さんに踏まれないようにフロアを駆け、身の丈ほどのコーヒーカップを担ぎ上げ、椅子からテーブルへと跳び上がって配膳する必要がある。上手く品物を提供できるようになるまでには一苦労を要するが、その分テキパキこなせるようになった時の達成感は味わい深い。

また、ストーリーを進める中で提供できる品物や仲間達が増えていくほか、時には店を脅かす凶悪犯とも対決することになる。数々の苦難にめげずにカフェ経営に奮闘するホリーの姿が微笑ましい。カメラ操作のわずらわしさや難易度の上げ方の単調さといった目に付く欠点も決して少なくはないが、それを許せるだけの愛嬌も同時に兼ね備えた作品だ。
(真野 崇)

[基本情報]
タイトル:It’s On The Mouse
制作者:XryEcho
プレイ時間:9時間~
対応OS:Windows
価格:1,200円

購入はこちらから
(Steam)

Super Puzzled Cat

『Super Puzzled Cat』はアメリカ合衆国のPenguin Mug Gamesが開発した横スクロール型2Dパズルアクションゲーム。Steamにて配信中で日本語表示に対応している。

本作では主人公のネコ少女を操作してゴールの毛糸玉まで進ませるのがゲームの目的となる。空高く飛ぶジェットパックや壁伝いに走れる猫変化など、道中には様々なアイテムが落ちており、ゴールに辿り着くためにはこれらのアイテムの使いどころが重要となる。ステージ攻略中はいつでもどこでもセーブ&ロードができるため試行錯誤しやすくなっているが、一方でパズルの難しさや求められる操作の緻密さには相当なものがあり、猫に九生ありのことわざどころの騒ぎではない屍の数が積み重なることだろう。

ハードなパズルに挑戦したい方に特にお勧めで、ネコ少女を様々にドレスアップできるアイテムの数々や、突如としてホラー風になる「ナイトメアモード」など、隠されたアイテムを取ることで解禁できるやたらと多彩なオプションも見どころのひとつだ。
(真野 崇)

関連記事:「どこでもセーブ」でニャニャニャッと解決。2Dジャンプアクションパズル『Super Puzzled Cat』

[基本情報]
タイトル:Super Puzzled Cat
制作者:Penguin Mug Games
プレイ時間:12時間~
対応OS:Windows
価格:1,900円

購入はこちらから
(Steam)

アドベントシナーズ

『アドベントシナーズ』は、NBDR Gamesが制作したビジュアルノベル。全七部予定のうち、第二部までがSteamにてリリースされている。オリジナルの言語は中国語だが日本語にも対応している。

ジャンルとしてはSF、サスペンス、アクション、異能バトルなどさまざまな要素が絡み合っており、スケールの大きい独自の世界観も特徴。複数の視点で描かれる群像劇でありつつ、第二部までの物語としては記憶の欠落を抱える青年「周 御城(すおう おしろ)」とその仲間達が、自分達を狙う謎の組織「enja」から逃れ、ときに対峙していくといった展開が軸となっている。

特筆すべき点の一つはグラフィック。スチルは厚塗り調で描き込まれ、一方で立ち絵は太めの輪郭線で比較的ライトなトーンと、タッチの差も含め独特の雰囲気を演出している。

また、キャラクターの台詞はフルボイス。ボイスは中国語のみだが言葉がわからなくても、日本語のテキストと合わせることでキャラクターの心情などの理解に役立つ。演技も各キャラクターにマッチした魅力的なもので、筆者的には作品に没入しているうちに外国語であるという感覚は薄れ、自然とキャラが喋ってるという感覚になっていた。

ちなみにテキストの日本語訳については、8割程度は違和感なく読めるといった印象。部分的に、意味は通じるけどやや違和感のある記述や人称・口調の不統一などがみられたが、内容の理解にはほぼ支障はなかった。

第二部までの時点で公称プレイ時間は約20〜30時間(中国語版についての記述と思われるが、少なくともボイスを聴いていれば日本語版でも同程度になるだろう)。しかしここまで読んでも世界観の全容は掴みきれず、「Creater」と呼ばれる能力者や「外界の力」など、さまざまな設定や謎が提示されている段階。どこまで風呂敷が広がり、そして伏線回収されるか楽しみな内容となっている。次々に訪れる極限的な状況を乗り越えながら築かれていく仲間同士の絆といった、人間ドラマも見どころだ。

プロローグは視点人物が誰なのか明示されずに展開するが、本編を20時間以上読んでもそれが誰なのか、どういう状況なのかは判明せず、うっすらとした仮説が立てられる程度。世界観の底知れなさが楽しい

そのほか物語に登場したキャラクターが登録されていくステータス画面が存在するなど、ゲーム全体を通して「この手の作品」が好きならワクワクする要素が盛り込まれている。

ノベルゲーなのになぜか存在するステータス画面。各能力値の説明などは一切ないが、物語を読み進めていくとそれぞれの示すものが何となく掴めてくる……かも

というわけで、ビジュアルや世界観などにビビっと来た人にはぜひお勧め……と言いたいところだが、やはり人によっては「現在のところ全七部予定の第二部までリリースで、未完」という点はネックになるかもしれない。体験版も用意されているので「買うとしても完成してからかな」という人も、よければ体験版で作品世界に触れてみてほしい。
(中村友次郎)

[基本情報]
タイトル:アドベントシナーズ
制作者:NBDR Games
公称プレイ時間:約20〜30時間(第二部まで)
対応環境:Windows
価格:本体(第一部収録) 1,700円、第二部DLC 1,500円

購入はこちらから
(Steam)

リコレクトエデン

『リコレクトエデン』は、アクアポラリス制作のノベルゲーム。Windowsおよびブラウザ対応のフリーゲームとして、フリーゲーム夢現やノベルゲームコレクションにて配信されている。

「GIFT」と呼ばれる超能力が存在する近未来の日本を舞台とした作品。危険と判断された超能力者の“回収”を、同じく超能力者の手により行う「超能力関連技術総合研究所 第4課」と、“能力者の解放”を掲げるテロ組織「楽園同盟」の対立などを軸に物語が展開していく。

4課メンバーで記憶喪失の少女「柊 六花」が主人公の「追想編」と、同じく4課メンバーの寡黙な男「一ノ瀬 國仁」が主人公の「追憶編」のうち、どちらから読むかを任意に選ぶ方式が特徴。時系列としては追憶編追想編となっており、追憶編では六花が記憶を失うまでが、國仁の視点で描かれることになる。

主人公と作中時期の異なる2つのシナリオのうち、どちらから読むかを任意に選択する

追想編(現在)追憶編(過去)の順で読むと、過去に何があって今こうなっているのかといった謎が追想編で提示されていき、その真相が追憶編で明かされる形になる。筆者はこの順番でプレイしたが、考察や伏線回収の楽しさを最大限味わえるのはこちらという印象だ。逆に追憶編(過去)追想編(現在)の順だと、過去の経緯を知っているからこそ察せられる國仁をはじめとした登場人物達の心情にフォーカスした楽しみ方ができそうだ。

記憶喪失の六花に対し、突き放したかと思えばときに優しかったりと複雑な態度を見せる國仁。追想編から読めば何故そうなのかという疑問が物語へのフックになる。一方、先に追憶編を読んでいると國仁の真意を察してまた違った見え方になりそうだ

また興味深かったのはどちらの順で読んでも話が綺麗に繋がるようになっていること。追憶編追想編は時系列順なので当然だが、逆の進め方でも「こう繋がるのか!」と感心させられる構成となっていた。そしてこの2つのシナリオを読むことで新たなシナリオが解放され、物語はさらに核心へと迫っていく。

GIFTにまつわる陰謀なども描かれていくSFサスペンスの要素もありつつ、六花と國仁の関係性とその変化も見どころ。こちらも追想編なら六花視点の乙女ゲー、追憶編なら國仁視点のギャルゲーといった趣で、一組の男女で二度美味しい(?)作りとなっているのが面白い。

心優しくちょっと天然な六花。追想編では彼女自身の想いを主観的に感じることができ、追憶編では客観的な視点で魅力が描かれるというように、キャラクターを重層的に理解していけるのも本作ならでは

4課の他のメンバー達も個性的で、超能力にまつわる事件を追う組織ものや、異能バトルといった側面も楽しめる。

それぞれの能力で戦う4課の実働メンバー達によるバトル要素も見どころ

本作の公称プレイ時間は10~15時間と、フリーノベルゲームとしてはかなりのボリューム。六花と國仁以外の視点も挟まれ、積み重ねによって独自の世界観が説得力を持って描き出されていく。重苦しい、切ない展開なども折り込まれつつ、最終的に二人の男女の想いが世界そのものに影響を及ぼすような、SFとしてスケールの大きい物語へと昇華していくのが圧巻だ。こういう骨太の作品に出会えるから、長編ノベルゲームが好きなんだよなぁ……と感じさせられる力作だった。
(中村友次郎)

[基本情報]
タイトル:リコレクトエデン
制作者:アクアポラリス
公称プレイ時間:10~15時間
対応環境:Windows、ブラウザ
価格:無料

ダウンロード・プレイはこちらから
(フリーゲーム夢現)
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_14085.html

(ノベルゲームコレクション)
https://novelgame.jp/games/show/12343

  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。

  • 中村友次郎(@finalbeta

    RPGのプレイと紹介がライフワーク。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。商業で一番好きなゲームメーカーは日本ファルコム。運営型では原神にハマってます。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。