魔法戦特化型フリゲRPG『Element Zero』 自由な強化と連続行動で戦術の幅は広大!

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RPGでおなじみの魔法。ゲームによってその扱いはさまざまだが、今回紹介する『Element Zero』は攻撃も防御も魔法のみで行い、1ターンに複数の魔法を使える戦闘システムが特徴の短編RPGだ。年末年始にかけて開催されたゲーム投稿イベント「VIPRPG紅白2017」の参加作品で、フリーゲームとして公開されている。

限られた日数で全10エリアの攻略を目指すRPG

『Element Zero』は、恋人に致死の呪いをかけられた魔術師のライナスが、16日以内に全10エリアのダンジョンを踏破し、元凶の魔術師を倒して呪いを解くことが目的のRPG。HP/MPのどちらかでも尽きると撤退となり1日が経過する仕組みで、とくにMPは1日を終える以外に回復手段が一切ない上にエリア2以降では歩くだけでも減るため、限られた期間の中で、ライナスの能力を強化させながらいかに効率よく進んでいくかというリソース管理の要素も強い作品だ。

各エリアの最後にはボスが待ち受けており、これを倒して次のエリアに進むと、撤退しても次の日はそのエリアから再開となる。「面クリア型RPG」と謳われており、前のエリアに戻ることはできず一方通行の進行となっている。

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致死の呪いをかけられてしまったライナスの恋人、ティーナ。彼女を救うためダンジョンを踏破していく

行動力の続く限り連続行動が可能な1vs1バトル

本作の戦闘は1vs1で、敵味方が交互に行動するターン制のコマンド選択型。ターン開始時に原則として10ある「行動力」を消費して、行動力が残っている限り1ターンの間に何度でも行動できる。攻撃など主な行動は魔法で行い、魔法ごとに必要な行動力が異なる。

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戦闘システムはオリジナルの凝ったものだが、操作自体は主に「魔法を選ぶだけ」とシンプルでわかりやすい

攻撃時は攻撃側の「貫通」のパラメータと受け側の「障壁」のパラメータによる判定が行われ、前者が後者と同値以上でなければ一切ダメージを与えられないのも特徴。貫通は使う魔法によっても補正がかかるほか、足りなければ行動力を消費して上げることもできるが、そのぶん魔法に使える行動力が減ってしまうというわけだ。

また、敵との距離が遠距離・近距離の2種類あり、それによって使える魔法が変わってくる。行動力を消費して移動ができるほか、移動しながら攻撃する魔法なども存在する。

……と、こうして言葉で一気に説明するとややこしく感じてしまうかもしれないが、本作は独自のUIが練られており、戦闘画面では魔法ごとに与えられるダメージの値や貫通が足りているかどうか、また魔法を使えない場合はその理由(行動力が足りない、距離が合っていないなど)が一目でわかるようになっている。序盤は習得している魔法の数も少ないので、プレイしながら徐々に把握していけるだろう。

ゲームを進めると習得できる魔法には、そのターンの間パラメータを上げたりさまざまな方法で敵の攻撃を防御する魔法などもあり、バフからの攻撃、攻撃しつつ守りも固めるなど、行動力の範囲内で自由な組み合わせが可能となっている。さらに、攻撃系の魔法は同じものを複数回使用することもできるが、2回目以降は必要な行動力が1ずつ増えていくため、異なる魔法を取り混ぜて使っていく方が効率がよいことが多い。こうした点を考慮しつつ、オリジナルの「魔法コンボ」を追求していくのが本作の醍醐味だ。

自由度の高い強化要素。好きな魔法をカスタマイズ!

本作ではレベルアップなどにより自動で能力が上昇することはなく、経験値を任意のパラメータに割り振って能力を上昇させていく。攻撃や貫通といった基本的なパラメータのほかに火・水・光・闇という4つの元素の値があり、これを上げることで関連する魔法の威力が上がったりダメージを軽減できるほか、一定値まで上げることで新たな魔法を習得できる仕組みだ。

習得した魔法は、エリア探索などで入手できる「マナ」を使って強化することが可能。貫通の補正値を上げたり、消費する行動力を減らしたりできる。また、本作の魔法はMPを消費するタイプのほかに、1日に一定回数まで使える回数制のものもあり、この消費MPを減らしたり、使用回数を増やすことも可能だ。

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経験値を消費し、任意のパラメータを上げることが可能。元素の値を上げることで新たな魔法を習得できる

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魔法はマナを消費して強化。マナの入手量は潤沢ではないため、どの魔法の何を強化するかの選択が悩ましい

細かい数字のやり繰りと、派手な演出を楽しめる作品

こうしたさまざまなシステムを駆使して戦うことになる敵も、こちらと同じように複数の魔法を組み合わせ、ときにはこちらの状況に応じたような動きも見せてくる。HPは低いが障壁が高くダメージを通すのに一工夫いるなど敵ごとの個性も強く、手持ちの魔法の中から状況を打開できる組み合わせを探していくのが面白い。

1桁の消費行動力を足し引きしながら戦術を組み立てていき、「ピッタリ使い切った!」「1足りない!?」と一喜一憂することも。貫通などのパラメータも僅かな差が明暗を分けることがあり、ダメージ自体も多くて2桁がほとんどと、頭の中で把握できる範囲の数字のやり繰りを楽しめるゲームとなっている。敵のHPは明示されており、さらには他のパラメータも随時チェックできるので、バフなどを絡めた戦術の組み立てもやりやすい。

細かい計算がものを言うゲームではあるが、それによって連続攻撃でダメージを与えていくのはなかなかに爽快で、オリジナルのエフェクトアニメーションも凝っており、静と動のメリハリが効いている印象だ。 大技などではカットインアニメのような演出もあり、「1vs1の魔法戦」の雰囲気を盛り上げてくれる。

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派手なエフェクトアニメーションの数々により、「突撃技で攻撃しつつ距離を詰め、光の剣で斬りつけたのち射撃技の反動に乗って離脱!」といった想像が捗る

日数制限型だがカツカツに切り詰めていかないとクリア不可能というほどシビアではなく、多数の魔法の中からお気に入りのものを強化し、自分なりの戦術を組んでいける作品。公称プレイ時間は3時間程度で、各エリアも比較的コンパクトであるため進行のテンポも良い。一風変わった戦闘システムが好きな方や、色んな魔法を使いこなして戦うのが好きという方に、ぜひ触れてみてほしい作品だ。

【基本情報】
タイトル:Element Zero
制作者:Dr.K 氏
クリア時間:3時間程度
対応OS:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから
http://viprpg17kh.php.xdomain.jp/main/04_game.php?id=39

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    中村友次郎(@finalbeta

    フリーゲームと同人ゲーム、日本ファルコム作品をこよなく愛するゲーム好き。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。