フリーゲームRPG『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』 美しく神秘的な海底世界を冒険しよう!

RPGといえば多くの作品で題材に挙げられる冒険。未知の世界への興味に心躍らせワクワクする気持ちは、おそらく誰もが抱いたことのあるものだと思います。あるいは好奇心旺盛なら、子供の頃に知らない町や自然を探検したくなった人もいることでしょう。

今回は、そんな冒険心をくすぐり童心に返れる作品、海底監獄に迷い込んだ少年が少女と共に脱出を目指すRPG『グリム・ディエムの冒険録あるいは忘れられた海の底で』を紹介させて頂きます。本作は2014年にRPGツクール2000で初公開され、その後2016年に同じRPGツクール2000でグラフィックを一新してリメイク、さらに2018年8月にRPGツクールMVへと移植となった経緯があり、移植するたびに大幅にグレードアップされています。制作者はめぞん氏。

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叙述と因果により、世界を冒険することを望む少年の冒険録

本作を紹介する上で欠かせないのが『世界の驚嘆すべき叙述』です。本編から引用すると「歴史のない時代にレヴェルジュアンが執筆。500年前より広く流布された全121巻からなる世界の叙述。それは己の世界しか知らない、あらゆる種族が外の世界へ興味を持つ火種となった。叙述に魅入られたものたちは故郷を捨て、まだ見ぬ世界へと旅立った。」とのことで、本作において世界のすべてが記述されているといっても過言ではないくらい重要な史料となっています。本作の主人公『グリム・ディエム』も叙述に魅入られた冒険者の1人であり、本作はグリムが叙述の世界を見て回るため他の大陸行きの船に乗っている場面から始まります。

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叙述に記載がある地域は冒険者たちによって次々と発見されており、叙述に載っているならイルブランシュ(死後の世界)すら有るだろうと信用されているほど

しかし、突然の大嵐で海へ投げ出されたグリムは海底監獄地下の忘れられた洞窟へと沈んでいき、そこで謎の少女『フィルマ』と出会うことに。外見はグリムと同じユマ族(人間系の種族を指す。この世界には多くの種族がいるためユマ族はその中の1種族にすぎない。純血のユマ族は弱いが他種族との間の混血はユマ族の姿になりつつ他種族の能力を引き継ぐ)のようですが、なぜ閉じ込められていたのか・・・。ふたたび地上を自由に冒険するため、2人で海底から脱出を目指す物語になります。

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豊富なスチルが本作の魅力。なんと2000版と比べて約3倍に増加! 上記イベントも2000版では上の1枚のみだったが、肩車の場面に追加されている

冒険の舞台となる海底監獄は負のイメージが強そうですが、海底らしく青色で統一されていて美しく神秘的な世界が広がっています。戦闘はシンボルエンカウントが採用されており、シンボル回避が容易な配置のためプレイヤーの自由に探索できます。

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(左)MV版 (右)2000版。従来の青を基調としたマップに陰影が加わり、地形も調整されてより美しくなっている

また、海底監獄という閉鎖的な舞台にグリムが流れ着いたことによる各登場人物の心情の変化が丁寧に描かれている点も見どころです。「1カ所に留まって生涯を終える」か「故郷を捨てて冒険の旅に出る」という2つの対立する価値観に各登場人物が翻弄される様子が本作のシナリオのテーマと言えるかもしれません。

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第三監獄監理長の『ミナモ』 叙述や冒険者たちの本を収集して地上に興味を持っている。終盤のミナモの葛藤は本作1番の見どころのひとつ

さくさくアニメーションする戦闘がすごい!

戦闘はグリムとフィルマが1体の敵と戦う2対1のサイドビューで、敏捷性が高ければ高いほど行動ゲージがたまって優先的に行動できるCTB(カウントタイムバトル)方式となっています。高威力だが弾切れ時に充填が必要な「銃」、低威力ながら攻撃後に防御態勢をとる「短剣」、そして「アイテム」を使い分けて戦うグリム。攻撃する「恵術」、味方一人を「回復」、味方一人の攻撃力を「強化」、2人の防御力を上げつつグリムが倒れていたら戦闘不能から復帰する「防壁」、自身のGPを回復する「瞑想」からなる様々な術を扱うフィルマ。この2人の連携がカギを握ります。

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グリムは武器を、フィルマは術を駆使して戦う

そしてなんといっても、本作の戦闘における最大の魅力はドットアニメーションです。それはもう驚くほどサクサク動きます! 銃・短剣・充填・アイテムや各種術にそれぞれモーションが用意されていて、どれもしっかり動いてくれます。よく見ると、残りHPが少ない時の瀕死モーションまであるので必見です。

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MV版ではグリムの短剣待機モーション追加に加え、一部のボス敵も動くように

また、本作の特徴的な仕様として「楯」と呼ばれる装備品を6つまで身につけることで能力値をカスタマイズできる機能があります。楯は敵を倒したときのドロップ、イベント、ダンジョン探索などで入手でき、シナリオが進むほど多種多様な楯が揃ってきて好みのステータスに調整できるようになります。

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最適な楯の組み合わせを模索するのが楽しい。極端な例になるが、攻撃力・防御力に特化するとこんな尖ったステータスにすることも可能

MV版ではおまけ要素が充実

筆者が2000版をプレイした当時、それほどおまけ要素はなかった印象でしたがMV版では大きくテコ入れされています。代表例が釣りでしょうか。釣り場があちこちに点在し、エサさえあればできるので冒険の途中で気軽にやれます。敵目録・装備品目録・釣り目録などの図鑑を完備していて、さらにPlayStation系列のハードでは定番の「トロフィー」に相当する要素「足跡」もあります。

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おまけ要素の釣り。釣り目録をはじめ目録類は収集率100%にするといいことがあるかも

また、終盤の三章に入ると2000版にはなかったサブイベントが多数発生するようになります。詳細についてはネタバレ防止のため触れませんが、2000版プレイ済みのユーザーでも十二分に楽しめますので是非とも再プレイをお勧めします。

さあ、叙述の世界の冒険に思いを馳せよう

本来、冒険を題材にした作品ならばもっと世界を自由に冒険できるものだと思いますが・・・。本作はあえて閉鎖的な空間にグリムたちが身を置くことで冒険への渇望が強まり、そもそもの死生観に至るまで含めた心情描写に着目している特異な作品といえるでしょう。プレイヤーに開示される叙述の世界の情報はごく一部の断片的なものでしかありません。でもその明かされない裏側には多くの種族や未知の地域が存在するだろうと思うとワクワクしてきませんか? そんな純粋な気持ちをプレイして感じて頂けたら嬉しく思います。

[基本情報]
タイトル『グリム・ディエムの冒険録あるいは忘れられた海の底で』
制作者 めぞん(制作者様サイトはこちら
クリア時間 8時間~12時間くらい
対応OS Windows 7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
https://freegame-mugen.jp/roleplaying/game_7371.html


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    追憶(@reminder_89

    RPGツクール2000をこよなく愛し、特にサイドビュー戦闘RPGが好みのレトロなフリーゲーマー。システム重視のRPGをよくプレイする傾向にありますが、RPGなら幅広く手を出します。頭がバグっています。