適当なことを書いた末に待つは地獄。嘘から出た実(まこと)な珍現象&怪現象追体験ノベル『じごくのインターネッツ』 2022-1-29 ノベルゲーム フリーゲーム 冴えないコタツ記事ライター兼ブロガーのきくらげ。彼は小遣い稼ぎ目的で始めたブログで、オカルトの話題を始め、大量かつ雑な記事を手当たり次第書き散らしていた。 執筆が一段落し、気分転換で街中を散歩していたきくらげは、ある一角を通り過ぎようとした際、声をかけられる。声の主はタブレットの液晶画面に映し出された占い師の少女。自らを「奈落ちゃん」と名乗るその少女は、きくらげに対してこう告げた。 「最近、インタ…
ノベル×アクション=聖徳太子シミュレータ!?『1f y0u’re a gh0st ca11 me here!』 2022-1-23 アクション インディゲーム ノベルゲーム 飛鳥時代の政治家である偉人・聖徳太子。彼が10人もの歎願を同時に聞き分け、的確に指示を返したとされる伝説は多くの人が知るところだろう。かの人のように実際に何人も同時に応対することは本当に可能なのか?そんな疑問に実際に挑戦することになるのが今回紹介する作品だ。 『1f y0u’re a gh0st ca11 me here!』はサークル「フロシキラボ」が開発したアクションノベルゲーム。シ…
”大切なもの”を求めて、循環バスで夜の街を巡る攻略性高めの”手ごわい”ノベルゲーム『Re:Bus(リバース)』 2022-1-22 ノベルゲーム フリーゲーム OLのヨルは、日々の激務が祟り、帰りの電車にて眠りに落ちてしまった。 目が覚めると、彼女は知らない街へと辿り着いていた。 既に終電を迎えてしまったため、次の電車が来るのは明け方の午前4時頃。 途方に暮れていたヨルは、唯一動いていた循環バスを発見し、乗車する。 だが、そのバスと運転手は、どこか奇妙な雰囲気を醸し出していた。 そしてヨルは、バスと共に不思議な街を巡り、様々な人たちと出会うことになる。 …
作り込まれたデザインが特徴的な『夕暮倶楽部』 チャットノベルという表現方法を活かしきった意欲作 2021-8-28 ノベルゲーム フリーゲーム 物語というものには、得てして自立性と閉鎖性がある。すぐれた作品に対して、舞台設定の作り込みやキャラクターの精彩な描写を根拠に「世界観の完成度が高い」といった評言を与えたくなった経験は、おそらく多くの人にとって珍しいものではないだろう。作家の想像力によって生み出された世界は一定の自立性をもつものだ。 しかしこの自立性は同時に、一定の閉鎖性、排他性をも意味する。たとえば創作技法について少し調べてみれば…
創作を愛する高校生のひと夏の青春、合作の現実を克明に描いた力作『僕らのノベルゲーム』 2021-6-19 ノベルゲーム フリーゲーム 漫画に小説、ゲームなど、この世に存在しない”何か”を生み出す「創作」には2つの制作スタイルがある。ひとつは個人制作。言葉通り、ひとりで制作の全工程を担い、作品を完成させることである。もうひとつが合作。またの言い方で共同制作、チーム制作。複数人がそれぞれ異なる担当箇所を手掛け、作品を作り上げることだ。 ゲームの場合は主に後者のスタイルで作り上げる印象が強い。それは家庭用機向けに提供される企業製タイト…
創作する人、それに触れる人、そして伝えて紡ぐ人。その全てに『too late but』を読んで欲しい 2021-2-13 ノベルゲーム フリーゲーム いきなり結論を出してしまったも同然だが、これより紹介する『too late but』は、そのような人達すべてに強く訴えかけるメッセージが込められた短編ノベルゲームである。 2020年5月31日より「ノベルゲームコレクション」、「ふりーむ!」においてWindows PC用フリーゲームとして配信されており、ブラウザとダウンロードの2種類が用意されている。 自分だけの無限の世界が好きだった。そんな、ひと…
話題のクラウドゲーミングプラットフォーム「OOParts」にインディーノベルゲーム『西暦2236年』が登場、その経緯とは 2020-5-5 インタビュー ノベルゲーム 4月24日、クラウドゲーミングプラットフォーム「OOParts」が正式にサービス開始した。 OOPartsはPC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスでアドベンチャーゲーム(美少女ゲーム)をプレイできるサービスだ。対応OSの問題で現在プレイが難しい過去の名作もプレイ可能で、発表当初から話題を集めていた。 月額課金のいわゆるサブスクリプション方式のサービスで、より詳しい内容は運営会社の…
レトロな電子小説『はざまたそがれ』 消えた友人と不気味な世界。そして、謎の怪奇現象。 2020-4-25 ノベルゲーム フリーゲーム 技術の進歩と同時に、昨今のアドベンチャー及びノベルゲームではより豊かな表現が可能になった。美麗な一枚絵(スチル)の表示を始め、声優によるフルボイスの採用、アニメーション動画の挿入などなど。特に1980年代、表現面の制約が多かった時代に誕生した同ジャンルの作品群を思えば、進化の差は歴然だ。 だが、制約の存在があの時代の作品に唯一無二の魅力を与えていた。 場面ごとの詳細を自然に頭で考え、補完してしまう…
2XXX年の平和な世界の記録を綴ったエッセイ風SF百合ノベル『CODA』 厳重なプロテクトの先に待つ”真実”との対峙 2019-12-21 ノベルゲーム フリーゲーム エッセイ……日本語で「随筆」。もしくは「随想」 自由な形式で筆者の体験や意見をまとめた散文を指す。 その起源にして先駆的存在は、16世紀ルネサンス期の哲学者で思想家のミシェル・ド・モンテーニュが1580年に発表した『エセー』と言われる。自らの身辺で起きた事象、人間の様子などを考察し、綿密に考えを巡らせて書きまとめる。それこそが本来のスタイルで、昨今の自由に、且つ気楽な表現を用いてまとめるのとはやや…
ある夏の不思議な出来事を描く短編ノベルゲーム『未来に舞う蝶の色は』 もし、あの”悲劇の現場”に戻れたら……何をしますか。 2019-10-20 ノベルゲーム フリーゲーム 千坂和歌(ちざか のどか)には一つ年上の兄、大和(やまと)がいた。 本が大好きで頭も賢く、それでいて未来が見えるという不思議な能力の持ち主でもある大和のことを、和歌はとても慕っていた。だが夏のある日、自らの不注意が招いた事故によって大和は致命傷を負い、帰らぬ人となってしまった。 さらに身体が弱く、治療も兼ねて転地していた母もそのショックで、後を追うかのように亡くなってしまった。 以来、後悔と自責の…