ロックマンファンが作り上げた2Dアクション『20XX』で世界を救え!

夏休みが終わった。社会人の方には関係のない話だが、在学中の方にはとても重大なことであろう。特に、就職活動中の学生ともなればその意味合いは大きい。長い年月をかけ、育んできた夢を実現できるかどうかの瀬戸際だ。就職活動に盛大に失敗した経験者として、これを読んでくれている方の大成を願うばかりである。

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さてインディゲームにおいても長い年月を費やし夢を追いかける作品が多いのはご存知の通りだ。今回紹介したい『20XX』もそうした作品のひとつである。

『20XX』はアメリカはメリーランド州に拠点を置くBatterystaple GamesとFire Hose Gamesが開発した2Dアクションゲームだ。ゲーム配信プラットフォームSteamにて1,480円で販売されている。先日の2017年8月16日にフルリリースされた。多数の言語にも対応しており、日本語も実装されている。なぜかハングルが混じって表示されたり文章の変な箇所があったりとミスも多いが、十分遊べるレベルだ。

本作の開発が始まったのはさかのぼること4年前の2013年7月。ロックマンシリーズの大ファンであったChris Kingさんが、プロシージャル生成を取り入れたローグライクスタイルの、しかもマルチプレイに対応したロックマンを作ってやろう!と思い立つ。これが本作のスタートだった。

ブレることなく開発を続けた甲斐があったのだろう。本作(当時は『Echoes of Eridu』という名前だった)はそのおおよそ1年後の2014年3月、クラウドファンディングを達成する。その後本作はSteam Greenlightを難なく通過して、2014年12月に晴れてSteamにて早期アクセスを開始。それから2年半の間、開発チームは定期的なアップデートをしっかりと行い、本作を着々と完成へと近づけてきた。そして、長い開発を経てついにフルリリースされたというわけだ。

最初に目指したとおり、プロシージャル生成、ローグライク要素、そしてオンラインマルチプレイを実装したゲームを作り上げたのだ。道半ばで進路を変更したり、あえなく夢破れたりするケースも多い中、すばらしいことである。

ロックマンシリーズをベースにしたローグライクアクション

さて『20XX』の肝心のゲーム内容であるが、先ほど説明したとおりだ。ステージをプロシージャル生成するローグライク要素を取り入れたオンラインマルチプレイ対応のロックマンX。それが『20XX』である。本当ならゲームを評するときにあまり別のゲームを例えに出したくはない。だが本作の場合、そもそもKickStarterのプロジェクト名が『Echoes of Eridu: Co-optional Roguelike Megaman-style action』なのだからMegamanの名前を出さないのは逆に失礼であろう。それだけロックマンシリーズへのリスペクトがこもった作品なのだ。

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時は西暦20XX年。世界は悪のロボットたちに脅かされていた……。でも、きっと世界は大丈夫。だって私たちが救うから!

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プレーヤーは主人公であるニーナとエースのどちらかを操り、悪のロボット軍団との戦いへ身を投じる。ニーナはショットで敵を倒す遠距離キャラ、エースはビームセイバーで敵を切る近距離キャラだ。先ほどから説明しているとおり、本作は2人協力プレイに対応している。2人プレイの場合は、ニーナとエースをそれぞれが操作する。

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プレイのたびに自動生成されるステージには、様々な敵、罠、そしてボスが待ち構える。ステージの最後に待ち構えるボスを倒せばステージクリア。次のボスの待つステージへと進む。というのがこのゲームの基本的な流れとなる。ロックマンシリーズのそれとほとんど変わらない。

 もちろんボスを倒せば、ボスのもつスペシャルウェポンが手に入る。ボスにはそれぞれ弱点武器が設定されているので、効率よくステージを回るのが重要だ。だが、次に進むステージはランダムに選ばれた3つから選ばなくてはいけない。必ず弱点武器を持った状態でステージに臨めるわけではないので注意しよう。

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ここで押さえておきたいのが、本作ではステージをクリアするごとに次のステージが難しくなっていくところだ。後半のステージは足場が全然ないし、罠もザコ敵はめちゃくちゃ多いし、殺意がまるで違う。となれば、難しいステージをクリアするため自分を強くしなければならない。

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本作にはステータスをアップや様々な効果を持つオーグメント、各部位ごとにひとつづつしか装備できないが強力な効果を持つアーマー、そして通常攻撃を変化させる武器の3種類のアイテムがある。これらを集めることで、操作キャラをどんどん強化できる。

これらのアイテムはステージ内に配置されていることもあるが、基本的にはボス撃破の報酬とショップで手に入れる。当然ボスの数は限られているので、ショップでの入手がメインとなる。ショップでの買い物に使うお金、ナットはじゃんじゃん手に入るのでアイテム集めもはかどるだろう。

だが、本作のHPとスペシャルウェポンを使用するときに使うエネルギーは通常自動回復しない。なので、ピンチになれば回復アイテム販売機で購入せねばならない。アイテムを買いすぎればピンチに回復できないし、回復アイテムを買いすぎれば強化が追いつかない。リスクを避け、HPとエネルギーの消費を抑えていくかが非常に重要だ。

まあ、このあたりはよくあるローグライク要素ではある。だが、ロックマン‐ライクの作品にここまでマッチするとは予想外であった。ただ、これは単純にアイデアがよかったというだけでなく、長い開発でしっかりと調整を重ねてきたからこそのマッチングであろう。元ネタをただただ模倣するだけでなく、しっかりと独自要素をプラスする。丁寧な作りを感じる作品だ。

何度でもくり返し遊べる作品 アクションゲームが好きな人はぜひ

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本作は死んだら最初からやり直しの作品だ。けっこう難しいゲームなので、何度もやり直すことになるだろう。

ただ、死んですべてがやり直しというわけではない。ゲーム中にたびたびチップというアイテムが手に入るのだが、これで永続的なアップグレードや新しいオーグメントのアンロックを購入することができる。やり直せばやり直すほど、プレーヤーに有利な条件が整ってくる。何度も挑戦してクリアを目指すのだ。

また、本作には通常のゲームプレイ以外にも、デイリー・ウィークリーチャレンジ、ボスラッシュ、エンドレスモード、そしてゲームをクリアした上級者に向けたゲームの難易度をさらに上げる縛りプレイが用意されている。永続アップグレードをわざわざオフにする機能までついていて、やりこみたい人への配慮もバッチリ。様々なゲームモードで、何度でも楽しめる作品となっている。秋の夜長にぴったりの、どっぷり浸れるゲームだ。アクションゲームが好きな人はぜひ遊んでみてほしい。

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ただ、夏休みが終わって今一番忙しい大学生、小中高生の皆さんにはちょっと危ないゲームかもしれない。時間がぐんぐん吸い取られるゲームなのだ。手を出すのはまずい。1プレイだけでやめるはずが、ついついもう1ゲーム。紹介しておいてあれだが、ガマンするのも懸命だ。

ただ、『20XX』は長い時間をかけて丁寧に作られた素晴らしいゲームである。プレイしないのは非常に惜しい。ぜひ、時間を作ってでも遊んでほしい。

[作品情報]
タイトル 『20XX』
制作者 Batterystaple Games (制作者様サイトはこちら)
    Fire Hose Games (制作者様サイトはこちら)
対応OS Windows XP以上
プレイ時間 クリアまで6時間~10時間程度
価格 1,480円

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    洋ナシ(@younasi

    海外インディゲームの情報同人誌を作っているただのオタクですが、声をかけられゲーム記事を書くことになりました。人生何があるかわかりませんね。そういうことがあるのは、もっとこう絵がうまかったりマンガが面白かったりする人だけだと思ってました。他の執筆者の方のように輝かしい実績はありませんが、世界で初めてSurgeon Simulatorでペン回しに成功したという地味な実績があります。

    ブログ:http://tukedai.minibird.jp/blog/