ボスキャラよりどりアソートパック。”死にゲー風”2Dシューティング『Daydreamer』

シューティング,フリーゲーム

2000年代、フリーウェアゲームや同人ゲームなどの自主制作作品からは傑作と呼ぶべき2Dシューティングゲームが次々と生まれていた。しかしそうした作品の数々に熱狂した日々も今は遠くになりにけり。一抹の寂しさを感じさせる昨今ではあるが、そんな往年の雰囲気を夢想させてくれるのがこのたび紹介する『Daydreamer』だ。
『Daydreamer』はnizakashii氏が制作した短編2Dシューティングゲーム。2021年1月25日よりふりーむ並びにitch.ioにて公開されている。

全18体のボスを撃破せよ

『Daydreamer』はスクロールのない縦方向シューティングゲームとなっており、全18体のボス達全てを倒していくことが目的となる。最初の1体目と最終の18体目のボス以外は任意の順番で挑戦することが可能だ。

操作は十字キーによる移動とショット攻撃のみのシンプルなものとなっている。ボスからの攻撃を避けつつ、こちらのショットをボスへと当てていこう。画面左上にはボスの残体力が数値で表示されているのでショットを撃ち込みにいく際の目安にすると良いだろう。
ゲームパッドでの操作には残念ながら対応していないので、コントローラー類で操作したい場合は「JoyToKey」に代表されるような入力を置き換える外部ツールを用意しよう。

それはさながら白昼夢のごとく

本作の特色を端的に示すならば、それはやはりバラエティに富んだボスの数々だろう。真っ直ぐ攻撃を仕掛けてくるような正統派のボスは全体から見ると多くは無く、ボスごとに異なる立ち回り方を要求されるようになっている。シューティングゲームの形を借りたミニゲーム集だと形容しても言い過ぎではないほどにボスごとにやるべき事がガラリと変わっていく。

中には1マスの隙間を潜り抜けていくシャッター潜りなどもあり、2Dシューティングゲームファンならばどこかで見た事があるであろうシチュエーションにニヤリとさせられることだろう。

とりわけ秀逸なのが「赤上げて!白上げて!」の旗揚げゲームをモチーフとしたボスだ。何を仕掛けてくるのかの見た目からのわかりやすさと純朴さ、そこから放たれる豪速レーザーのギャップがなんとも可笑しさを誘う。本作を語るうえでは外せない、インパクト抜群のボスの1体となっている。

ゴリ押し不可だからこそ味わえる上達

賑やかな雰囲気の本作だが、その雰囲気に反して易々と先には進ませてはくれない。四方からのレーザーを僅かな予兆からかわすステージ10や、狭い回廊を周回する必要のあるステージ13など、素早い判断や繰り返し操作の正確さを求められる事が多い。いわゆる「ボム」のように敵弾を消したりするような特殊武器の類いや、残機や体力などの被弾を許容する要素が無く、一度被弾したらアウトで強行突破ができない点も難易度に拍車をかけている。被弾を繰り返しているうちに「死んだ~~!」に煽られているような感覚を覚えることだろうが、そんな時はまず深呼吸して落ち着いてほしい。

本作ではメニューから各ボスを攻略するためのヒントが参照できるようになっている。ヒント自体はわずかなものだが、「気をつけるべき要点」を抑えた上でボスに挑めることで、ミスをした時には何が問題だったのかが反省しやすく、クリアした際にも上達したという実感に繋がりやすい。行き詰まってしまった時は一人で悩まずヒントに目を通してみることをオススメしたい。実力アップを体感できるという意味では2Dシューティングに馴染みのない人にこそ遊んでほしいと言える作品だ。

[基本情報]
タイトル: Daydreamer
制作者: nizakashii
クリア時間:  1時間~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア

↓ダウンロードはこちらから
(ふりーむ)
https://www.freem.ne.jp/win/game/24858

(itch.io)
https://nizakashii.itch.io/daydreamer

  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。