悪逆非道の暴君から母星を救え!待望の日本語化を遂げた傑作”ケモノ”アクション『フリーダムプラネット』

海の向こうの国々では、興味深いインディーゲームが続々と誕生している。
筆者がそれを強く認識するきっかけになったのは、2015年6月にアメリカで開催されたE3(Electronic Entertainment Expo)の情報を漁っていた時だった。
詳細は割愛するが、当時のE3でトリを飾った任天堂の新作発表イベントは大いに荒れた。私もそれには残念な気持ちになったが、少しでも希望の持てる情報を見つけようと、WiiUのダウンロード専売タイトルで何か新作が発表されていないか探った。そこで、一つのゲームに巡り合った。

アメリカはニューヨークに拠点を構えるインディーゲームスタジオ、「Galaxy Trail」制作によるアクションゲーム『フリーダムプラネット』だ。
1990年代のアクションゲームを遊んで育ってきた筆者の目に飛び込んできたそれは、あまりにも刺激的だった。メガドライブ作品らしさを追求したグラフィック、スピーディなアクション、そして巨大な多関節ボス。紛れもなく、あの頃に楽しんだアクションゲームだった。それが最新のゲーム機で遊べる!?この作品は一体!?大きな関心を抱いた私は直後、更なる詳細を探った。

そして本作が2014年7月22日にPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で発売された作品で、日本からも購入可能であることを知った。居ても立っても居られなくなった私は、長らく起動の機会に恵まれていなかったSteamを立ち上げ、緊急購入。以降、存分にその内容を堪能したのだった。

これを機に私は海外生まれのインディーゲームに対する関心をより一層高め、今日に至っている。

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長々と個人的な話を綴ってしまって申し訳ないが、そんな本作『フリーダムプラネット』の家庭用ゲーム機兼日本語版がNintendo Switch、PlayStation 4で2018年8月31日に発売された。関連して、SteamのPC版も同日に対応アップデートが実施されている。

とある二次創作作品から出発した、オリジナルのアクションゲーム

家庭用ゲーム機版の販売は、当もぐらゲームスにもレビューを掲載している『X-Morph Defence』の日本語版を手掛けたマーベラスが担当。ローカライズはPLAYISMが手掛けている。

元が2014年のゲームなため、作品自体は旧作となる。
しかし、日本では2018年度に初お披露目となった。
改めてこの記事で、本作の魅力を紹介させて頂きたい。

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ゲームの内容は横スクロールのステージクリア型アクションゲームだ。ドラゴンの「ライラック」、ワイルドキャットの「キャロル」、そしてパセットハウンドの「ミラ」の三人いずれかを操作し、全宇宙の支配を目論む暴君「ロード・ブレヴォン」の野望を阻止するべく、彼らの軍勢と戦いながら、様々なステージに挑んでいく。

ゲームの流れは単純明快で、ステージを進んで最後に待ち構えるボスを倒すだけ。かつて一時代を築いたアクションゲームの基本に則ったものになっている。

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特にメガドライブ時代の作品を強く意識している。それもそのはず、本作は元々、メガドライブ並びにセガ(現:セガゲームス)を代表するアクションゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の二次創作作品として、個人開発者兼「Galaxy Trail」創設者のStephen DiDuro氏が企画した。紆余曲折の末、オリジナル作品として再出発することになり、キャラクターデザイナーの発掘、kickstarterでの開発資金調達などを経て、完成へと漕ぎ着けている。

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そんな経緯もあって、ゲームデザインにはソニックの面影がチラつく。道中に仕掛けられた360度ループがその象徴だ。しかし、ライフによるダメージ制の採用、近接攻撃技、前半と後半に分けられたステージ構成など、その触り心地は異なる。

主人公が三人いることも大きな違いであり、本作随一の特徴。それぞれ、独自のアクションを持つなど差別化されていて、同じステージでも全く別の攻略が求められてくるようになっている。

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また、本作にはストーリーに沿ってステージを攻略していく「アドベンチャー」、ストーリーイベント無しでステージ攻略に挑む「クラシック」のモードが用意されている。特に前者は選んだキャラクターによってストーリー、ステージが変化する分岐要素も盛り込まれていて、ボリュームも大きい。

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トレイラーを見て、そのスピーディなゲーム展開と天地を駆けるアクションの数々にソニックを感じてしまうのは否定できない。しかし、ソニックらしさは一部分に過ぎず、全体的には独自性を持った仕上がりになっている。

そして、この見た目に忠実な”熱さ”と”派手さ”を持つ

熱さと派手さへの徹底したこだわり

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メガドライブ時代のアクションゲームは、複数のパーツで構成された多関節のボスキャラクター達が画面狭しと暴れ回ったり、ハードの仕様上不可能な表現を(半ば)力技で実現させる、花火大会並の大爆発が起きるなど、過剰なほど”派手”で”熱い”ことを追求した作品が話題を呼んだ。今なお、その無茶ぶりをした作品の数々は、国内外を問わず語り草となっていて、一部は稀少品となってしまっていることから、復刻が待ち望まれているほどである。

本作はそんな当時に忠実な派手さと熱さも持ち合わせている。
例によって、最もそれが現れているのはボス戦。

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ご覧の通り、多関節ボスのオンパレード。もちろん、倒した時には期待を裏切らない爆発四散をお披露目し、プレイヤーに強敵を倒した快感を提供する。ご丁寧にも、止めを刺した時にはスローモーション演出が挿入され、効果音も相応に主張の激しいものにされているほどだ。

ボスの数も多く、大型のみならず人型も登場するなどバリエーション豊か。攻撃パターンも多彩でありつつ、しっかり見切ることでノーダメージ撃破も狙えるなど、パターン化の醍醐味も押さえたバランス調整が図られている。

戦闘曲も非常に熱い!「血湧き肉躍る」を体現した楽曲に仕上げられている。ボス戦だけでなく、ステージも素晴らしい楽曲が揃っていて、前半と後半で固有の楽曲を設定したり、あるステージでは一部、ボーカルも交えた曲を採用するなど、演出面もこだわっている。


▲サウンドトラックは「Bandcamp」にて販売中。(※PC版はダウンロードコンテンツとして販売中)

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ステージも派手さと熱さを突き詰めていて、随所で荒唐無稽な仕掛けが登場。ステージによっては探索と謎解きもあり、クリアするだけでも30分近くかかるなど、ボリュームも大きい。他に終盤のステージも独特な構成になっていて、プレイヤーの意表を突く。

インディーゲームの隆盛により、昨今は多くの横スクロールアクションの新作が誕生している。しかしながら、肝心な場面での盛り上げが甘い作品も少なくなく、古くから同ジャンルに慣れ親しんでいるプレイヤーなら、もっと派手にしろよと物申したくなったことがあるかもしれない。

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本作はそんなことを言う気になれないほど、盛り上げ所を押さえている。完璧に近い派手さと熱さがあるのだ。主人公三人が女性、世界観も可愛らしいことから、そんなまさかと思うかもしれないが、断言しよう。本作の派手さと熱さに対する意気込みは本物だ。ステージ1のボスを倒すだけでも、それを大いに思い知らされるだろう。

混じり気なし、正真正銘の90年代の魂を引き継ぐ傑作

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キャラクターに関連して、ストーリーも手の込んだ作りになっている。内容もシリアス寄りで、特に悪役のロード・ブレヴォンは今時珍しいほど「悪逆非道」を体現したキャラクターになっている。日本語版が発売されるに当たり、CEROレーティングで「B(12歳以上対象)」が設定された本作だが、その要因は全部ブレヴォンにある。一体、彼が何を仕出かすのかは実際にプレイしてご覧になって頂きたい。誰もがこいつだけは絶対に叩き潰すという怒りが爆発するだろう。

他に難易度もアクションゲーム初心者でも気軽に楽しめる「カジュアル」から、手応え十分の「ハード」まで用意。標準難易度の「ノーマル」でも結構高めなので、初プレイ時は「イージー」が推奨されるという、メガドライブ作品らしい罠(?)もある。

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ステージ一つのスケールが大きい為、地形が覚えにくい、終盤4ステージの難易度が突き抜けて高いなど、難点も少なくはないが、総じて完成度は高く、紛れもない90年代の魂が込められたアクションゲームに完成されている。

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キャラクターも可愛らしく、いわゆる”ケモナー”のハートも鷲掴みにする要素を持ち合わせた本作。此度の日本語ローカライズも素晴らしい仕上がりで、全編余すことなく楽しめるようになっている。日本語版のリリースで初めて本作を知り、興味を持ったプレイヤーはぜひ、遊んでみて欲しい。アクションゲーム好きなら、直ちに突撃だ。

最後に、本作は続編『フリーダムプラネット2』の制作も進められている。基本的な内容は前作そのままに、新たなプレイヤーキャラクターの追加、ボス戦の改良など、正統進化を遂げた作品になっているようなので、本作がお気に召したプレイヤーはこちらも要チェックだ。

現時点で配信日未定だが、「Steam」にてPC(Windows、Mac)版が先行リリース予定。家庭用ゲーム機ではNintendo Switchでのリリースが検討されている。また、ストアページでは本作の体験版(デモ)も配布中だ。どんな続編になっているのか、気になるのならダウンロードしてみよう。

[基本情報]
タイトル: 『フリーダムプラネット』
制作者:GalaxyTrail(※販売:マーベラス / 日本語ローカライズ:PLAYISM)
クリア時間:4~5時間
難易度:中級~上級者向け
対応OS: Nintendo Switch、PlayStation 4、PC(Windows、Mac、Linux)、WiiU(※海外のみ)
価格: ¥1480

購入はこちらから
※Nintendo Switch版
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000011904

※PlayStation 4版
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0507-CUSA12804_00-FREEDOMPLN000001

※PC(Windows、Mac、Linux)版


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