『箱庭えくすぷろーら』風のドット絵アクションRPGが作れる!ゲーム制作ツール「箱庭あにま」β版公開

ゲーム制作,フリーゲーム

すき氏により制作されたフリーゲームのアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』。スクリプトエディタ「Hot Soup Processor」 (HSP)によって開発され、精緻に作りこまれたドットアニメーションが印象的で、開発の早い段階からツイッターで拡散され話題を呼んでいた。

本作の特徴はビジュアルだけにとどまらず、見下ろし型のクォータービューで描かれたユニークな世界観、武器やアイテムを使った派手なアクションバトル、プレイヤーを縛らない自由な探索の楽しさ、フリーゲームSRPG『グレイメルカ』などの楽曲も担当した吉松たつゆき氏による全編書き下ろしのBGMと、多くの魅力が詰まっている。

そんな本作『箱庭えくすぷろーら』のようなクォータービューのドット絵アクションRPGを制作できるツールのβ版「箱庭あにまβver56」が、すき氏により公開されたので、紹介したい。

本ツールには、すき氏の製作した『箱庭えくすぷろーら』自体が、サンプルプログラムとして登録済みの状態となっている。そのため、本ツールを使用して、『箱庭えくすぷろーら』がどのように作られているのかを知ることができ、自分のゲーム制作に役立てることが出来そうだ。

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さっそく筆者が本ツールをダウンロードして触ってみたところ、項目としては、ゲームの舞台であるマップを作成するマップ編集、マップにキャラやイベントを配置するイベント編集、キャラクターの能力値やスキル設定などのデータベース管理、音楽や画像などの素材管理といった要素が存在し、既存のゲームエンジン使用者なら馴染みやすいものになっていると感じられる。
 
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ゲームの舞台となるマップは、マス目で区切られている形式となっている。マップ編集の仕様としては、横幅10マス×縦幅10マス×高さ10マスの正方形の中でマップチップを配置し、マップを作り上げていく。

また、マップに設置するイベントの作成は、特定のプログラミング言語への習熟を必要せず、あらかじめ用意されたコマンドを組み合わせていく「RPGツクール」のような形式であることを確認できた。

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ReadMeによると、本ツールの全体の進捗度としては95%程度とのこと。今後のアップデート予定などは公表されていないが、ひとまず触っているだけでも楽しいので、まずはダウンロードしてみてはいかがだろうか。

本ツールで作成したゲームの著作権は作成者にあり、個人使用・商用目的問わず自由に配布可能。ただし、ツール同梱の作品『箱庭えくすぷろーら』を直接または改変した作品の商用利用は禁止。

一方で、『箱庭えくすぷろーら』のプロジェクトファイルに入っている画像素材は、本ツール以外を使用したゲーム作成に使用することや、改変、二次配布などは、常識の範囲内であれば可能とのこと。

そのほか、詳細な内容に関しては、ツールに同梱されているReadMeを参照いただきたい。

なお、合わせて『箱庭えくすぷろーら』本体もver1.55へのアップデートが行われている。内容としては、Xinputゲームパッド対応、描画数を抑えた低スペックモードなどの実装がなされたとのこと。こちらもチェックしておきたいところだ。

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  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。