レベル1の勇者がハーレムなメンバーと一緒に戦う『Hero and Daughter』をプレイしてハクスラについて考える

パーティは自分以外かわいい女の子。

それなんてギャルゲ?と言いたくなるのだが、ダンジョンに繰り返し潜ってレアアイテムを探したり、レベルを上げて、魔王に挑む……と、ゲーム自体はかなり本格的なフリゲRPGが登場した。

7月25日にtachi氏が公開した『Hero and Daughter』を紹介しよう。

なお、制作者のtachi氏は、前作『月光妖怪』の制作でも知られている。もぐらゲームスでもレビューしている。

びっくりさせる快感――フリーゲーム「月光妖怪」レビュー

国王に呼び出され通算何度目かの魔王討伐を依頼される主人公。いつものようにサクッと終わらせようとしたのだが・・・。今回は、国王の策略でレベル1に戻されてしまいスライムすら満足に倒せない身体になってしまった主人公。

そこで登場するのが、本作の肝である「女の子召喚システム」だ。ダンジョンで拾える召喚石から女の子を召喚し、彼女たちの助けを借りながら、魔王を倒しに行くことになる。女の子は、女子高生、ツンデレ、お姫様、ロリなどなど、誰もが好みのキャラを見つけられるのではないかというくらい多様だ。

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召喚された女の子との出会い。女の子たちのイラストは全て描きおろし。どんな女の子を召喚できるかはランダムだ。

正直、このゲームのストーリーはおまけ要素みたいなものだ。いかにかわいくて、強い女の子を召喚し、強い装備を手に入れ、敵を倒すかに邁進することになる。

そう、このゲームはドラクエやFFといったJ-RPGよりは、海外のRPGに多く見られるようなハック&スラッシュ(ハクスラ)というジャンルを意識したゲームだ。

そもそもハクスラとはなにか

ハクスラとは、RPGの1ジャンルであり、hack(切り刻む)とslash(叩き斬る)という2つの言葉を組み合わせて作られた言葉だ。

元々はダンジョンズ&ドラゴンズのようなテーブルトークRPGにおいて、モンスターを倒して経験値や強力なレアアイテムを入手し、キャラを強化してさらに強力なモンスターを倒すというプレイスタイルを指し、アメリカから輸入された言葉である。(中略)ストーリーや世界観の表現よりも戦闘に勝つ、敵を倒すということを意識しているスタイルに対して使われる(Wikipedia


古くはT-RPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、PC初期では『ウィザードリィ』、また最近では『Diablo』シリーズがハクスラとして有名だ。

筆者もDiablo2、3は仲間に誘われてプレイしたが、とにかく敵をサクサクと倒す戦闘が快感で、ランダムで入手できるレア装備を鑑定するときにはドキドキしたものだ。通常の敵が弱い一方で、ボスや時々現れる強敵を倒すのは一筋縄ではいかず何度も死んだものだ。

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ハクスラの名作『Diablo2』

制作者が明言する通り、本作『Hero and Daughters』でも、そんな敵をなぎ倒す快感、アイテム収集のドキドキ感を演出するようなハクスラ要素がふんだんに盛り込まれている。

ハクスラの快感ー雑魚戦の爽快さと強敵を倒す達成感

ハクスラではザコ敵はとにかくテンポよく倒せる一方、強敵はかなり難易度が高く設定されている。ザコ敵をなぎ払う爽快さと強敵をなんとか倒したときの達成感が気持ち良い。

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『Diablo3』の戦闘シーン。PS4版が今夏発売される。

『Here and Daughters』の雑魚戦は一瞬だ。ダンジョン内を歩いている敵と接触すると戦闘に突入するが、その戦闘は非常に高速で行われる。コマンドを選んでからの行動が非常に早く。誰がどれだけダメージを与えたのか、よく見ていないと分からないほどだ。

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気持よく重なるダメージ。ザクザクと敵を倒している感覚だ。単調になりがちなボタン連打が快感に変わる。

一方で各ダンジョンのボスやダンジョン内にランダムで現れる賞金稼ぎは連続攻撃や状態異常など様々な特徴的な行動をしてくる。頭を捻らないとパーティが全滅することもある。

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敵の強さによってマップ上のグラフィックが違う。スライムよりもフードをかぶっている敵の方が難易度が高い。スルーすることも可能だ。

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ダンジョンの最上層にいるボスは2周目以降強化される。

ハクスラの奥深さーアイテム収集など多数のやりこみ要素

ハクスラでは、アイテムの種類が非常に多く、出現もランダムなので、強い装備を手に入れられるかは運次第。となると、目当ての装備を引き当てるまで、何度もダンジョンに潜ることになる。こういったやりこみ要素に数十時間、いや数百時間もかけてしまうことなどザラだ。

『Hero and Daughters』もご多分にもれず様々なやりこみ要素が存在する。装備は数十種類に及ぶ。アイテムの収集状況がわかる仕組みもあるので、収集欲が刺激されるプレイヤーも多いのではないだろうか。

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アイテムの説明文はいちいちユーモアが効いている

そして、このゲーム最大のやりこみ要素は一緒に戦う女の子だ。主人公がレベル1なので、戦闘では一緒に戦う女の子が重要になる。召喚できる女の子は20人以上いるようで、かなり多い。キャラクター設定もよくできていて、外見と性格、使えるスキルが違う。

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各キャラに好感度が設定されていて、一緒に旅にいったり贈り物をすると好感度が上がっていき、会話イベントが発生する…というところはやはりギャルゲー的だ。お気に入りのキャラと一緒に戦う部分は、『ランス』シリーズや『恋姫†無双』といったゲームパートがしっかりとしたギャルゲーにも近い

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女の子の好感度は数値で確認でき、上げていくと100,200など一定の好感度を過ぎたところで会話イベントが発生する。好感度の最大値はいくつなのだろうか、1人のイベントを見ると。他のキャラのイベントも見たくなってしまう…。

豊富な敵もやりこみ要素の一つだが。ボス以外の強敵、賞金稼ぎは種類が多い。出会うためにダンジョンに何度も潜ることになる。本作のラスボスの魔王はレベル25前後で倒せるのに対し、もっと高いレベルが必要な賞金稼ぎもいたりする。

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賞金稼ぎは推奨レベルが丁寧に明記されているので、いつ挑むかはプレイヤー次第だ。

そして、最弱でレベルがあがらない主人公のステータスを上げることができる機会があるのもやりこみ要素の片鱗だ。ダンジョンに行く度に一度だけ村で食べることのできる「料理」とダンジョンで手に入るステータスアップアイテムで主人公のステータスは上がっていく。

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お金を払って主人公のステータスが強化される料理。この仕組みで主人公をどこまで強くするか…。

他にも拠点である村のレベルや、倒した賞金稼ぎが強くなって再選を挑んでくる異界などとにかくやりこみ要素が多い。

ハクスラの自由度ー選択肢の多さとそれを支えるバランス調整

ハクスラのゲームで評判のいいゲームの特徴は「多様性がある」ということだ。例えば、主人公のクラスを選べる場合、「このクラスが圧倒的に強い」というものはない。プレイヤーの選択肢が多いからには、一長一短がある。不公平感がないので自分の好きな楽しみ方できる。

それゆえゲームを提供する側は多くの選択肢に合わせたバランス調整する必要が出てくる。

『Hero and Daughter』もしかり、7月25日の公開以来、既に調整を5回行っている。どの女の子もそこそこ強く、理不尽さを感じるわけでもないので、気持ちよくプレイができた。

そして、最も驚かされるのはこのゲームが、個人の制作者によって作られたフリーゲームだということだ。

確かにダンジョンのパターンが少ないので見飽きてくることはあるし、ザコ敵にも種類がほしくなるかもしれない。ワールドマップは本当に小さい。と思っていたところ、8月15日のアップデートでは、4つのダンジョンと新たな武器・防具が追加された。
現時点で完成度は非常に高いとはいえ、改善点も多い。作者のtachi氏はユーザーからのフィードバックを元にアップデートをすることで、内容の充実やバランス調整、バグ修正を行っている。

更新情報はこちらから
http://is-this-game.doorblog.jp/archives/cat_1208078.html

ユーザーとともにこれからも成長していくのではないかということを期待させる一作がこの『Hero and Daughter』だ。

[基本情報]
タイトル Hero and Daughter
制作者 tachi
クリア時間 本編3~4時間程度
(本編後の追加シナリオあり)
対応OS  win (RPGツクールVX Ace RTPが必要)
価格 フリーソフト

ダウンロードはこちらから
ふりーむ!→http://www.freem.ne.jp/win/game/7195

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    すんくぼ(@tyranusii

    学生時代、MMORPG「リネージュ」で朝から晩まで飽くことなきレベル上げと戦争に没頭する毎日を送る。本業では廃人卒業後、国家公務員を経て、再びゲームの世界へ。「もぐらゲームス」を立ち上げました。ハマったゲームはライブアライブ、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜、デモンズソウルなど。
    個人ブログもやってます:もぐらかペンギンか