ひつじ年にはひつじのゲームを。ボードゲーム『ひつじとどろぼう』レビュー

th_image09

年の瀬も迫り、来年の年賀状を書く季節がやってきた。
年間で一番干支の動物を見るのも恐らく師走ではないだろうか。
という訳で、今回紹介するのは来年の干支である「ひつじ」をモチーフにしたドラフト式ボードゲームだ。ちなみに、もぐらゲームスでは過去にも「ひつじ」をモチーフにしたアナログゲーム『シェフィ』をレビューしている。

かわいいひつじを増やして増やして増やしまくれ! “一人用”カードゲーム『シェフィ』プレイレビュー&攻略

来年の正月休み、仲間や家族とかわいいひつじのゲームで遊んでみてはどうだろう。

ドラフトって?

そもそもこの『ひつじとどろぼう』はドラフト式と呼ばれるボードゲームだ。
ドラフトゲームというジャンルをご存知だろうか?
ボードゲームにおける「ドラフト」とは、配られたカード数枚から1枚を選び、残りを隣のプレイヤーに渡し、反対側のプレイヤーから回ってきたカードからまた1枚選び・・・という風にして出来上がった手札を使って行うゲームのことを主に言う。

このドラフトのポイントは自分が使いたいカード、もしくは隣の相手に使わせたくないカードを自分が選び、反対側からも同じように選ばれなかったカードが回ってくることにより、最初に配られただけのカードよりも戦略的に手札を作ることが出来るところだ。
制作者のPower9Gamesは、過去『Dragon’s Stone』という中~上級者向けのドラフトゲームで人気を博したが、今作では初心者でも手軽に楽しめるようにと、カードやシートからテキストをほぼ排している。ルールも基本的にはカードを配置するだけなど非常にシンプルに作られている。

コンポーネント紹介

プレイヤーシート:全員左上に配置した家カードからスタートする。右上と左下にある街まで道が繋がれば5点。一番遠い右下の街まで道が繋がれば10点となる。

th_image06

道カード:手札となる道のカードには様々な絵が描かれており、プレイヤーシートに配置することによって効果が発生する。詳しい効果については後述する。
ちなみに、アナログゲームは痛みやすいのでカードスリーブに入れるという人も多いが、その結果元の箱に入らないということがよく起こる。しかし、今作は全てのカードをスリーブに入れても箱に収納出来るサイズに仕上がっている。トレーディングカードゲームを長年やってきた作者のこだわりポイントだ。

th_image05

ひつじコマ:通常アナログゲームでは木のキューブなどをゲームにより様々なものに見立てる場合が多いのだが、今作では綿のようなフワフワした玉がひつじのコマとして使われており、置いていく度に見た目にも楽しくなってくる

th_image04

どろぼうタイル:どろぼうタイルは最初個人シートのどろぼうマークが描かれた場所に配置される。
その後どろぼうの絵が描かれたカードが出る度に上下左右にどろぼうの絵の数だけ動く。
このどろぼうタイルが動いた先にひつじコマがあれば、置いたプレイヤーは相手のひつじコマを奪うことが出来る。

th_image02

ひつじの柵カード:どろぼうタイルによって獲得した相手のひつじコマはここに置かれる。

th_image11

ルール説明

まず各個人1枚ずつプレイヤーシートを持ち、色分けされた家カード(必ず赤を混ぜる)をシャッフルし1人ずつ配る。
赤の描かれた家カードを持ったプレイヤーから時計回りに手番を行うことになる。

ここでドラフトの登場だ。配られた5枚のカードの内から自分の欲しいカード1枚を選び左隣のプレイヤーに残り4枚を渡す。
同じように右隣のプレイヤーから4枚のカードが渡されるので、また1枚を選び左隣へ渡す。
これを繰り返し、最後に渡された1枚を含めた5枚が自分が最初のラウンドで使う手札となる。

カード配置
手番では手札の中から1枚のカードを、自分のシート上の既にカードが置かれている場所に隣接するように配置する。
この時描かれている絵によって効果や配置できる条件が変わってくる。
なお、1枚のカードに複数の絵が描かれていれば、描かれている種類・数だけ効果を解決する。
カードの種類は以下のようになる。

1.【道の絵が描かれている】
道はスタート地点から街まで繋げれば得点になる。カードを置く時に道が途切れていても構わない。

th_image01

2.【川の絵が描かれている】
川はプレイヤーシート内では流れが途切れるようには置けない。川の流れの先には川カードしか置くことが出来ないので注意が必要だ。
2枚以上川が繋がっている場合、得点計算時に1枚2点となる。

th_image00

3.【ひつじの絵が描かれている】
描かれているひつじと同じ数のひつじコマをそのカードの上に乗せる。得点計算の時に1つ1点となる。

th_image07

4.【どろぼうの絵が描かれている】
描かれているどろぼうの数だけ上下左右に1マスずつ全員のどろぼうタイルを移動しなければならない。
この時、移動先の相手のマスにひつじコマがあれば、自分のひつじの柵カードに移動させる。
自分の柵カードにあるひつじコマは得点計算時に1つ1点となる。

th_image03

5.【牧羊犬が描かれている】
描かれている牧羊犬の数だけ1マスに置かれているひつじコマ全てを上下左右のカードが置かれている場所へ移動出来る。
どろぼうに盗られないように上手くひつじコマを逃がしていくカードだ。

th_image10

6.【小屋が描かれている】
小屋の描かれているカードに乗っているひつじコマは、どろぼうタイルが移動してきても盗られない。
スタートに描かれている家も小屋として扱う。

th_image08

カードを配置すると次のプレイヤーに手番が移り、全員が4枚配置し終えたら1ラウンドが終了する。
残った1枚の手札に、山札から4枚を足し、またドラフトを行う。
これを3ラウンド繰り返し、計12枚のカードを配置し終えたらゲーム終了となる。
それぞれの「ひつじコマ」・「繋がった街」・「2枚以上繋がった川」の点数を計算し、最も点数の高いプレイヤーが勝利となる。

近年アナログゲーム人口が加速度的に増えており、全くアナログゲームを遊んだことがないという人も興味を持って各地で開催されているゲーム会などに参加されたり、専門のお店などに行くようになっているようだ。そんな方達に、是非見た目にも心をくすぐられるこの『ひつじとどろぼう』を遊んで欲しい。
勝ち負けだけではなく、自分の牧場にひつじが増えていくのを見て楽しんでもいいのだ。
デジタルゲームにはない楽しみを是非体感してみて欲しい。

[基本情報]
タイトル ひつじとどろぼう
制作者 坂下裕一(Power9Games)
プレイ人数 2~4人
プレイ時間 30分
価格 3,020円 (すごろくや取扱い価格)


  • image06

    おこげ(@orokoge

    デジタルゲームで一番プレイしたのは『ワールド・ネバーランド』初期2作。現在はゆるふわボードゲーマーとして僻地高知でマンガをメインに雑多な趣味で広く浅く活動中。