インディーゲームはアジアも熱い!東京ゲームショーで見つけた台湾・韓国・中国の作品5選

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9月20日まで開催された東京ゲームショー。皆さんは参加者として色々なゲームを楽しめただろうか?近年は企業発ではなく個人・小規模開発のインディーゲームの出展コーナーも増えたため、出展側として参加された方もいるかもしれない。
今回は、そんな東京ゲームショーのインディーゲームコーナーから、筆者が実際にプレイした作品を中心に、台湾・韓国・中国などアジア発のインディー作品をいくつか紹介したい。

インディーゲームといえば、これまで英米圏の活動が主な話題となってきたが、最近ではアジア圏発の作品も増えつつある。今回プレイアブルで出展されていたゲームは、アートワーク・プレイフィール共に、日本のゲームプレイヤーにとって馴染みのある作品が目立ち、中にはキャラクターボイスに日本の著名な声優起用した作品もある。今後、アジアのインディーゲームを日本国内でもプレイする機会は増えていくのではないだろうか?

今回紹介する作品は2015年冬以降のリリースが多く、どれも完成が楽しみな作品となっている。開発中のため表示されている言語はまだ日本語ではないものが多いが、ゲームの魅力を体感できるデモ動画が存在するので、興味のある作品を見つけたらぜひ今後の情報を追っていってほしい。

BlackWitchcraft

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まず紹介するのは、韓国の開発団体「QuattroGear」によるゴシックアクションRPG『BlackWitchcraft』だ。本作は、以前もぐらゲームスによる海外ゲームイベントPAX Eastレポート記事にて紹介したmoppin氏の『Downwell』と共に、4Gamerによるメディアアワードにも選出されており、注目が高まっていることが伺える。
ゲームの内容としては、ゴシック調のファッションに身を包み、様々な武器に変形するスーツケースのようなものを武器に戦う女性を操作して、怪物たちを次々となぎ倒していくゲームとなっている。
本作の特徴的な部分として、まずその鮮やかなグラフィックにまず目を惹かれることだろう。そしてゲーム部分では、怪物たちの群れを相手取り、弱攻撃と強攻撃を織り交ぜ、回避アクションで相手の攻撃を避け、そして必殺技のガトリングをぶちかます……というアクションが爽快だ。援護攻撃としてメイドのようなキャラを呼び出し、強力な砲撃を発射させることも出来る。本作は2Dのアクションゲームではあるが、攻撃を使い分けつつ敵の大群を捌いていくプレイ感は、日本の3Dアクションゲーム『三国無双』シリーズのようだった。
プレイ中にお話を伺ったところによると、リリースは2016年予定とのこと。さらなるクオリティアップがなされた完成版を楽しみにしたい。

リリース媒体:PS4, PS VITA, XBOX ONE, PC
リリース時期:2016年予定
公式サイト:http://quattrogear.com/

Rabi-Ribi

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次は台湾のディベロッパー「CreSpirit」の作品。今回プレイアブルだったのは、突然ウサギから人間の女の子になってしまった主人公「エリナ」を操作して冒険していく横スクロール型のアクションゲーム『Rabi-Ribi』だ。
アイテムを拾うことで攻撃手段が増えていく。ゲームスタート後に初めて手に入るハンマーでは、ボタンを連打することで敵を複数回叩くコンボ攻撃が出来る。ハンマーによるコンボ攻撃は成長することでコンボ数が増えていく。ステージの途中にはボスも待ち構えており、こちらも可愛らしいキャラとなっている。ボス戦はシューティングのような激しい「弾幕攻撃」を仕掛けてくる敵もいるため、歯ごたえのあるアクションパートとなっている。
ステージを探索する中で追加武器も手に入れることが出来、筆者が今回の出展版のプレイで入手出来たのは「爆弾」だった。こちらは直接攻撃のハンマーとは異なり、時間経過で爆発する爆弾を投げつける攻撃だ。公式ページによると、武器や能力は60種類程度作られる予定とのこと。
本作は2015年冬~2016年春にPC版がSteamでリリース予定となっている。完成版ではどんな冒険ができるか楽しみだ。
他に開発中の作品として、オンラインプレイが可能なiOS・アンドロイド向けアクションゲーム『DSquad』もPVのみ展示されていた。こちらも楽しみに待ちたい。

リリース媒体:PC(Steamにて配信)
リリース時期:2015年冬~2016年春予定
公式サイト:http://www.crespirit.com/

末日之子

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会場ではグッズ等も頒布されていた

台湾のディベロッパー「神嵐遊戯」の開発する探索型RPG『末日の子』。Live2Dで滑らかに描画されるキャラクターが魅力的だ。キャラクターにタッチすることで色々な反応も楽しめる。出展版をプレイした際は、妖精のキャラクターの羽を突っつくイタズラをするとバランスを崩して床に落ちてしまう反応など、個性豊かなものだった。
本作の中心となるゲームパートは「探索」と「戦闘」に分かれている。マップを徐々に開拓していき、アイテムを探していく探索パート。探索パート中に敵と遭遇すると、戦闘パートに入る。戦闘パートでは、日本のRPG『ヴァルキリープロファイル』『クロスサマナー』のような、タイミング良く仲間を攻撃させることでコンボを繋ぐというシステムだ。
キャラクターボイスにも桑島法子氏など著名日本人声優を起用しており、日本のゲーム的な作風ということを意識されているように感じた。下記のゲームデモ動画についても、ボイスに関しては日本語のキャラクターの声を聞くことが出来る。完成版のリリースが楽しみな一作だ。

リリース媒体:iOS、Android
リリース時期:2016年春予定
公式サイト:https://www.facebook.com/celadgame

LOUD PAPA

ここからの2作品は現地にてプレイすることが出来なかったゲームだが、プロモーション動画や公式サイトの情報から興味深く感じた作品の概要を紹介したい。
『LOUD PAPA』は、中国の北京大学の同窓生によって制作されたパズルゲーム。やわらかいタッチでデザインされたキャラクターが印象的な作品で、Apple Watch用の開発ツールWatchkitで作られていることも気になるポイントの一つだ。

公式サイト:http://www.initory.com/ja

境界之詩Tactics

台湾の開発チーム「sheena games」の開発するSRPG『境界之詩Tactics』。本作も『末日の子』のようにキャラクターボイスに日本語声優が起用されている。こちらは現在、日本語対応はされていないが既に公開されているオンラインゲームとなっている。デモ動画を見ていると演出のクオリティが高く、遊んでみたいと思わせてくれる作品だ。

公式サイト:https://www.facebook.com/realmchronicle

以上、東京ゲームショーで見つけたアジア発インディーゲームを紹介した。リリース時期については早ければ2015年末となる作品もあるので、完成版を遊べるのが楽しみだ。

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。