石ころを転がしてダメリーマンを台車で会社まで連れていく……?スマホゲーム『コロッコトロッコ』

『コロッコトロッコ』は、石ころのコロッコを操作してノリオ君を会社まで連れていくというゲームだ。ノリオ君はのんびり屋で、会社に行く途中に道草ばかりしている。

……一体何を言っているのかわからないと思うので、早速ゲームを解説していこう。

スマホならではの操作、「ジャイロゲーム」

本作は、いわゆるジャイロセンサーを用いた、「ジャイロゲーム」だ。

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上記画面での説明のように、スマホを傾けながら、石ころのコロッコを操作して、各ステージの障害物をクリアしていく。

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スマホを傾けるとコロッコもゆるゆると動き出し加速する

冒頭で紹介したように、コロッコがゴールへ行くことが目的ではなく、動かない人間ノリオ君を動く石のコロッコを動かして押すことによって台車に乗せ、ゴールへと届けるというのが各ステージの目標になっている。少しはノリオ君も動けよ!

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!?なんか……

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なんかいた!ノリオ君いた!!やる気なさそう!!!道草ってレベルじゃねーぞ!

このノリオ君、実際全く動かない(表情はそれ自体極楽浄土のような顔をしている)ので、生きているのか死んでいるのかすらやや定かではないところはある。コロッコで押すことによって一応、でくのぼうのようにその形状と表情を変える……のだが、ノリオ君、本当に自力で出社する気が無いのがスクリーンショットからも伝わるだろうか?

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ヨイショー!とノリオ君を崖から突き落とすコロッコ。ノリオ君、この顔である。動け。

「バカゲー」というか気の抜けた世界観が際立つ

画像で見て頂いたとおり、なんとなくコロッコとノリオ君の気の抜けた世界観が際立つ。おまけに、サウンドもほんわかほわほわとした感じの脱力系BGMだったりと、どこまでもとぼけた世界観を突き抜けさせようという意図が伝わってくる作りになっている。ステージ中に登場するアイテムやギミックにも顔が描かれており、どこまでもどこまでも脱力の海にたゆたって行くことができるだろう。

Unityで作られているからなのか、ノリオ君の物理的な挙動についてもなんとなくブラブラしていて、脱力した人っぽく、無駄にリアルだ。人が脱力するとこんな風になるのかよ……と思わずプレイ中にため息が出る。

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よいしょ……よいしょ……(押す)

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よいしょぉー!出社できたとしてコイツ、仕事するんだろうか?

バカゲーについては、もぐらゲームスでも記事を書いて考察しているが、この『コロッコトロッコ』もバカゲー、正確に言えば『ぐんまのやぼう』に見られるような「ゆるゲー」という風に表現できるかもしれない。とりあえず、下記リンクの記事も見つつバカゲーの要素にも思いを馳せてみよう。

「バカゲー」を考えるためのインディゲーム・フリーゲーム7選

「バカゲー」の皮をまとった正統派スマホゲーム

さて、いわゆる「バカゲー・ゆるゲー要素」の紹介ばかりしてきた『コロッコトロッコ』だが、実は本作は、ゲームとしてもかなり面白いのである。

ステージごとに少しずつ追加されるギミック。上下左右に動く床にノリオ君を詰め込んだ台車を置いたり、大きな石を動かして穴を埋めたり、バネで飛び跳ねたり、だるま落とし的な鉄球を使ったギミックがあったり……と、さまざまな仕掛けがステージごとに満載だ。

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動く床のステージ。ノリオ君なら(やる気を出せば)余裕かもしれないが石にはけっこうキツい。

かつレベルデザインもしっかりとしていて、無理なくノリオ君を出社させる技術をパワーアップさせていくことができる。そんな技術、鍛えたくなかった。

こうした、いわゆるアスレチックステージを作りこんでいくのには非常に時間がかかり、ゲームデザインセンスも問われるところだ(コンシューマーゲームにおいては、任天堂の『マリオメーカー』がその苦労を噛み締めさせてくれるだろうからオススメだ)。

その点、『コロッコトロッコ』はステージの作り込みや、飽きさせない工夫においても一味ちがう。大変丁寧でしっかりしたステージを、プレイヤーのレベルやストレスレベルなども考えながらしっかりと作りこんでいて、失敗すれば「あと少しでできたのに!」と思わせ、思わず何回もプレイしてしまう

また、親切設計についても言及しておきたい。ゲーム自体がいわゆる「詰み」のようになり、「もうこれはどうにもならんな、出社できないな」という状態になることがある。例えば下の画像のように。

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あーあ

上の画像では、ノリオ君が自力で出社しようという意思を持たないかぎりは、おそらくどうにもならない。そんな時にはしっかり右上にリトライボタンが出てきて、ステージの最初からやり直しをすることができる。

このような丁寧な親切設計は、本当にバカゲーであろうとするだけでは絶対できない芸当である。ゲームプレイヤーにおバカでゆるい要素を楽しんでもらうために、本当にバカでストレスのたまる要素は排除しなければならないのだ。バカゲーと呼ぶかはさておき、少なくとも本作はクソゲーではないのは確かだ。

すなわち、もしかすると、このゲームはバカゲーではないのかもしれない。バカゲーの皮を被った正統派スマホゲームだ。逆説的だが、おバカであろうとするためには、賢くなければならないのである。なかなか考えさせられる側面もある。

というわけで、『コロッコトロッコ』はバカゲーの皮を被った正統派スマホゲームであることも、おわかりいただけただろうか?思わずノリオ君に「早く出社してくれーーー!」と叫びながらもゲームに夢中になってしまうこと請け合いだ。

ここまで『コロッコトロッコ』の魅力を語ってきた。ぜひあなたにも、ノリオ君を会社に連れていっていただきたいのである。ちなみに、ノリオ君の「出社しようという『意思』」がないから、コロッコという「石」が助けにきた、というのは考えすぎだろうか。考えすぎだろうな。お後がよろしいようで。

[基本情報]
タイトル
『コロッコトロッコ』
制作者 itach lab(制作者様サイトはこちら
クリア時間 4~5時間
対応OS iOS/Android
価格 無料

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    通称のあP。「もぐらゲームス」エグゼクティブプロデューサー&共同編集長。ゲームをする人。「ゲームのちからで世界を変えよう会議」の中の人。経営戦略(ゲーム産業)と金融が一応専門分野。 MMORPG「リネージュ」の元プレイヤー(8年ぐらい、10,000時間ほどプレイ)。長らく一つのゲームをやりこむ派でしたが、最近は雑食気味にいろんなゲームをプレイしています。思い出に残っているゲームはリネージュ、ティアリングサーガ、勇者のくせになまいきだ。or2など