『大繁盛!まんぷくマルシェ』ファンタジー×借金返済×料理アドバイザーを見事に調和させた新感覚経営アドベンチャー

アドベンチャー,インディーゲーム

はじまりはいつも世界樹の下で

1人の女の子が世界樹を見上げて「そうだ、王都にいるサフランに手紙を書かないと…」と呟くところから、物語は始まる。次の瞬間、出来上がった文面が画面いっぱいに表示され、その内容に我々は驚愕する。

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いきなりの5,000,000Gの借金返済宣言である。この借金は王子様の作ったもので、なんと世界樹が担保に入れられているという。明るくポップでキュートな音楽と、ファンタジックで絵本のようなグラフィックからは想像もつかないディープな導入に、心が掴まれてしまった。
ちなみに借金は、王子様が世界中から美味しいものをお取り寄せしすぎたからだそうだ。そのほのぼのした理由に何となく安堵してしまう。

料理アドバイザーのお仕事

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手紙を書き終えると、もう1人の可愛らしい女の子「ユーカリ」が、自分の名前を呼んで、キッチンカーに誘導してくれる。キッチンカーのことを「マルシェ」といい、この世界では、世界樹の元に様々なマルシェが集う(今は過疎化してしまっているようだが…)。彼女もそんなマルシェのシェフの1人。パン屋さん「こんがりほっぺ」を展開している(なんとまた店名も可愛らしいことか)。

プレイヤーはシェフ達の料理アドバイザーとなり、一緒に店を盛り上げて、借金返済を目指すことになる。料理アドバイザーの仕事は大きく次の3つだ。開発、販売、仕入れ。順に説明する。

まず開発では、あたらしいレシピを開発することができる。プレイヤーの直感による「自由発想」と、CP=シェフポイントを使用して、得たレシピのヒントから新料理を閃く方法がある。ここで産み出された新料理のことを、「ネオ料理」と呼ぶ。CPは仕入れの時にゲットできる。食材の組み合わせは予め決まっているので、失敗することもあるが、失敗し続けていると、たまに奇跡が起こるかも…?

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ネオ料理はどれも個性的なものばかり。唐辛子と砂糖のサンドイッチ、うどんのケーキ、苺のミートボールなど。インスピレーションを働かせて自由に組み合わせを考えるも良し、仕入れに沢山行ってCPを貯めて開発するも良し。芸術的な料理を産み出した後は、twitterボタンを押して自分のタイムラインに投稿するも、また良しである。

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こんなに喜んでもらえるのなら、開発した甲斐があるというものである。

次に、販売だ。開発したネオ料理から、何を店に出すかを決定するのも、料理アドバイザーの仕事だ。その時の売れ筋の商品や、食材の在庫を考慮しながら、戦略的に考えるのが楽しい。シェフは食材が無くなるまで料理を作り続けてくれるので、プレイヤーは販売する商品を決定するだけで良い。

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最後は、食材の仕入れだ。仕入れ先は一緒に行くシェフによって異なり、ゲットできる食材も違う。
そこで出会うのが、美味しい料理と交換で食材を持ってきてくれる、沢山の可愛らしい謎の生物「ぷにょん」だ。その時々によってぷにょんの好む料理の味が変わり、好きな味の料理を持っていくと、より多くの食材が手に入ったり、レア食材の出る確率が上がったりする。
また、一緒に行ったシェフの好感度が上がり、CPと新しい会話をゲットできるので、仕入れはこまめに行いたい。

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食材をスクロールタッチで集めるときの効果音も心地良い。

このように、開発・販売・仕入れを繰り返してマルシェを大きくし、お金を稼ぐのが、基本的な流れだ。ちなみに貯金はオートで行われる。貯金というものが現実世界で全くできない筆者でも、借金を返済することができたので、安心してプレイをして欲しい。

お店を一緒に盛り上げるのは魅力的で個性溢れる6人のシェフ達!

ストーリーが展開するにしたがって、シェフの数が増えていく。最終的に、全部で6人のシェフが世界樹の元に集結する。ここでは、数人にフォーカスして紹介していきたい。
1人目は、筆者イチオシの、白くてふわふわ、笑顔が可愛い天然のおっとりさん、「ユーカリ」。外見から想像もつかないほどよく食べる。後々意外な事実が発覚するのだが、そんなところもまた可愛いと、筆者は思う。

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2人目はケーキ屋さんのマルシェを展開する「フェンネル」。灰白髪の謎多きイケメン貴公子。甘い顔とマスクで、女性のファン多し。女性のことを「子猫ちゃん」などという。天性の遊び人のように見えるが、実はそれにも深い訳が…?

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やはり女性の敵でしかない。
 
3人目は魔女っ子「マジョラム」。お肉屋さん。心優しいギャルだ。「お肉は強火で焼いた方が美味しい」という信念の元、ドラゴンの火を調理に使ったところ、ドラゴンになる呪いをかけられてしまったらしい。なかなかロックな生き方をしている。

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今回は紹介を省くが、他にも、自称魔王のブーケガルニ、人見知りの少女ミツバ、侍のような男リンドウ、といったキャラクター達がいる。

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各々のマルシェでは、これら6人のシェフ達と会話をすることができる。シェフ達の知られざる一面を見たり、可愛らしいキャラクターにほっこり癒されたりするのも、このゲームの大きな魅力の一つだ。会話の量はかなりあるので、最後までじっくり楽しめる。

また、主人公は、それぞれのシェフが作った料理を食べることもできる。なんとこの主人公、胃袋メーターがついており、料理を食べれば食べるほどステータスが上がり、経営がしやすくなるような仕組みになっているのだ。主人公もなかなかの良いキャラクターである。

借金すら忘れさせる美味しさ…世界樹の実と世界樹の精霊「ジュリィ」

そう、始まりはいつだって世界樹の下から。
ゲームが少し進行すると、再び世界樹の画面となる。

「誰も食べたことのない伝説の味の、世界樹の実を食べてみたいなぁ…」
主人公が呟くと、なんと突然目の前に、世界樹の精霊「ジュリィ」が現れる。そして、「これが世界樹の実ジュリィ!あげるジュリィ!」と言って、ポンッと実をこちらに投げてよこしてくるのだ。しかしこの自称精霊、控え目に見ても猫かコウモリにしか見えない。主人公が目の前の展開についていけないでいると、「やっぱりこの実はやらないジュリィ!」などという。この気まぐれさ加減、やっぱり猫なんじゃないだろうか?

ちなみに、世界樹の実を食べると、スタミナの最大値などが上がる。世界樹の実のイベントは、ストーリーが進行するごとに定期的に起こる。

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都合のいい主人公

ジュリィは他にも、プレイヤーに次の目標金額を示したり、「ジュリィ☆ミッションリスト」を達成するごとに、報酬を与えてくれたりする。

また、それと同時に、世界樹をクリスマスツリーのように飾り付けられる「魔法のバルーン」が開放される。ゲーム内のお金で購入することができ、集客を増やしたり、フィーバーを起こしやすくする便利なものだ。どれも有効に活用して、美味しく楽しみながら、借金完済を目指そう。

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食いしん坊な主人公

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初心を思い出す主人公

最後に

この作品には、アクションの要素がほとんど無い。『牧場物語』のように、ゆっくりと次のコマンドを考えながらプレイをすることができる。アクションが苦手な方や、自分のペースでプレイしたい方、癒されたい方に特にオススメである。相当なやりこみ要素と、数種類のエンディングがあるので、一つのゲームにじっくりと取り組みたい方は、コンプリートを目指すのも良いかもしれない。

借金完済後、主人公がどんなラストを迎えるのか?シェフ達は何者なのか?ネオ料理は一体どこへ向かっているのか?
気になった方は、ここからは、自分の目で確かめてみて欲しい。

この作品を作ったのは、iOS/Androidアプリの開発を行っている株式会社アソボックス(旧:Come-Come Cat)さんで、この他にも『再生!カラカラ惑星』(iOS/Android)や、『王国の道具屋さん』(iOS/Android、ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフト)といったファンタジックな世界観のゲームを多数リリースしている。

『大繁盛!まんぷくマルシェ』は昨年リリースされ、Pixivやtwitter上で話題となった。
なんと、こちらのアソボックスさん、2016年の1/7〜1/18まで、『大繁盛!まんぷくマルシェ』のプレゼントキャンペーンを行っている。(こちらのページから
この機会に是非一度プレイして、キャンペーンに応募してみてはいかがだろうか?
心が満腹になること、請け合いである。

[基本情報]
タイトル 『大繁盛!まんぷくマルシェ』
制作者 アソボックス(公式サイトはこちら)
クリア時間 数十時間
対応OS iOS/Android
価格 無料(アプリ内購入あり)

ダウンロードはこちらから
iOS版

Android版
Android app on Google Play

  • mai(@hermin_hesse

    現役音大生。3歳より実父からファミコンの指導を受けて育つ。スマホゲームや3DSなどの携帯ゲームが好きで、ジャンルはRPGや、アドベンチャーなど。ドラクエ派で、ポケモン世代。演奏活動中です。