わらしべ長者で勇者を倒せ―フリーゲーム「ミミクリーマン」レビュー

今回のフリーゲームレビューは「ミミクリーマン」。
かわいいキャラクター設定と、ゲームシステム・ゲームバランスともによく練られた良ゲーだったので、ご紹介してみたい。

一言で言えば、「わらしべ長者」

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伝説の聖剣と呼ばれる「太陽剣」を探し求める勇者が、宝箱を見つけるシーンから始まるオープニングだが、本作の主人公は勇者・・・ではなく、この宝箱である

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そう、プレイヤーは宝箱に擬態するモンスター「ミミクリーマン」となり、人々の欲しがるものを宝箱の中に入れて人をおびきよせて襲う。そして、襲った人の持ち物を奪って持ち物をどんどんと交換しグレードアップさせていく。いわば、「わらしべ長者」のようなゲームなのだ。

ただし、エモノとなる人間たちが欲しがるアイテム以外を設置しても、エモノは立ち去ってしまう。というわけで、エモノが近づいてきた時につぶやくセリフなどをヒントにして、エモノの欲しがるアイテムをうまく設置してアイテムを次々と交換していく。

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例えば、上の「シマウマの狩人」の場合、薬草を持っていればおびき寄せて襲うことができる。

「シマウマの狩人」からは、薬草の代わりに「肉」が手に入る。この肉は「ごろつき」が欲しがっているので、うまくおびき寄せて襲うと、パンを奪うことができる。

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・・・という風に、どんどん手持ちのアイテムを交換していく。このようにアイテムを交換しながら、最終的に太陽剣を入手し、勇者を倒すのが本ゲームの目的だ。まさに、わらしべ。

様々な組み合わせが楽しめる「合成システム」

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また、本ゲームの鍵システムの一つでもある合成システムもなかなか面白い。例えば先ほど紹介した、「パン」と「肉」は、合成して「ハンバーガー」になる

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この「ハンバーガー」を欲しがっているエモノに見せて、さらに違うアイテムに交換していく・・・といった形で、合成と交換を駆使しながら進めていく感じも、なんとなく料理と似たような感覚がある。

合成でしか手に入らないアイテムもあるので、「これとこれを合成するとアレができるかな・・・」という想像力も多少必要となる。実際に試してみて当たっていたときの快感が心地よい。また、交換・合成などで入手したアイテムは「アイテム図鑑」で見ることができるという、「収集」の要素もある。

愛嬌のあるキャラクター設定

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本作のもう一つの特徴が、ほのぼのとした世界観・可愛らしいキャラクターだ。使用素材自体はフリー素材が多いが、主人公のミミクリーマンやその上司(?)の魔王、商人などのキャラ付けは非常に愛嬌たっぷりで、なかなかそそられる。

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なお、筆者のお気に入りは後輩のビックリボックス君である。完全にミミクリーマンとキャラかぶってるなお前。

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ゲームのシステムなどは全く違うのだが、筆者は本作「ミミクリーマン」をプレイしていて、「勇者のくせになまいきだ。」シリーズを思い起こした。モンスター側になって勇者を襲うコンセプトや、愛嬌のあるキャラクター設定とドット絵、収集の面白さなどから連想されたのかもしれない。特に「勇者のくせになまいきだ。or2」は筆者的には久々にハマったコンシューマゲームということで、思い入れの深いゲームである。


勇者のくせになまいきだor2 PSP the Best

丁寧な作り込みが光る

本作のプレイした印象を一言で言えば、非常に丁寧に作りこまれている印象だ。攻略に必要なヒントがしっかり設置してあるだけでなく、チュートリアルも非常によくできている。また、「エモノ」たちに、本来のエサと違うアイテムを提示した時も、かなりの量のテキストが用意されていて芸が細かい。「ニコニコ自作ゲームフェス3」でファミ通.com賞、XboxLiveインディーズゲーム優秀賞を受賞したのも頷ける。


本作はゲームを進める上でのヒントが非常に丁寧で充実しており、ゲーム内で情報をしっかり集めれば、攻略サイトを見なくてもすべてのアイテムが収集できるはずだ。しっかりした作りこみの中で、唯一難点を言うならば、交換のために何回も使用するアイテムがあるため、そのアイテムを手に入れるために同じ場所を行ったり来たりする必要があることぐらいだろうか。もっとも、効率よく交換していければそのような問題は発生しないのだが。

(2014/5/1追記)更新版では、上記の点がフォローされている。

相手が何を欲しがっているのかを推理し、その推理が当たった時や料理できるものが見つかったときはとても心地よい。ミミクリーマン、是非プレイしてみては如何?

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余談だが、筆者はアイテム回収率100%・全エンディング回収(本作はマルチエンディングである)を達成した。上記スクリーンショットはゲームの後半に役立つヒントになるかもしれない(特に左上のアイテムの入手方法)。最終局面で迷ったときは是非本記事に立ち返ってみてほしい。

■ミミクリーマン
[ソフトウェアタイプ]
フリーウェア

[対応OS等]
Windows

[ダウンロード]
ミミクリーマン:無料ゲーム by ふりーむ!

(プレイには別途「RPGツクール2000 RTP」のダウンロード(無料)が必要)

[製作者]
野良雲 一砂 氏

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
  • 20140320163135

    通称のあP。「もぐらゲームス」エグゼクティブプロデューサー&共同編集長。ゲームをする人。「ゲームのちからで世界を変えよう会議」の中の人。経営戦略(ゲーム産業)と金融が一応専門分野。 MMORPG「リネージュ」の元プレイヤー(8年ぐらい、10,000時間ほどプレイ)。長らく一つのゲームをやりこむ派でしたが、最近は雑食気味にいろんなゲームをプレイしています。思い出に残っているゲームはリネージュ、ティアリングサーガ、勇者のくせになまいきだ。or2など