妖怪を斬り倒して宙を舞い、ステージを突っ切れ!スタイリッシュ爽快忍者アクション『Ninja Striker!』

アクション,インディーゲーム

『Ninja Striker!(ニンジャストライカー!)』はインディーゲームディベロッパー「Q-Cumber Factory」制作による、横スクロールアクションゲーム。元はiOS(iPhone、iPod Touch、iPad)用有料アプリとして、2013年4月29日にリリース。2018年4月19日には、同iOS版をベースに様々な改良と強化を施したリメイク版がNintendo Switch、PC(Windows)向けにリリースされた。

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今回紹介するのは、最新のNintendo Switch、PC(Windows)版となる。

諸事情で一時配信停止になったニンテンドー3DS版『Ninja Smassher(ニンジャスマッシャー!)』の再配信を実現させた経緯から、販売はフライハイワークスが担当。更に音楽を『神巫女 -カミコ-』、『魔女と勇者III(さん)』などに携わった「パンサウンド」のみそか氏、本作向けに改修されたグラフィックの一部を同じく『神巫女 -カミコ-』、フェアルーンシリーズで知られるインディーゲームサークル「スキップモア」が手掛けている。

妖怪を斬りながら突き進む、攻撃的アクションゲーム

ゲームのルールは単純明快。敵を斬り倒しながらステージを進み、ゴールへの到達を目指すというものだ。しかし、そこに辿り着くまでの流れが一風変わったものになっている。

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具体的にはプレイヤーキャラクターの動かし方が変わっている。以降はNintendo Switch版を基に解説するが、操作自体は至って普通。コントロールスティック、或いは方向キーを任意の方向に倒せばキャラクターが移動し、Bボタンでジャンプ、Yボタンで斬り込み攻撃、Aボタンで回転斬り+(空中にも対応した)ダッシュを行う。また、ジャンプ中にBボタンを再度押すと二段ジャンプ、壁や天井にキャラクターを近づけるとその場に張り付くアクションも実施。多彩でありつつも、アクションゲームとしては王道で、ゲームを始めて間もなく馴染める操作体系だ。

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ただ、移動の根幹を担うのがYボタンの斬り込み攻撃というのが最大の特徴。実はこのアクション、ボタンを押すと同時に近くにいる敵をロックオンし、瞬時にキャラクターが高速移動して攻撃を行う。相手との距離に関係なく、フルオートで近接攻撃を実施してくれるのだ。そして、ステージには数多くの敵が列に並ぶかのような配置で登場。一体攻撃する度にプレイヤーキャラクターが敵に近づくので、その流れで次の敵への攻撃すれば、コンボと同時に移動も繋がる。

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このような敵への接近と攻撃を繰り返していくのが、本作のステージ進行の基本。陸地を歩むのではなく、敵を倒して宙を舞いながら前進するという、アクロバティックなプレイスタイルを基本とする作りになっているのである。

それもあって、ゲームの進行は非常に速い。
ステージ1つをクリアするだけでも僅か1分程度だ。

かと言って終始、Yボタンを連打し続ければいい大味な作りにはなっていない。時折、敵の登場が途絶える場面も挟まるので、攻撃を続けるなら二段ジャンプ、或いはAボタンの回転斬り兼ダッシュで宙を進むことが求められる。

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攻撃を続け、ステージ内に散らばるコインも回収すれば「コンボボーナス」も発生し、それによってスコアも大きく上下。スコアはステージクリア時の評価にも響いてくるので、更なる高みを目指すなら、一連の動作は必須だ。

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道中にも数多くの仕掛けが登場し、コンボを遮ろうとしてくるので、一筋縄ではいかない。中盤になると敵も積極的に攻撃を仕掛けてくるので、安易に突っ込むことを繰り返せば窮地にも追い込まれない。ステージ途中からのリトライができず、受けたダメージを回復する手段も用意されていないので尚更だ。

アクションゲームとしての基本的な作りは王道。操作も簡単である。だが、このようにゲーム全体の流れにはひと工夫凝らされていて、独特なテクニックが求められる作りになっている。まさに攻撃特化型のアクションゲーム。それでいて、唯一無二のスピード感とやり応えも持ち合わせた内容だ。

異なる特徴を持ち合わせた四人の忍者(※人外含む)

全部で四人の異なるプレイヤーキャラクター達を選んで遊べるのも大きな特色。いずれも『Ninja Smassher(ニンジャスマッシャー!)』にも登場した面子だが、攻撃的なゲームデザインも相まって、独特な操作感と動かす楽しさに富んだキャラクターに完成されている。

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四人のキャラクターの中で、最も面白いのは?と聞かれたら、即答で「クサリガマ」だ。ワイヤーのように伸びるクサリガマが武器というだけあってコンボが繋げやすく、離れ業な見た目も相まって他の三人とは異なる敵を斬り倒していく快感とスピード感を味わえる。

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「クノイチ」も陸地を歩く速度の速さ、ボタンを連打せずとも連続攻撃を実施してくれる操作性の良さも相まって面白い。後半のステージでは耐久力のある敵が数多く登場するので、それらを迅速に斬り倒してステージを進む快感を味わいたいのであれば、強くお薦めしたいキャラクターだ。ただし、『ニンジャスマッシャー!』の時と同様、耐久力は四人のキャラクターの中でも最も低いので、ある程度は慎重な立ち回りが求められるので、迂闊な突撃は禁物だ。

他のオールラウンドタイプの「ニンジャ」、上級者向けの重量感のあるアクションを持ち味とした「ロボニンジャ」も個性的な操作感を持ち合わせたキャラクターに完成されている。

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ステージは全キャラクター共通で、ステージごとにキャラクターを変えて攻略する戦略的な要素が無い点は、プレイヤーによって物足りなさを感じるかもしれないが、それを補う面白さが詰まっているので、一人のキャラクターだけに留まらず楽しんでみて欲しい。同じステージでも、キャラクターが違うと難易度まで変わるなど、その作り込まれたバランスに驚かされるはずだ。

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難易度に関してはクリアするだけなら簡単、最高評価「三ツ星」を目指すと地獄と化す棲み分けが凝らされているのも面白い。もし、苦労することなくエンディングまで辿り着いて、物足りなく感じたのなら、全ステージでの最高評価獲得に挑んでみて欲しい。「星、三つです!」という、某巨匠の物真似が気軽にできなくなるトラウマを植え付けられるかもしれない。

スタイリッシュでスピーディな展開に酔いしれろ!

難易度に関しては、ボス戦も引き際の見極めが求められるバランスで、文字通りの一進一退の展開が繰り広げられるのが面白い。ボスの攻撃も回避の仕方が一目で分かる反面、斬り込み攻撃の相手に自動的に近づく仕組みも相まって、タイミングを誤ると直撃を喰らってしまうなど、簡単そうで簡単には行かない絶妙な調整になっている。

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もちろん、ここでもコンボをどれだけ繋げられるかが評価に関わってくるので、「三ツ星」を狙えば難易度も急上昇。明らかに無傷で行けそうなのに、なかなかどうして上手くいかないもどかしさは、アクションゲームに慣れ親しんだプレイヤーなら唸ること請け合いだ。

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ボリュームもエンディングまでなら1~2時間程度と短めだが、完全攻略を目指すと10倍に跳ね上がるという裏表の激しさが光る。これほど爽快感があり、攻撃的なアクションゲームに完成されていながら、Nintendo Switch版はHD振動に非対応、スコアアタックもオンラインに対応していない惜しい難点もあるが、遊び越えは抜群で、高い充実感が得られる作りになっている。

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アクションゲーム初心者から熟練者まで、幅広くお薦めできる一本。簡単に遊べてやり込めるゲームを欲しているならぜひ、お試しいただきたい良作だ。

ちなみに制作者曰く、本作の実況配信は大歓迎のこと。配信すれば作者自らコメントもしてくれるほか、攻略アドバイスもしてくれるとのことなので、配信環境のある方はチャレンジしてみよう。

[基本情報]
タイトル: 『Ninja Striker!(ニンジャストライカー!)』
制作者:Q-Cumber Factory、パンサウンド、スキップモア(※販売:フライハイワークス)
クリア時間:1~2時間
難易度:初級~上級者向け
対応OS: Nintendo Switch、PC(Windows)
価格: ¥500(Nintendo Switch) / ¥410(PC版)

購入はこちらから
※Nintendo Switch版
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000008465

※PC(Windows)版

  • シェループ(@shelloop

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