美しい童話的世界を旅するフリーゲームRPG『片道夜行列車』。「使い魔召喚」を駆使し、「猶予時間」の中で敵を倒す戦略性も魅力

日々多くの新作が送り出されているフリーゲームRPG。さいきんではグラフィックを自作するゲームが増えてきており、特に豪華なイラストや美しいマップを持つ作品も多くなってきた。

そこで今回は、幻想的で童話的な世界を旅する短編フリーゲームRPG『片道夜行列車』を紹介する。本作の特徴は、童話的な世界観で語られる切ない物語に、ついつい魅入ってしまうほどの美しいマップ芸術、そして戦闘中に切り替えることが出来る補助キャラクター「使い魔」や、HPが0になっても倒れることがない代わりに、所定のターン数で敵を倒さなければいけない「猶予時間」という、独自システムを駆使した戦略的な戦闘が大きな魅力であることだ。さっそく紹介したい。

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オープニングで会話をする「白ウサギ」と「黒ウサギ」

記憶を失い続ける少女は、夜行列車の世界を旅する

このゲームの主人公は、家柄に恵まれた才女で、周囲から憧れられる少女の「ルナ」。生活に何一つ不自由のなかった彼女は、ある日、列車の「終点の先」に迷い込んでしまう。そこで見つけた「白うさぎ」を追いかけていくと、そこには人間の姿となった白うさぎがいた。彼女と話している中で、突如、謎の人影が出現し、ルナの心に語りかけてくる。そこで彼女の「親友」の辿った運命を思い出したルナは、怪物と化した人影と戦うことになる。

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「終点の先」に迷い込んでしまった少女ルナ

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ルナがそこで出会う不思議な存在「白ウサギ」

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突然現れる謎の人影。ルナの心に何かを語りかけるが……

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「記憶」を忘れたとき、ルナの願いが叶う。そう白ウサギは告げる

怪物を倒したルナは、自分の「願い」を思い出す。「この列車を進めば、全てを忘れる代わりに、『あの子』に会える」。そんな白うさぎの言葉に導かれるように、ルナは列車の先へと進む。かつて伝えることの出来なかった、親友への思いを抱えながら……。

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ルナが旅することになる「夜行列車」の世界。美しく幻想的なマップが目を惹く

「使い魔召喚」と「猶予時間」で戦略性の高い戦闘を楽しめる

このゲームは、童話的な世界観のマップ芸術もさることながら、その独自の戦闘システムにも魅力が溢れている。

まずは「使い魔召喚」を紹介しよう。本作の戦闘では、主人公であるルナのほかに、ルナの持つ力で「使い魔」を扱うことができ、戦闘中にNPCとして補助・攻撃など行動をしてくれる。使い魔は戦闘中に変更することができ、使い魔それぞれで行動のタイプは異なる。また、状況によっても使用する特技は変わる。

そのため、戦闘開始時には補助タイプの使い魔にルナを強化させ、その後、攻撃タイプの使い魔に変更し、攻撃を仕掛ける……というように、状況に応じて使い魔を使い分けることが重要になってくる

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使い魔によって、攻撃タイプ・補助タイプ・バランスタイプ……と、様々な種類が存在する

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状況に応じて使用する特技は決まっているので、有効な使い魔を選択しよう

ゲーム開始時は、ルナが使える使い魔は1種類だけだが、物語を進めていくにつれて増えていく。新しい使い魔を手に入れる楽しみもあるのだ。

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さまざまな使い魔を試してみて、上手く戦闘を進めていこう

次に「猶予時間」だ。このゲームの戦闘では常に「猶予時間」が存在し、ターンが経過するごとに減っていく。この時間がなくなってしまうと、ルナのHPがいくら残っていようともゲームオーバーだ。一方で、猶予時間が残っている限りは、HPが0になった時に猶予時間を消費することで、いくらでも復活することが出来る。

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画面左上の時計が表す「猶予時間」の球が0になるまでに敵を倒さなければゲームオーバーだ

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ルナのHPが0になっても、猶予時間が残っていればいくらでも戦える

この猶予時間のシステムは全ての戦闘に適用されるため、いかに手早く敵を倒すかという方法を考えることが重要になってくるのだ。

このほかにも、戦闘に勝利したときに、入手するものを「アイテム」か「スフィア」から選べるという部分も特徴的だ。アイテムはその名の通り、HP回復などに使用するもの。スフィアとは装備品で、装備すると能力が上がるほか、ルナが使用できる特技も増える。

スフィアは装備上限が決まっているため、戦闘スタイルに応じて「何を装備し、何を捨てるか」という取捨選択が鍵になってくる。ルナ一人で全ての役割をカバーすることは難しいので、使い魔の能力を考えて、どういったスフィアを装備するべきなのか考えよう。

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スフィアを装備すると特技を覚えるほか、能力値が上がる。ルナのスタイルに応じたスフィアを取捨選択しよう

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装備したスフィアによっては、非常に強力な攻撃も使えるようになる

幻想的な世界の旅の結末は…?

ルナが親友を探しにいく夜行列車の旅には、様々な場面が存在する。今回はそんな本作の中から、いくつかの場面を紹介したい。

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親友を探し、列車の世界を旅するルナ

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旅の途中で出会う、白ウサギと対になる存在「黒ウサギ」

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本筋とは離れたサブイベントのような要素も組み込まれている

童話的で美しいマップ芸術の世界観だけでなく、戦闘システムも戦略性溢れたものになっている本作、RPGが好きな人にはぜひプレイしてほしい1作だ。

[基本情報]
タイトル 『片道夜行列車』
制作者 hako(制作者様サイトはこちら
クリア時間 1~2時間
対応OS Windows VISTA/7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/11409

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    poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。