スチームパンク風フリゲRPG『Pinocchio』。モノの声が聞こえる少年と、ロボットの女の子の物語。

「スチームパンク」と言えば、蒸気機関が発達した19世紀風の世界観に、SFやファンタジーの要素を取り入れる作品ジャンルで、根強い人気を誇る作品が多く存在する。たとえばゲームでは有名コンシューマ作品『ファイナルファンタジー6』もスチームパンクの要素を含んでおり、心に残ったゲームとして名前を挙げる人も多いだろう。

今回紹介するフリーゲームRPG『Pinocchio』も、WOLF RPGエディターで制作されたスチームパンク風RPGだ。本作は、外の世界から切り離された「瓦礫の山」で生活する少年「グレン」が、そこに降って来たロボットの女の子「ヒルダ」と出会い、閉ざされていた自らの運命を切り拓いていく短編作品となっている。

本作の特徴としては、少年グレンの持つ「身の回りのモノの声が聞ける」という特殊能力を使った探索要素が印象的。モノの声を聞き、瓦礫の山を探索してガラクタを集め、そしてアイテム合成をすることで、戦闘や探索を上手く進めていくことが出来る。さっそく内容を紹介していこう。

身の回りの「モノの声」を聞いて物語を進めるスチームパンクRPG

このゲームの物語は、「機械の国」の王女「ダイアナ」、そして彼女を守る巨大なロボットの女の子「ヒルダ」が、謎の一団に追われているシーンから始まる。二人は必死に逃げ回るものの、ダイアナが一団に捕まってしまい、追い詰められてしまう。そこでダイアナは、ヒルダにある重要なものを渡し、一人で逃げるように伝える。

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オープニングにて、謎の追っ手に追われる機械の国の王女「ダイアナ」とロボットの「ヒルダ」

ところ変わって、外の世界から切り離された「瓦礫の山」。ここで生活する少年「グレン」は、日々ガラクタを集める生活を送っていた。そんなある日、突然大きな音が響く。気になったグレンが探索を始めると、そこにはガラクタの山に埋まっているヒルダの姿があった…。

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瓦礫の山に落ちてきたヒルダを発見する少年「グレン」

本作の基本的な進行としては、グレンの持つ「モノの声」を聞ける特殊能力を駆使して瓦礫の山を探索していく形式となっている。コマンドから「モノの声を聞く」を選択することで、身の回りの瓦礫に埋もれているモノの存在を感じ取ることが出来、そしてモノに話しかけることが出来るようになる。

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モノの声を聞く、という特殊な能力を持つグレン

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ステータス画面からコマンドを選択することでモノの声を聞くことが出来る

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モノの声を聞くことで、瓦礫に埋もれているモノの存在が感知できるようになる

モノたちの話は物語進行のヒントが詰まっているため、それらを参考に瓦礫の山を探索していくこととなる。また、さまざまなモノたちと話していくうちに「レシピ」を手に入れることも出来る。これにより探索や戦闘に有利となるアイテム合成を行なえるのだ。

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瓦礫の山でモノの声に耳を澄ませることで、ヒントやアイテム合成に役立つレシピ情報を入手できる

アイテム合成に関しては、瓦礫の山にいる凶暴なモノたちや動物との戦い、そして探索で集めたアイテムを使用することで行なうことが出来る。合成に必要なアイテムは、グレンの住処である古びた列車で確認することが出来るので、アイテム調達の参考にしよう。

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グレンの探索する瓦礫の山では、襲い掛かってくるモノやカラスたちがいる

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グレンの身体能力は低めなため、「ガラクタ」のアイテムを使用して敵と戦うのがメインとなる

アイテム合成では、たとえば「ガスマスク」を作ることで、有毒なガスの蔓延するエリアの先に進むことが出来る。アイテム合成をすることで、さらに探索の範囲が広がっていくことも楽しみの一つだ。

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集めたアイテムを合成して、探索に役立つアイテムを作ることも出来る

また、ゲームの構成としては探索要素が多めの本作ではあるが、話を聞けるモノたちとの会話についてはユーモアに富んだものが多いのも見逃せない。この会話のおかげで探索要素を飽きさせず、瓦礫の山に埋まっているモノたちを見つけ、そして会話を見るのが段々と楽しみになってくるだろう。

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グレンの住む「古びた列車」の中のある椅子との会話。ノリノリだ

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瓦礫の山から発掘された直後の勢いのある第一声も見どころ

因縁の人物との対峙、グレンとヒルダを待つ結末とは…

瓦礫の山に落ちて来たヒルダを見つけたグレンは、瓦礫に埋まってしまったヒルダを助けるために、役に立つものが無いかを探しに奔走する。そして住まいの中で良い案を考えていたグレンの前に「正義の代行者」として名の知れた「マクレガー警部」とその部下たちが現れる。その話しぶりからグレンと少なからず因縁のあるようだが、彼もヒルダを探していると言う。

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マクレガー警部とその部下たちの訪問

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「大きなもの」とはヒルダのことだろうか

突如現れた警部を前に、グレンはどんな行動を取るのか…物語は、急展開を見せていく。なお、本作は展開やエンディングが分岐する作りになっており、選んだ選択次第で展開に分岐が発生するようになっている。一度クリアした人も、また別の分岐を見つける楽しみがあるのだ。

ここからは、そんな本作の印象的なシーンを中心にピックアップしてみよう。気になるシーンを見つけた人は、ぜひプレイして結末を確かめてほしい。

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ヒルダのいる機械の国は、現在戦争状態にあるという

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ダイアナから渡された「大事なもの」に秘められた秘密とは…

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ヒルダを守ろうとするグレンの前に、マクレガー警部が立ちはだかる

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グレンとヒルダの間に、次第に信頼関係が築かれていく

今回紹介したスチームパンク風のフリーゲームRPG『Pinocchio』。本作は、もともと長編として構想されていた作品の序章部分にあたるとのことだが、このゲーム単品だけでも物語は一応の完結を見せてくれる。クリア時間としては2時間ほどの短編だ。今後、機会があれば続編の制作にも取り掛かるかもしれないとのことで、楽しみにしたいところだ。

[基本情報]
タイトル 『Pinocchio』
制作者 こた(制作者様サイトはこちら
クリア時間 1~2時間
対応OS win 2000 / XP / VISTA / 7
価格 無料

ダウンロードはこちらから
(ダウンロードページに移動後、作品紹介に書かれているパスワードを入力して下さい)
http://silsec.sakura.ne.jp/WolfRPGEditor/GameList_Beginner/memberlist.cgi?view_no=0467


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    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。