世界は彼女を殺せない。”銃弾逸らし”の少女と共に進むパズル&シューター『Please Fail Safely and Deadly』

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銃で撃たれれば人は死ぬ。音速を超える初速で放たれた鉛の塊は容易く肉の身体を裂いていく。それが常人の肉体の限界。放たれた後の銃弾を避けたり、受けて耐えたりなんてのは、コミックやアクションゲームのヒーローでもなければありえないし、それにしても限度はある。しかし、もしも本物の「不死身」が存在するとしたら?

『Please Fail Safely and Deadry』はseqvalence氏の制作したパズル&シューティングゲーム。HTML5で作成されておりブラウザ上でプレイする形式をとっている他、Google PlayにてAndroid版が公開されている。言語は英語および中文に対応。自殺や暴力をほのめかす内容が含まれていることから13歳以上推奨としている。

彼女が死なないのは、この宇宙の法則。

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「私は銃弾を避けない。銃弾が私を避けるの。」
どこか悪戯っぽさが残る少女は、そう不敵に微笑んでみせた―――

謎の爆発事故による、Antonn Aabye博士の死。博士の”友人”であったエージェントBrandonは、博士の葬儀の折、博士の娘Astrithと出会う。自分の新たな任務はAstrithの護衛だとするBrandonを彼女は挑発する。

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折り畳みナイフや尖ったバッジですらも、彼女には届かない。
それは彼女が身にまとう「棄却サンプリング装置」(Rejection Sampler)の力によるもので、しかもひとつ間違えれば核融合爆発の危険を秘めた代物だった。
彼女はその装置を解除する手掛かりを求め、Brandonに父の研究所へ向かうよう要請する。

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そのような稀代の発明が見過ごされる訳もなく、BrandonとAstrithは瞬く間にエージェントたちに取り囲まれ、どうにかその窮地を脱するも、博士の遺体を収めた棺はどこかへと運び去られていた。
果たして棺にはどのような秘密が隠されていたのか?二人の奇妙な旅路が始まろうとしていた。

撃ちつ、撃たれつの二人三脚

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『Please Fail Safely and Deadly』では、BrandonとAstrithの二人組を操作し先へと進んでいく。銃を持つBrandonが前を行き、後ろからAstrithが付いてくる形となる。
操作方法はキーボードのWASDもしくはバーチャルパッドで移動、左右キー・マウス移動・タップのいずれかで銃の照準(発砲は自動)、Shiftキーもしくは二本指でのタップででスローモーション発動となっている。スロー発動には回数制限などは存在しないので、アクションに自信が無いという人は適宜発動させつつ落ち着いて操作を行おう。

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道中にはゲートが存在しており、ゲートについている青いスイッチの前に立つことでゲートを開錠できる。
ゲートは戦闘中の状態だと開錠できないので、周囲で警備している敵は排除する必要がある。

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Astrithの「棄却サンプリング装置」をもってすれば、敵から放たれた銃撃は全て逸らしてしまうことができる。彼女は不滅の存在なのだ。
ただし「AstrithはBrandonの後ろをついてくるように動く」という点がポイントになっており、Astrithが敵の方向を向いているということは銃を持っているBrandonが敵に対して背中を向けているということでもある。敵に撃たれた状況のまま反撃することはできない。
タイミングよく振り返って危険に身をさらしつつ反撃するか、そのままAstrithを盾に走り抜けるか、判断が問われることになる。背中合わせのBrandonとAstrithの前後を入れ替えて攻撃と防御を切り換える点は本作に独特のプレイ感覚をもたらしているといえるだろう。

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また、スナイパーが潜んでいたり、敵の大群が居ると予期される場所では、Brandonは身を電話ボックスへと隠しておき、Astrithが先行して敵をかく乱し同士討ちを狙うといったことも必要になる。この際、Brandonが電話ボックスから飛び出さないよう、電話ボックスの向きを考慮する必要がある。

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電話ボックス以外にも、銃撃が着弾すると爆発するドラム缶など、ステージに応じて様々なギミックが登場する。爆発物についても爆風の範囲内にAstrithがいる限りは絶対に起爆しないという、彼女の不死性を絡めた性質付けがなされている。こうしたギミックを活用しつつ先へと進んでいこう。

不滅の少女と常人エージェントのデコボコ珍道中

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「なぞなぞタイム!赤い殻を持つ、不老不死で、世界でもっとも美しい生き物は?」「正解は…ロブスター!」(注釈:実際には脱皮によって不老は保てるものの不死というわけにはいかないようである)

本作の難点としては、会話パートの分量が多く、日本語訳もないため、ストーリーを読み進めるのにはいくらか根気が必要な点が挙げられる。特にパズル&シューターの部分を中心に楽しみたい人にとってはストレス要素ともなるだろう。

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しかし「棄却サンプリング装置」のようなハードなSF設定や、ヒロインAstlithの小生意気さを感じさせるキャラクター性、ナイフ等の危険物を取り扱うシーンでは「ご家庭では真似しないでください」の注意喚起が入るといった軽妙さは、ハードルを乗り越えて読みたいと思わせるだけの魅力もまた持ち合わせている。
掛け替えなしの一大スペクタクルがここには眠っているのだ。

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日本語対応が望めれば言うことはないが、辞書や翻訳ツールを片手に本作に挑むだけのものはある。興味を抱いた方は是非とも挑戦してみてほしい。

[基本情報]
タイトル: Please Fail Safely and Deadly
制作者: seqvalence
クリア時間:  8時間~
対応OS: HTML5対応ブラウザ、Android
価格: 無料

↓プレイはこちらから
(itch.io)
https://seqvalence.itch.io/please-fail-safely-n-deadly

(Google Play)
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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。