ゲームマーケット2014秋の自主企画「ポストカードゲーム」が熱い!

アナログゲーム,カードゲーム

アナログゲームの祭典、「ゲームマーケット2014秋」までいよいよあと1週間となった。
今回はそのゲームマーケット2014秋で非公式に開催される注目の企画、ポストカードゲーム!について紹介したい。

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ポストカードゲーム!とは?

「ポストカードゲーム!」とは、ゲームマーケット2014秋にて参加サークルの一つ十式ゲームワークスが競作募集している非公式企画である。
その最大の特徴は、その名の通りポストカード、つまり「絵ハガキの形態で提供するゲーム」という縛りでゲームが作られるということだ。

ポストカード1枚だけでルールとゲームまで完結させるものから、複数枚を組み合わせ1枚のゲームボードとして使用するもの、1枚ごとに個人用ゲームボードとして使用して複数人でプレイできるものなど様式は問わず、一人用や複数人用、迷路やパズルまで、ポストカードとして頒布出来れは基本的に内容は問わないということだ。(別途ダイスやペンなどを用意する必要のあるゲームもあるので要確認)

企画の発端はゲームマーケット2014春にて十式ゲームワークスがサイコロをポストカードに置いていくゲーム『ロボダイス』を頒布したことに始まる。
『ロボダイス』は同サークルがゲームマーケットに来た方に手軽に買って帰れるお土産として制作したものだ。お土産の定番ポストカードであれば、価格が安く、かさばることもなく、ポストカードの機能も残しているので郵送が可能な為、人にもあげやすい。

このような意図から、今回のゲームマーケット2014秋では参加者を募り、多くのゲームサークルがポストカードゲームを制作する流れとなったようだ。
Twiplaに参加表明をしている参加者だけでもなんと35人。各サークルが続々と独自のゲームを完成させている。

非公式企画「500円ゲーム」

ところで「縛りを設けたゲームマーケットでの非公式企画」といえば、過去、ゲームマーケットでは「500円ゲームズ」という企画が行われていた。こちらは頒布価格500円という縛りでゲームを作るというものだった。

第2回 500円ゲームズ

制限を設けて各々の作家が趣向を凝らしたゲームを制作する企画の先駆けと言えるだろう。
この企画で制作された代表作には以下のような作品がある。

カナイ製作所 Love Letter(ラブレター)GM2012春
OKAZU Brand Sail to India(セイルトゥインディア)GM2013春
I was game ダンジョン・オブ・マンダム GM2013春

これらはゲームマーケットにて大好評を得て、後に製品化され一般流通している。
ダンジョン・オブ・マンダムはもぐらゲームスでもレビューをしているので、こちらも要チェックだ。

ようこそ「男の世界」へ。『ダンジョンオブ マンダム』試されるカードゲーム

ポストカードゲーム!注目タイトル

今回のポストカードゲーム!の注目タイトルをいくつか紹介しよう。

『ドワーフの城塞』(I was game)

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1口50円から支援ができ、目標金額5000円という超低ゴール、目標金額を達成した後のストレッチゴールは家族にお土産が買える、制作者が新幹線でゲームマーケットに向かえる、といった涙を誘うクラウドファンディングが注目を集めた、I was gameの1人用ゲーム『ドワーフの城塞』。ドワーフの家長となり、敵と闘いながら一族の発展を目指すゲームだ。こちらもポストカード一枚にきっちり収まっているが、ビジュアル、ゲームのクオリティともに妥協を許さない出来だ。
クラウドファンディングでの予約生産(締切済)に近い形だが、当日販売分も用意されるようなので、予約できなかった方も是非注目して欲しい。

『おさわり人狼』(うずまきスイッチ)

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超ミニマル人狼。ポストカードにみんなで指を置き、夜のターンに人狼が村人の指を“おさわり”し、昼にその人狼が誰かを当てるというシンプルなゲーム。皆でワイワイ盛り上がって出来ること請け合いであり、タイトルで否が応でも気になってしまう期待作だ。

『パラダイス』(サイ企画・タンサンファブリーク同盟)

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海と島の描かれたポストカードにパラっとダイスを振って、そのダイスの目や止まった場所で得点を獲得していくゲーム。それぞれの島の名前は様々なボードゲームPodcastの関連用語を散りばめており、ファンは思わずニヤッとしてしまうだろう。
因みに今作は、Podcast「転がる運命放送」第20回で、サークルサイ企画の居椿氏が放送枠の20分間で構想~完成させたポストカードゲームが元となっている。

過去に行われた500円ゲームズにも言えることだが、制約が多ければ製作者はその中で、ユーザーが楽しむことができ、かつ自分の色が出たものを作るというチャレンジを行うことになる。
縛りがあるということは制作者にとってはある意味、「ゲームを作るというゲーム」であるとも言えるのではないだろうか。楽しんで作られたものが面白ければ、ユーザーとしては言うことはない。
大ヒットを収めたカナイセイジ氏の『Love Letter』のような、ミニマルながら楽しめる作品が出てくるきっかけになることを願いたい。

今回紹介した以外にも、各サークルが趣向を凝らしたゲームを用意している。当日にはポストカードゲーム参加サークルの紹介ペーパーが配られるようなので、各サークルを周りながら、お土産代わりに是非お値段手頃なポストカードゲームを購入して頂きたい。

  • おこげ(@orokoge

    デジタルゲームで一番プレイしたのは『ワールド・ネバーランド』初期2作。現在はゆるふわボードゲーマーとして僻地高知でマンガをメインに雑多な趣味で広く浅く活動中。