探索型”ラン&ガン”アクション『ROCKETRON』 銃火器とブースターを駆使して敵を撃て!

西暦2049年。機械の身体と脳ディスクを持つ機械人類「サイバネ人」の星である「惑星メタナル28」において、「ゴゴー教団」による暴動が発生した。侵略メカに似せた身体を新造し、暴力による支配を推し進めようとする教団。銀河救援組織「アルゴ運送」の隊員でサイバネ銃士「B.L.A.M」は、飛行銃「ロケットマスケット」を駆使し、彼らに戦いを挑む。
目指すは教団の中枢部「ゴゴー神社」。
果たして、その先で彼を待ち受けるものとは。

『ROCKETRON(ロケットロン)』は、同人サークル「ASTRO PORT」制作のWindows PC用アクションシューティングゲーム。2017年8月11日、委託形式でパッケージ版が販売され、2020年2月6日より「Steam」で英語、中国語にも対応したダウンロード版の配信が開始された。Steam販売のPCダウンロード版のパブリッシングは「Henteko Doujin」が担当。

”ラン&ガン”スタイルの探索型アクション

内容に関しては探索型のアクションシューティングゲームとなる。主人公「B.L.A.M」を操作し、「ゴゴー教団」の尖兵たちを銃火器で撃退しながら、中枢部「ゴゴー神社」に繋がる道を求め、様々なエリアを探っていく。

探索型としては正統派だが、”走りながら撃つ”……いわゆる「ラン&ガン」スタイルの敵との戦闘と各種銃火器の仕様、タイトルにもなっているロケットこと「ロケットマスケット」を用いた移動アクションを最大の特徴としている。

前者は、当もぐらゲームス掲載の「ラン&ガン」のゲームをまとめて紹介した記事をご覧いただければ、どんなスタイルかが大体、想像できるだろう。

言葉(意味)通り、銃火器を撃ちまくって続々と襲い来る敵を倒していけばいい。弾数制限、弾の装填(リロード)と言った制約、機能も無いので、基本、撃ち放題。武器も「マシンガン」に「ショットガン」と言ったものから、爆風が広範囲に広がる「ロケットランチャー」、追尾式の「手裏剣」などの特殊タイプまで豊富に用意されており、探索を進めていけばいくほど、多彩な攻撃を敵に対して仕掛けられるようになる。迫り来る敵に対して問答無用の銃弾の嵐を叩き込む快感は、紛うことなき「ラン&ガン」。まさにトリガーハッピーな至福のひと時を味わえる仕上がりだ。

ただ、弾数制限がない代わりに「耐久力」の概念が。本作ではダメージを受けると、プレイヤーキャラだけでなく現在装備中の武器にもダメージが入る。この耐久力が空になると武器が故障。使えなくなるのだ。

なので、戦闘時は極力ダメージを受けないよう立ち回ること、そして、どの武器でも戦える態勢を整えておくのが攻略のカギになる。また、使用不可になった武器は永遠に故障したままではない。修理手段はきちんと用意されている。

だが、それというのがプレイヤーの体力も回復するアイテムを取り続ける、非常に地味なもの。しかも、プレイヤー側とは対照的に回復量が少なめ。再度使えるようにするには、何個も回収し続けなければならないのだ。
おまけに全回復してくれる補給地点も、作中には1ドットも登場しない。なので、酷いとほぼ全ての武器が壊れた状態のまま、ボスとの戦いに挑むことにもなりかねない。

まさに上手い話に裏あり。こんな厳しい仕掛けも凝らし、武器を大事に使うことの重要性を問う、独特な味付けになっている。武器ロストが怖い点では、ある意味「ラン&ガン」らしさを感じさせる工夫とも言える。

後者「ロケットマスケット」も、ブースターの推進力で大ジャンプしたり、横に高速移動するアクションだが、本作はゲーム開始時点から使えるのが独特な点。要は序盤から、推進力を駆使した壁の突破が試されるのだ。

さらにブースター使用中は、専用ゲージが尽きるまで自由に方向調整が可能。それすなわち、道中にはその方向転換を行って危険な道を通り抜ける場面が出てくることも意味する。また、ゲームの進みに応じて専用ゲージも伸びていき、次第に長距離の移動、高い壁の突破も可能になっていく。それと共に新たなエリアに繋がる道が発見されることもしばしば。

探索型アクションは、この手の移動範囲を広げるタイプの特技は最初はできず、後々になって可能になるのが傾向として多いが、本作はその点に少し捻りを加えており、制限はありつつも、縦横無尽な探索と移動が楽しめる作りになっている。そもそも、ブースター以外に行動範囲を広げる手段がほぼないのも独特。厳密には一部、特殊な武器で破壊可能になるブロックみたいなものもあるが、本作における進行不能な場所は、ほとんどがマスケットの強化で突破可能になる。

なので、プレイヤーアクションも限定的という一種の特徴も。

このように探索型としては正統派、基本アクションにも突出した真新しさはないのだが、それぞれに設定された独自の工夫により、知っているようで何かが違う、どこか新しいとも言える手応えを演出。素直に遊べつつも、相応の危険と隣り合わせの展開と緊張感が続く、ユニークなゲームデザインとバランス調整が光る作品にまとめられている。

爽快感抜群、スリルもほんのりの戦闘シーン

本作の魅力は「ラン&ガン」特有の爽快感にこだわったマップ構成、戦闘シーンの数々だ。基本は探索型ということで、様々な場所を巡ったり、突破口になるアイテムを回収するのが主体だが、次々と襲い来る敵を手にした銃火器で倒していく展開も頻繁に挟まれ、同スタイルを採用した作品であることを強く実感させられる仕上がりになっている。

特に「ラン&ガン」の醍醐味をきちんと押さえているのが見事。このスタイルと言えば、何と言っても大事なのがトリガーハッピーな爽快感。沢山の敵を銃火器で撃ち倒していくのをより気持ちよく感じてもらうためには、敵の耐久力は低めに設定して倒しやすくし、倒した時には相応の爆発エフェクトを描くのがキモとなる。もちろん、効果音もだ。相応に質感を感じられる音を鳴り響かせ、弾を撃ち込んでいる時にもそのことを実感させる音を鳴らすようにしてこそ、爽快感は生まれる。著名な「ラン&ガン」の作品は、ほぼ全てがこの点を重視しており、その気持ちよさが語り草になっていたりもするぐらいだ。

本作もそのような押さえるべき場所を見事に押さえていて、申し分のない気持ちよさを味わえる。中でも「ロケットランチャー」を放ち続ける時の快感は格別で、広範囲をカバーする性質、ロケット弾の爆発はプレイヤーに危害を及ぼさない設定も相まって、圧倒的な”オラオラ”感を味わえる。さすがに「マシンガン」などよりも連射性能では劣るが、地上から空中の全種の敵を的確に攻撃するフォローの厚さと音の気持ちよさは癖になること請け合い。比較的早い段階で手に入るのも”分かっている”感じで、プレイヤーにいち早くぶっ放して暴れ回って欲しいとの思いを感じられる。

また、各武器は探索中に手に入る「パワークリスタル」を与えることにより威力もアップする。高くすればするほど、敵に決定的なダメージを与えられるだけでなく、使い勝手も増していくので、気に入った武器ほど愛を注いでしまうこと請け合いだ。とは言え、武器以外に体力の最大値、移動速度などのステータス周りもクリスタルを与えて強化する仕組みになっているので、下手に愛を注ぎすぎると、プレイヤーの機動力が残念なことに。クリスタルも頻繁に手に入る訳ではないので尚更だ。このどこに振り分けるか考えなければならないのも楽しく、一筋縄ではいかない展開を演出する。

同様のことは「耐久度」もまた然り。「ラン&ガン」はミスで武器を失い、パワーダウンしてしまう恐怖も醍醐味だが、それを本作は故障の制約で表現し、独自のスリルを演出している。このスリルを体験してもらいたい意図でか、本作はセーブポイントの設置個所を限定化していて、中でもボスが待ち受ける部屋の前に置かないスタンスは、「ラン&ガン」へのこだわりに溢れている。
まさにいかにミスを減らし、強力な武器を大事な一戦に持ち込めるか否かが「ラン&ガン」の面白いところでもあり、怖いところでもある。本当は一回の被弾でミス&失われる方式にしたいけど、探索型のゲームデザインでは難易度を不必要に上げかねない。それとは別のアプローチで、このような故障の概念を取り入れているのは非常に上手く、いかに制作側がこのスタイルにこだわりを持っているかを感じさせられる次第だ。
実際に探索型にしたなりの緊張感が表現されていて、武器を壊さず持ち込んでボスを打倒した時には、他のラン&ガン作品に負けず劣らぬ達成感が得られる。この見事なバランスで融合させた仕上がりにはただ感服するばかりだ。

とは言え、全快ポイント無しはいささかやり過ぎだったように思う。そもそも、セーブする際に体力と武器の状態が保存される仕様なので、ボス部屋前に置かれたケースだとそのこだわりが裏目に出ている。回復アイテムを延々取り続けて回復させる方法にしても、回復アイテム自体、頻繁に出る訳ではなければ、回復量も少ないので、何周も同じ所を往ったり来たりするルーチンワークになって面倒臭い。敵の無限湧きポイントを配置する措置も一部見られるとは言え、このようなゲームの進行テンポを乱すやり方は抑えて欲しかったところだ。全快ポイントが無いなら、セーブ時に全快させるでも良かっただろう。

やや古臭い面もあるが、独自のこだわりが光る1本

また、探索型としてもいささか古臭い部分が目立つ。特に現在、プレイヤーの要るエリアしか確認不能なマップ画面は最たる一例だ。他のマップの進捗を確認するのに、現地まで足を運ばなければならないのは率直に言って面倒臭い。もちろん、マップにマーカーを付ける機能もない。一応、本編を進めるに当たってはそんなに右往左往する機会は少なく、テンポ良く進めているのだが、最終目的地の「ゴゴー神社」突入の過程では、このシステム上の問題を嫌というほど感じさせられた。

「パワークリスタル」などのアイテム収集時もまた然りだ。さすがに次の目的地を表示するガイド機能も欲しかったとまでは言わないが、せめて足を踏み入れたエリアの確認は常時、できるようにしていただきたかった。そのような仕様が当たり前になっている探索型の作品は多くあるだけに、これは幾ら何でも前時代的すぎる。

さらにひとつ、本作にはエンディングの分岐があるのだが、最終ボス戦間近のルートに入ってしまうと二度と戻れなくなるのもやり過ぎだ。しかも、その先に罠同然のセーブポイントまで置いているほどである。一応、直前に警告が出るものの、セーブポイントは正直、置かないで欲しかったところだ。探索型の金字塔と謳われるシリーズ作の最高傑作と評価されている作品でも、同様のことをやらかして、未だ批判されていたりもするので、オマージュしないで頂きたかった。

ただ、ボリュームに関しては1周3~6時間程度と探索型としては平均的。難易度も4段階あり、好みの難しさで遊べる万人向け仕様だ。操作性もフワッとした手触りだが、キー配置は適切で動かしやすい。ロケットマスケットで移動した際の縦横無尽ぶりも秀逸だ。

探索型アクションとしては細かい部分で古臭い部分はあるものの、「ラン&ガン」の醍醐味を押さえた戦闘シーンとレベルデザイン周りへのこだわり、そしてロケットマスケットによる縦横無尽なアクションにより、内容面では独自の魅力を持つ。探索型もラン&ガンもどちらも好き、派手な爆発を味わいたい思いが強い人には特におすすめの良作だ。全8種類に及ぶ武器で敵の大群をバッタバッタと倒し、敵の中枢を目指して突き進もう。けど、決戦直前は現在の進捗確認を入念に。

[基本情報]
タイトル:『ROCKETRON』
制作者: ASTRO PORT(※販売:Henteko Doujin)
クリア時間: 3~6時間
対応OS: Windows
価格: ¥ 598

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