「探索」が楽しいサンドボックスゲーム『ASTRONEER』 おもちゃ箱のようなかわいい宇宙を冒険しよう

Steam,アクション,アドベンチャー

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キュートな宇宙服のキャラクターがポップな荒野を行く『ASTORONEER』は、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて、2016年12月16日に配信がはじまったばかりの早期アクセスタイトルです。早期アクセスの初期とはいえ十分に遊べる内容となっており、今から注目しておきたい一品です。実際、わずか半月の販売期間で2016年のSteamセールスのトップ100に入るほどで、その注目ぶりがうかがえます。今回は『ASTRONEER』がどういうゲームなのかを紹介していきましょう。

『ASTRONEER』 は、宇宙の辺境を舞台としたサンドボックスタイプのゲームです。自由な遊び場を提供してくれる『Mincraft』のようなサンドボックスゲームで、かわいらしいビジュアルもあって、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのよう。とはいえ、舞台は宇宙。厳しい環境が待ち受けています。しかし、だからこそ「探索」の楽しさがあるというものです。

ゲームを開始するとまず目を奪われるのがタイトル画面。実はこれ、そのままキャラクターセレクト画面になっています。4タイプの宇宙服から好きなものを選ぶと、そのまま着陸船が発射されて惑星の地表へ。なんとステキな旅のはじまりでありましょう。

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探索に説明など不要

さて、未知の惑星に降り立ったら次は何をしよう? そう考えるプレイヤーに対し、このゲームは何の説明もしてくれません。地形を吸い込んだり吐き出したりする掃除機みたいなツールの操作方法や吸い込める素材アイテムの目星など、最低限の誘導はしてくれますが、具体的な説明はまったくありません。ちなみに本作は日本語化されています。やや怪しいところもありますが困ることはないでしょう。どっちみちテキストの説明はないのですから。

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こうして、説明のないまま未知の惑星に放り込まれたプレイヤーは、すべてを手探りで進めることになります。どこへ行けばいいのか? どれが素材なのか? 素材から何が作れるのか? 作ったもので何ができるのか? 実はこの「手探り感」が本作の楽しさの1つ。すでにここから「探索」がはじまっているのです。

厄介なのが、ゲームの操作にも手探り感があるところ。操作性が悪いわけではないのですが、ちょっと特殊な操作系になっているので気付けないと困惑してしまうかも。具体的にXbox 360のパッド基準で話しておくと、LTで選択用のカーソルが表示され、RTで決定となっています。たしかに特殊な操作系ではあるものの、実際に触ってみれば意外とすぐに慣れるはず。(Backボタンで操作説明一覧が表示できます、念のため) どうしてこんな操作になっているかといえば、ゲーム的なUI表示を極力抑えたデザインになっているからです。

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探索にUIも不要

『ASTRONEER』のゲーム画面には、体力ゲージやミニマップなど、ゲーム的なUI表示が一切ありません。かわりに、バックパックがそのままインベントリ(アイテム収納スロット)になっていて、8つのブロックにアイテムを挿し、2つのブロックにモジュールを挿して拡張していけます。バックパックに「カチッ」とアイテムを挿す感触は小気味よくて気持ちいい。

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それから上記画像のうち、画面右のバックパックにおける青い部分が酸素ゲージ、黄色い部分が電力ゲージになっていて、なんだか『DEAD SPACE』のよう。酸素がなくなればもちろん窒息死。着陸船の近くであれば自動的にケーブルが接続されて酸素も電力も供給されるのですが、離れてしまえばみるみる酸素が減ってすぐに死んでしまいます。では、どうすれば探索に向かえるのか?

酸素と電力は必要

遠出するならケーブルを伸ばせばいいじゃない。ケーブルの延長するために、テザーと呼ばれる杭を設置していきます。1本1本の有効距離は短いので、何本も使って少しずつ伸ばしていきます。テザーのあるかぎりどこまでも伸ばしていけるので、山の上だろうと洞窟の中だろうと踏破できるのです。未踏の地にテザーを打ち込みながら進む「探索感」と、テザーで築いた足跡を振り返る「達成感」。これこそが『ASTRONEER』の楽しいところです。どこまで探索したのかが視覚的にわかるって素晴らしい。

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こうしてできあがったテザーの"道"は、マップやレーダーのない本作において、そのまま道標の役割も兼ねています。バックパックの酸素タンクを増設すればテザーなしでも長距離移動できるのですが、目印のない荒野ですから、あっという間に宇宙の漂流者になりかねません。死んでしまっても死亡地点へ戻ればバックパックを回収できるとはいえ、あんまり遠いと大変です。素直にテザーを打ち込みましょう。

探索で集めた素材アイテムを持ち帰れば、拠点を拡張していけます。未知の物体を解析する研究ベースを作ったり、3Dプリンターを作って便利なアイテムを製造したりすれば、さらに探索が捗ることでしょう。施設を稼動させるには電力が必要なので、ソーラーパネルや風力タービンの設置もお忘れなく。

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目玉は造車装置で、ローバーやトラックだけでなく、シャトルや宇宙船まで作れてしまいます。すでに未知の惑星に飛んできているのにシャトルを作ってどうするのかって? 決まっています。別の惑星を目指すのです。

舞台は「宇宙」である

そう、『ASTRONEER』の舞台は1つの惑星には留まりません。空に見えていた月からもっと遠くの惑星まで、さまざまな星へ飛んでいくことができるのです。舞台は宇宙ですからね。シャトルを作ってからが本番、といってもいいかもしれません。燃料を補充し、必要な資材を積んだら次なる星へ。宇宙は広大だわ……。
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惑星が違えば環境も異なります。たとえば、月では重力が小さいためジャンプがふわふわしたり、大気がないので風力タービンが使えなかったりします。空を見上げれば、さっきまで自分のいた星が浮かんでいたりして、なんだか郷愁を感じてしまいますね。こんなにもキュートなビジュアルだけど、「地球の出」を目の当たりにしたときはグッときました。ちなみに、そのあと燃料が足りなくて帰れなくなったのですが、それはまた別の話。月は無慈悲である。

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いつだって未来は未知の領域

ともあれ、『ASTRONEER』 はサンドボックスとして「探索・収集・製造」のサイクルがしっかり出来ており、なかでも「探索」が楽しいゲームとなっております。しかし、早期アクセスの初期としては十分に遊べるボリュームがある一方、相応な部分もあります。まず不具合。地面に埋まって落下してしまうようなベタな現象から、マルチプレイにおけるクラッシュなど、不具合が散見されます。とはいえ、現在進行形で改修が進められており、短い間隔でアップデートが入っているところをみると、未来は明るそうです。

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それよりも気がかりなのは、各惑星ごとの個性が足りていないところでしょうか。現状では、どの惑星に行っても拾える素材アイテムは同じなので、環境以外の差異が希薄。厳しい環境に見合った特産品が望まれるところです。他にもバランスを崩壊させてしまう要素(ヒドラジン生成とトレード装置など)の存在も問題ですが、これは早期アクセスならではということで、今だけの"お祭り"として楽しんでしまいましょう。

そういえば、今後のアップデートに食料や農耕要素の追加が予定されていると聞いてワクワクしっぱなしであります。「Hot Stuff」を口ずさながらローバーを運転している場合ではありません。ジャガイモ畑を作って宇宙海賊に、オレはなるッ! あ、『オデッセイ』はマジいい映画なのでぜひ観ておきましょう。

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[基本情報]
タイトル ASTRONEER(日本語あり)
制作 System Era Softworks
クリア時間 宇宙だから無限
対応OS Win 7以降
価格 ¥ 1,980

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  • シバ山(@ShibayamaCoffee

    ゲームおじさん。ゲームばかりやっていてはいけないとブログを作ってみたら結局ゲームの話題ばかり書いているおじさんでもあります。おかげさまで今日もゲームが楽しいです。
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