悪の秘密基地でカゲキに大暴れ!横スクロールアクション『TOMOMI』

アクション,インディーゲーム

悪の組織「アニマリア」で新兵器が開発されているとの情報を受け、派遣型ヒーロー「トモミ」は組織の基地であるビルの内部へと潜入する。初タッグとなるサポーターの「リコ」と合流し、新兵器の所在を追おうとするが、その新兵器は今まさに起動せんと準備が進んでいるところであった。果たして2人は新兵器を止め、組織の陰謀を阻止することができるのか。

『TOMOMI』はNUL2 STUDIOの制作した横スクロール型アクションゲーム。2022年3月25日よりSTEAMにて配信が開始されている。

走れトモミ!秘密兵器を止めるのだ

本作ではエージェントのトモミをキーボード+マウスを使用して操作し、悪の秘密結社の新兵器を止めるために行く手を阻む敵を倒しつつ基地内を進んでいくことになる。トモミの攻撃方法は主に刀による攻撃で、3連続攻撃や空中での回転切りが可能。ゲームを進めていくと遠距離攻撃である手裏剣や2段ジャンプなどの新しいスキルを獲得でき、そのスキルを使ってより先のエリアへと進むことができる。本記事執筆時点ではゲームパッドにはほぼ非対応の状態だが、マウスクリック連打と刀での連続攻撃は意外にも相性が良く、キーボード+マウス操作でも大きな違和感は無くプレイすることができた。

サポーターであるリコのところではゲームセーブを行うことができる。敵の攻撃を受けるなどしてHPがゼロになった場合は最後にセーブした地点からやり直しとなるので、セーブはこまめに行なっておこう。

敵を倒すごとに経験値と資金を獲得でき、資金は自動販売機でのHP回復やショップでパワーアップアイテムを購入するのに使用できる。購入できるアイテムの中には効果が強力な物が多く、中にはHPがゼロになった際に一定確率で即復活できるという破格の効果を持つものもある。もしも手強い敵にぶつかったとしても、着実に経験値と資金を溜めてトモミの強化を行っていけば行き詰ることはそうないだろう。

スピード感全振り!ノンストップ・アクション

本作は横スクロールの探索型アクション、いわゆる「メトロイドヴァニア」の形態を取っているが、移動スキルの所持の有無によって探索できる範囲が明確に区切られており、エリアの攻略順序を自由に入れ替えたり方々に寄り道してマップを埋めていくような探索要素は控えめ。体感としては一本道のステージクリア型アクションゲームに近い構成といえる。

そのぶんアクションに力が入れられており、主人公であるトモミはかなりスピーディに動かすことができる。初期状態のダッシュとジャンプで敵の懐に飛び込んで連続攻撃を叩き込んでいくだけでもキビキビと反応し、戦闘員達はもちろんのこと、自身の背丈よりも大きいロボットもバッタバッタと斬り捨てていける。「悪役の基地に乗り込んで大暴れするスーパーヒーロー」の気分になるには十分な爽快さだ。

加えてスキルを獲得することで更に縦横無尽に駆け巡ることができるようになっていき、スピード感に拍車がかかる。なかでも小動物に変身できる能力は見た目には非力そうだが、移動速度が最高速に達すると敵を貫いて走り抜けられるという見た目とのギャップの激しさが印象的だ。

細かい点としては敵の攻撃で大ダメージを受けても必ずHPが1だけ残り、突発的に倒されることが無いようになっている。逆境の状態からでも鬼避けや敵を倒した時にHPを回復できるアイテム「無限おにぎり」との組み合わせなどで粘って逆転することも可能で、ハラハラ感を残しつつもマイルドで遊びやすい難易度に味付けされている。

このヒーロー、だいぶスケベ。

コミカルかつ色々ときわどい会話が多いのも本作の特色といえる。トモミからしてスケベで女の子が大好きという性格であるため人を選ぶ部分は残るが、「正義の味方の中でもかなり邪悪な方なんだ」という一言は本作のノリを象徴するセリフとして声に出して読みたい名言であろう。全貌についてはぜひともプレイして確かめてみてほしい。

エキセントリックな会話劇こそ散りばめられているが、物語の展開自体はオーソドックスでもあり、プレイ時間も3時間前後の長すぎない範疇に抑えられている。軽妙なアクションと合わせてあまり難しい事を考えずに楽しめる痛快娯楽活劇と呼ぶのがふさわしい。気楽に遊べる横スクロールアクションゲームを求めている方に勧めたい一本だ。

[基本情報]
タイトル: TOMOMI
制作者:NUL2 STUDIO
クリア時間:  3時間~
対応OS: Windows
価格: ¥800

↓ダウンロードはこちらから

  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。