見た目以上に熱い展開目白押しのフリゲSTG『VASTYNEX』。五つの武装を駆使して、変形を繰り返す”ヤツラ”を撃ち落とせ!

近年、個人によるゲーム制作は専用ツールの増大、ゲームエンジンの普及も相まってハードルが下がりつつある。シューティングゲームも2007年頃、個人制作のフリーソフトとして配布された『Shooting GameBuilder(シューティングゲームビルダー)』によってハードルが大きく下がり、誕生から10年以上が経過した現在も継続的なアップデートを実施して機能を拡張し続けているほか、凝った作品も制作されるなどして、支持を得ている。

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今回紹介するフリゲSTG『VASTYNEX(ヴァスティネックス)』もまた、件のシューティングゲームビルダー製の作品だ。制作は個人のWebサイト「喜撃屋本舗」において、多種多様なシューティングゲームを公開・無料配布しているzakichi氏。
2018年1月12日よりステージ3までが遊べる試遊版(Ver.05)を公開し、数度のアップデートを経て、2018年8月22日に終盤のステージを追加した完成版がリリースされた。ダウンロードは先述の個人サイトにて実施することができる。(※「フリーゲーム夢現」からでも「喜撃屋本舗」からダウンロードする形となる)

見た目はポップ。けど、”動くと凄い”シューティングゲーム

内容は横スクロールのステージクリア型シューティングゲーム。自機を操縦して迫り来る敵、ボスとの戦闘を繰り広げながら全6ステージの攻略に挑むというものだ。ジャンルとしては王道の作りである。

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システム周りも五種類の武装ごとに効果の異なるショットを使い分け、戦うという、どこかで見た覚えのある要素を採用。また、いわゆる「ボム」に該当する窮地の打開に役立つ攻撃手段は無し。その分、武装ごとの火力と性能が高めに設定されており、これらを活用して戦うことに重きを置いたゲームデザインになっている。

また、難易度選択機能もない。昨今のシューティングゲームにしては珍しく、一つの難易度で全体が構成されている。更にゲームオーバー後のリトライの度、クレジットを消費する、アーケード由来のシステムも搭載。無限に何度もリトライすることはできない。しかし、クレジットは標準で9とかなり多め。シューティング初心者、苦手な人の場合だと若干話は変わるが、それなりに実力のあるプレイヤーには丁度良く、手慣れていると逆に多すぎると感じる程度に設定されている。

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自機も基本、一発でも敵の弾が被弾すると撃ち落とされてしまうが、三発まで耐えられる「シールド」のアイテムが頻繁に手に入るため、意外に打たれ強い。中盤を越えると、あっても気休めでしかない難易度になるが、展開として違和感のないタイミングなので、理不尽さは希薄。総じて救済措置が無いなりに考慮されたバランスとなっている。

そんな具合に「ザ・正統派」な本作で異彩を放つのがグラフィックだ。ご覧の通りに背景からキャラクターまで、ドット感を強く出したポップなビジュアルになっている。

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悪く言うと、視認性が悪そう、動きが堅そう、見栄えが良くないみたいな先入観を持ってしまうビジュアルだ。ドット感を押し出している時点でそれは明らかで、オブラートに包まず言えば、面白くなさそう、地味などと思ってしまうかもしれない。

だが、これが全くそうではない。
非常によく動き、敵や弾の視認も問題なく行えるデザインになっている。
そして、この見た目からは想像も付かないほど、演出がドラマ性に富んでいて熱い!

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プレイヤーと共に敵と戦う仲間が強力な攻撃を受けて全滅してしまったり、敵の大群が四方八方から襲い掛かってくるなど、思わず感情移入してしまう展開が随所で繰り広げられるのだ。バックに流れる音楽もカッコイイ曲が揃っていて、演出の盛り上げに貢献。特にボス戦はまさに山場と言わんばかりの熱さだ。

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ステージによってはスタート時に映画のワンシーンみたいな簡易デモが差し込まれるなど、凝った作り込みが炸裂している。ステージごとの仕掛けも個性豊か且つ、敵のバリエーションも豊富で、プレイヤーを退屈させない。

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当然ながら、ボスを倒した時の爆発表現も申し分なしだ。

ドット感を全面に出したビジュアルを見て、一体、これのどこに「熱さ」があるのかと、疑問に感じてしまうのも無理はない。
だが、実際にプレイすれば、想像以上に熱いシューティングゲームになっていることが分かる。シューティングゲーム好きの心を揺さぶるものが沢山詰まっているのだ。

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なので、少しでも気になったり、「そんなまさか」と思った方はぜひ、騙されたと思ってステージ1をプレイしてみて頂きたい。これまで書いてきたことが決して嘘でないこと、本作がシューティング魂の込められた作品であることを思い知らされるだろう

シューティングゲーム好き爆笑必至のギリギリ過ぎるパロディ

更に本作の見所がギリギリ過ぎるパロディの数々だ。
特にボス戦において、その凄味を”強制的に”思い知ることになる。

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非常に多くのネタが仕込まれているに加え、意外性のある使われ方をしているので、紹介は一部に留めるが、例えば(↑)このボスだ。往年のシューティングゲーム好きなら、「ちょっと待てや!」と言いたくなったと思われる。
だが、これが何であるかの言及は避けよう。それ以上いけない。

更に本作で登場するボスの大半は、段階的に変形する仕掛けを宿している。ボスによっては三段階以上の変形を見せる個体も居て、プレイヤーの意表を突く攻撃を展開してくるのだが、その変形した姿にも驚愕のネタが仕込まれている

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その一例の紹介は一切合切伏せよう。本編でご覧になって頂きたい。
特にステージ3とステージ4のボスは要チェックだ。
ギリギリの極致というものを思い知ることだろう。
フリーゲームだからこそ許された”何か”も痛感させられるかもしれない。

また、パロディはボス戦の先の読めなさを引き立てる仕掛けとしても機能している。パターンが豊富だからこそ、次にどんな姿になって、どのような戦術で攻め込んでくるか分からないドキドキ感があり、それでいて攻撃パターンもボスごとに固有のものが設定されているほど凝っているので、見ているだけでも楽しい。

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先の繰り返しになるが、ボスごとに専用のものが設定された戦闘曲も熱い。体温が自然に上昇するほど、燃えに燃える展開を作り出す。あまりに熱いので、中盤のボスなのに最終ボスと戦っていると錯覚してしまうこともあるぐらいだ。実際に筆者は、ステージ5のボスを倒してエンディング到達と勘違いしてしまった。なんたるこっちゃ。

他にバランス調整もしっかり弾を見切り、時にオプションによる弾消しも活用すればノーミス撃破も狙えるなど、丁寧な仕事が炸裂していて、各戦闘の印象を一層強くしている。

そこまでネタにして大丈夫なのかと、心配になる所もあるが、戦闘自体は非常に面白く、本編で最も盛り上がる場面であるなりのこだわりに満ちた仕上がりだ。元ネタを知らずとも、圧倒的な熱さが込められた仕上がりになっているので、ぜひとも全てのボスと戦って、いい汗をかいてみて頂きたい。きっと市販のシューティングゲームに負けず劣らない”熱”を感じるだろう。

熱いシューティングゲームをお望みなら、今すぐ挑むべき逸品!

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とにかく熱いシューティングゲームであることを重点的に紹介してきたが、やはりこのビジュアルなりに視認性に癖があるのも事実。特に青空、カラフルに表現された基地内部のステージでは敵弾を見失いやすい。一応、配布後にも何度かバランス調整と背景の色合いを調整するアップデートが実施されており、リリース初期よりも確認しやすくなっているが、プレイヤーによっては分かりにくいと感じてしまうかもしれない。詳細は伏せるが、一部、激しい点滅表現(しかも色合い的に危険な類の)が含まれているのも問題ありだ。

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また、難易度選択機能がなく、やや高めの設定であるため、シューティング初心者、苦手なプレイヤーには結構厳しい。ただ、この辺は先のパロディから明らかな通り、意図的にプレイヤーを絞り込んでこうした可能性も考えられるので、一概に悪いとは言い切れない。むしろ、絞り込んだなりの潔さが出ているので、良い部分と言えるだろう。

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そんな人を選別する一面もあれど、完成度は非常に高く、火傷するほど熱い作品に完成されている。主にシューティングゲーム好きほど心に刺さり、且つ腹筋までも刺激してしまう笑いの種が詰め込まれた一本。今もなお、同ジャンルを愛してやまないプレイヤーなら、一度でも遊んでおくべき力作だ。ポップなビジュアルの裏に潜む天元突破なパロディとドラマティックな展開に刮目せよ!こいつは実に侮りがたし!

[基本情報]
タイトル: 『VASTYNEX(ヴァスティネックス)』
制作者:喜撃屋本舗(zakichi)
クリア時間: 30~50分
難易度:中~上級者向け
対応OS: PC(Windows)
備考:一部、激しい点滅表現あり
価格: 無料

ダウンロードはこちらから
http://zakichi.ojaru.jp/vastynex.html

※フリーゲーム夢現(紹介ページ)
https://freegame-mugen.jp/shooting/game_7382.html

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