サイン・ウェーブの波に乗れ!新感覚波乗りアクション『Wavey The Rocket』

アクション,インディーゲーム

「波乗り」と聞いて思い浮かべるものと言えばまずは海でのサーフィンだろう。生憎と筆者にはサーフィンの経験は無いが、うねる波の中を器用にバランスをとりながら進むサーファー達のテクニックは見ていて見事なものだ。

今回はちょっと変わった「波乗り」が楽しめる『Wavey The Rocket』を紹介してみたい。『Wavey The Rocket』はUpper Room Gamesが制作した横スクロール方式のアクションゲームで、2020年5月8日よりSTEAMにて配信が開始されている。

ソーダに炭酸を取り戻せ

「rad hab world」を牛耳る極悪企業の元締「EVIL2」。こいつがどのくらいワルかって言うと、世界中のソーダからシュワシュワを奪おうと企む(ついでに、月もブッ壊そうとしてる)とんでもない奴だ。奴らを野放しにしていたら、二度とハジける味わいを楽しめなくなっちまう。そこでこの俺、ソーダをこよなく愛するロケット「Wavey」が、奴らからハジけるソーダを取り戻すべく冒険を繰り広げるってワケだ。

本作『Wavey The Rocket』の最大の特徴はその操作方法。画面上に描かれている波線の上に沿って移動するWaveyを、波の幅と高さを伸び縮みさせることでコントロールするというものになっている。
読者の皆様の中には電子回路の電圧のチェックなどに使用する装置「オシロスコープ」に触れた事がある方は多くはないと思われるが、その装置がごとく波のサイズを調節してWaveyを操り、障害物をかわしつつゴールを目指すことになる。

君はこの波を乗りこなせるか!?

とにかく本作は操作の癖が強い。Waveyは波の模様に沿って下から上へ、上から下へと周期的に動くが、移動ルート上に障害物があるからと言って急停止や急上昇・急降下ができるわけではない。他にもWaveyが波の頂点にいる場合に波の高さを伸ばしてしまうと、Waveyの位置もそれにつられてせり上がるように移動してしまい、結果としてあらぬ箇所で衝突してしまうことになる。

また、回数制限のあるダッシュも存在しているが、このダッシュは波の軌道と無関係に横方向に移動するため、ダッシュ終了後の軌道補正で混乱を招きやすい。初めのうちはゲーム慣れしている人でも苦戦する事は必至だろう。

しかしながらステージ内をよく見ると得点アイテムが波の軌道に沿うように配置されており、この得点アイテムの列に波のコースを合わせていくと綺麗に先に進める上にアイテムもモリモリ取れてハイスコアにも繋がる。操作が難しいぶん、ピタリと波のコースがハマった時の気持ちよさもまた格別だ。慎重になるよりは勢いよく行く方が事態が好転することも多々あるので、波に乗れる時は一気に乗って進んでいこう。

目指すはグランドマスターへの道

本作ではステージを順番にクリアしていくか、1ステージに3つ配置されている宝石を集めることで先のエリアに繋がるドアが開放されていく。先に進むほどタイトな操作を要求されるステージが増えていくが、宝石を集めていけばある程度スキップすることも可能なので、どうしてもクリアできないステージがある場合は一度戻って宝石集めに挑戦するのもひとつの手だ。

通常のステージの他にもミニゲームやボスステージが用意されており、EVIL2所有の列車との競争や迫りくる水流からの逃走など様々なシチュエーションがWaveyを待ち受ける。総ステージ数は80以上で、ステージ内の得点アイテムを規定数獲得することで高難易度ステージのグランドマスターチャレンジに挑むことができるなどボリューム満点だ。

また、Thomas O’Boyle氏の手掛ける、ゲームのファンキーさに負けないファンク・サウンドも本作の特色のひとつ。プレイに疲れたら休憩がてらBGMに耳を傾けてみるのも良いだろう。

類を見ないチャレンジングな操作感を持つ本作。激ムズアクションに飢えているという腕に自信がある人はぜひとも挑戦してみてほしい。
[基本情報]
タイトル: Wavey The Rocket
制作者: Upper Room Games
クリア時間:  14時間~
対応OS: Windows
価格: ¥2050

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  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。