ダークファンタジーRPG『WIZMAZE(ウィズメイズ)』。迷宮に立ちふさがる“虚無”と“光<ニルン>”の試練に挑め!

先日フリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」にて、第11回ふりーむ!ゲームコンテストの結果が発表されました。去年は大作RPGの出現やホラーゲームのさらなる進化により、コンテストも一段と盛り上がったのではないでしょうか。各ジャンルごとに受賞作が取り上げられているので、これを機会に普段触らないジャンルを遊んでみるのも良いかもしれません。

フリーゲームダウンロードサイト「ふりーむ!」第11回ゲームコンテストの結果が発表!

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さて今回紹介するのは、コンテストにて最優秀賞を獲得したRPG『WIZMAZE(ウィズメイズ)』です。最優秀賞でありながらもひときわ異色を放つ、その恐ろしげなタイトルイラストに驚いた方もいるのではないでしょうか。本作はフリーゲームではかなり珍しい、本格的なダークファンタジーRPGです。制作者はJakalope氏で、去年の9月に配信されて以降少しずつ改良を重ねられてきました。

「ダークファンタジー」とだけ聞くと、高難易度で上級者向けのゲームのように思えるかもしれません。しかし本作は「難易度選択」や「戦闘・謎解きのスキップ」など、初心者向けの配慮が随所に見られるので、誰でも気軽に遊ぶことが出来ます。一方、正当法で挑めば敵やギミックの攻略方法は一筋縄ではいかず、RPGファンでも唸るような手応えもあります。緻密に描かれた世界観も含め、この記事ではウィズメイズの魅力をたっぷりとお伝えします。

若きウィザード達は、迷宮の深淵へ足を踏み入れる

本作の舞台となるのは“ウィズメイズ”と呼ばれる迷宮です。虚無に堕ちたとされる魔道士「カリス・アルハザード」が作り上げた空間であり、中には沢山のモンスターやトラップが待ち受けています。「宵闇の学院」の見習い魔道士である主人公は、正式な魔道士となるために迷宮の試練を通過したくてはなりません。試練には既に二人の見習い魔道士が先行して挑んでおり、彼らと協力するか否かはプレイヤーが選ぶことが出来ます。

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アルガン人の「アルマヴィタ」。英雄と呼ばれる姉を持ち、複雑な立場に置かれている。

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呪術師ラビの「ナジーシャ」。長らく差別を受けてきた腐樹海出身者であり、主人公にライバル意識を持つ。

本作はマルチシナリオを採用しており、選択次第では彼らと対立する事もあります。同じ舞台でありながら、結末が異なる3つの物語が用意されており、『WIZMAZE』の世界を様々な視点から見ることが出来ます。

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ルート次第では血塗られた道を進むことになる。しかしこのルートでしか明かされない真実もある。

物語の背景にある壮大な世界観を紐解く

『WIZMAZE』は中編でありながらも、非常に重厚な世界観をもっています。大陸を制覇した「クレルモフェラン帝国」と奴隷階級で起こった戦乱、宵闇の学院の頂点に立つ「塔の魔道士」、「領域存在」と呼ばれる三柱の神々・・・。主人公が遭遇するひとつの物語の背景に、膨大な歴史が存在しています。

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光の神“アドラール”、虚眼の王“オグドル・ヤハド”、金鱗竜“ダァト”。神と人の間で、支配と差別の歴史が繰り返される。

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迷宮が映し出す幻影のダンジョン「腐樹海」。帝国の繁栄の影で生まれた悲劇を物語る場所だ。

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「天空の古寺院」はアルガン族が栄華を極めた時代の象徴。だが今では死者がはびこる。

これらの歴史はゲーム内では登場人物達によって断片的に語られる他、歴史をまとめた書籍を本棚で見ることが出来ます。またゲームクリア後にはアーカイブが開き、読んだ書籍をまとめて再確認することが可能です。どれも綿密に構成された内容なので、ハイファンタジー好きには堪らない読み物となるでしょう。

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書籍の一編。ただのバックストーリーではなく、登場人物達の事情に大きく関わってくる。

とは言え初回プレイ時はあまりにも多くの単語が並び、すべての把握は難しいと思います。しかし本筋の物語は世界観を熟知していなくても楽しめますし、ゲーム攻略のために絶対読まなければいけないものでもありません。最初はあまり多くを気にせずプレイし、気になることがあったタイミングで読み進めることをオススメします。

硬派なゲームバランスと、誰でも楽しめる「カジュアルモード」

試練の迷宮“ウィズメイズ”。そこには謎解きやトラップだけでなく、沢山の宝も配置されています。強力な武器を求め強敵に挑んだり、隠し通路を探すことも、本作の楽しみのひとつです。

迷宮攻略には戦闘は不可欠。本作の戦闘はターン制バトルで、主に魔法を使ってモンスター達と戦っていくことになります。魔法を使うには「触媒」と呼ばれる武器や防具が必要なため、装備の重要度は高めです。強力な攻撃を仕掛けてくる敵には、状態異常魔法を使って無力化したり、ダメージを減らす魔法を使うなど、戦術性の高い戦いが楽しめます。

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闇雲に戦うだけでは強敵に圧倒されてしまう。習得した魔法を使って上手く立ちまわることが攻略の鍵。
 
ダンジョンの謎解きはバリエーション豊富。時に難しい問題に当たるかもしれませんが、謎解きの一部はスキップして進むことが出来ます。どうしても分からなければスルーして進むのも一つの手です。ただしちゃんと攻略すればボーナスとして「魂石」が貰えるので、自信があれば積極的に挑みましょう。

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謎解きはプレイヤーの知恵が試される。失敗すれば命にかかわることすらある。

ダンジョンには「本質の石版」と「魂の石版」が用意されています。「本質の石版」に触れるとHPとMPを全回復できるので、探索の拠点として役に立ちます。「魂の石版」に触れると、主人公が「魂石」を消費して新しい魔法を習得できるようになります。「魂石」は戦闘や謎解きで手に入れることが出来、使用数に応じて強力な魔法も習得することが可能です。

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どの順番で覚えるかは自由。魔法の中には、神ですら大ダメージを与えるものも。

これだけ手応えのあるダンジョン攻略ですが、一方で難易度の低い「カジュアルモード」が用意されています。こちらは最初から魂石が500個用意されている上、全ての戦闘をスキップすることが出来ます。「ダークファンタジーは興味があるがRPGは苦手」、または「ストーリーだけ楽しみたい」という人でも気軽に楽しむことが出来ます。

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ゲーム開始時に選べるカジュアルモードならば、誰でもクリアまで楽しむことが出来る。

他にも周回プレイをする時は、「魂石」や強力な装備を引き継げるので、別のルートを見たい時も気軽に遊ぶことが出来ます。

迷宮の果てに待ち受けるものとは

フリーゲームは、創作者の作家性が大きく反映されることがあります。ゲーム制作人口が増えれば、それだけ個性的な世界観を持つ作品が生まれる可能性も増えます。『WIZMAZE』が「ふりーむ!」で高い評価を受けたのは、創作者が作品の魅力を丁寧に磨き上げ、架空の世界に命を吹き込んだからだと思います。

RPGファン、ファンタジーファンはもちろん、世界観が少しだけ気になる人にも本作は十分にオススメできます。あなたも“ウィズメイズ”に挑み、迷宮の果てにある物語の結末を確かめてみませんか。

[基本情報]
タイトル 『WIZMAZE(ウィズメイズ)』
制作者 Jakalope(制作者様サイトはこちら)
クリア時間 1周 2.5~5時間
対応OS Windows VISTA/7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10160

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    ノンジャンル人生(@nongenre_zinsei

    普段からRPGの考察と『メイジの転生録』の話ばかりしている人です。去年もぐらゲームスにて連載「フリーゲームをはじめよう。」を書かせて頂きました。今年も積みゲーとの格闘をしています。自身もRPGを制作しており、現在WEBサイト等を準備予定です。