デジゲー博2018で見つけたおすすめ同人・インディゲーム10選+『アクションゲームツクールMV』トークセッションレポート

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2018年11月4日、同人・インディーゲームの頒布イベント「デジゲー博」が東京・秋葉原UDXにて開催された。
6回目の開催となる今年も秋葉原UDX2階「AKIBA SQUARE」および4階「UDXギャラリーNEXT」に会場をまたがり、のべ270にも及ぶ出展者が展示を行っていた。
本記事では取材陣が気になった同人・インディゲームを10作品紹介する。読者の皆さんも気になった作品があればぜひチェックしてみてほしい。

昨年の記事はこちら

サークルtoropippi 『フリュードランダー』

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なにやら無数の粒がウネウネとうごめく、一見して疑問を抱かせるインパクトの強い画面。
こちらはサークルtoropippi制作による『フリュードランダー』の様子である。ブースでは試遊のほか、α版ディスクが無償で頒布されていた。イベント後には頒布されていたα版と同内容の体験版のweb公開も行われている。

無数の粒が動く様子は、GPGPU(グラフィックボードのプロセッサを使った高速演算)と流体力学(液体や気体などの動きを研究する学問)に基づく技術の粋を凝らしたものになっている。
プレイヤーはロケットを操ってこの無数の粒で表現された気流の中を進み、鉱石を集めてゴールに向かうことが目的となる。プレイヤーが操作するロケットの噴射も気流の中に混ざりこむようになっており、その様子を観察しているだけでも楽しめる。
ロケットが壁に衝突しないよう噴射を微調整する、ロケットの噴射を使って破壊可能な壁を崩すといった手強い操作を要求される箇所もあるなど、技術的なアプローチのみならず歯ごたえも抜群のアクションゲームとなっていた。

完成版は2018年末のコミックマーケット95にて領布予定となっている。
(真野 崇)

公式サイト: https://toropippi.web.fc2.com/

RelicSquare 『RYSTEL』

RelicSquare『RYSTEL』は宙より飛来する「星晶」と呼ばれる結晶を巡る探索型アクションアドベンチャーゲーム。試遊展示では探索しながら「星晶」を集めていくモードとひたすら敵と戦うモードの2種類のモードが用意されていた。

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主人公は「星晶」の力を利用して敵と戦うことになる。
剣とシールドが使える接近戦型の赤、銃と手榴弾による遠距離戦特化の青、滞空するブレードと突進攻撃で空間を制圧する緑、2つのワープポータルを作り出す黄色、合わせて4属性8種類ものアクションを取ることができるのが特徴となっている。
とりわけ本来はゲーム後半で習得できるようにする予定だという黄色はワープのみならず、ポータルそのものを飛ばして攻撃に使用したり、ポータルの上に乗って足場にすることができるなど、様々な活用の可能性を感じるアクションとなっていた。

現在の完成度は「一通りのアクションが揃った状態」とのこと。これからどのような冒険を見せてくれるのか、続報に期待したい。
(真野 崇)

公式サイト: https://relicsquare.net/

ゲムつく 『DEEP MIND』

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武蔵野美術大学非公認サークル・ゲムつくのブースで展示の行われていた一作『DEEP MIND』は”心に0.1ミリくらいの傷を残す”ストーリー性重視のスマートフォン用アクションゲーム。正味5~10分程度で完結する短編作品となっている。

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深海へと潜ろうとする少年を、スマートフォン本体を傾けるジャイロ操作で左右に、タップで上下に操作し、深海魚を避けつつ進んでいく。深海魚にぶつかると体力が減り、減った体力は真珠を取ることで回復できる。
途中に落ちている日記を拾うことで、イジメを受けていると思しき少女のモノローグが流れ、その後に彼女に対しての決断を迫られることになる。

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少女の心を取り戻す為に、少年には何ができるのか。ほんの0.1ミリ、しかしそれでも確かな傷がプレイ後には残された。リリースは近日予定となっている。
(真野 崇)

公式サイト: https://twitter.com/thejoh1

カラメルカラム 『NETOFF』

株式会社カラメルカラム『NETOFF』は、ネットゲームの世界とオフ会を行き来してネットゲームの攻略を進めていくというスマートフォン向けタイトル。

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ネットゲームパートはクリッカーゲーム方式となっており、出現する敵キャラクターをひたすらタップすることで攻撃を加え敵を倒していく。また、ギルドメンバーがパーティを組んで同伴しており、彼らは自動で敵を攻撃してくれるほか、必殺技を発動させたり、彼らとチャットでコミュニケーションを楽しむことができる。

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オフ会パートではギルドメンバーの素顔が明らかになる。その実態はといえば、極度の人見知りや自分の趣味を一方的に喋り続けるオタク、ゲーム内と実際の性別が異なる「ネカマ」、娘が心配で自身もネットゲームに飛び込んだお父さんなど、人間関係がこじれないほうが無理だと言わんばかりの面々であり、そして実際にこじれていくことになる。
しかしネットゲーム攻略のためにはギルドメンバーの関係をうまく取り持ち、戦力を揃えなければならないのである。

ネットゲームのボスよりも強大で難儀な戦いを予感させてくれる本作は2019年春に配信が予定されている。
(真野 崇)

公式サイト: http://caracolu.com/

BLUE&WHITE 『BLUE SABERS Early Mission』

今回のデジゲー博では、出展サークル合同の独自企画「インディーシューティングゲームキャラバン」が開催されるなど、2Dシューティングゲームの展示が数多く目立ち、根強い人気を持つジャンルであることが伺えた。

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その中でも筆者の目を惹いたのが、2000年代の同人ゲームを知る身としては「懐かしい!」と言わずにはいられない、BLUE&WHITE『BLUE SABERS Early Mission』だ。
2002年末リリースの『BLUE SABERS』初代から数えて16年越し、開発者自身もゲーム開発は10年ぶりだというカムバックには感慨もひとしお。

基本は弾数制限のある3種の特殊武器を駆使しながら進む縦スクロール方式の2DSTG。
しかし誰が言ったか、合体は男のロマン。本作ではリアルタイムに支援機を呼び出しドッキングすることで特殊武器の弾数を補充することができる。
合体中は支援機からの攻撃が繰り出されるほか、支援機に敵弾に対する盾となってもらうことも可能。弾避けに自信がなくとも特殊武器と支援機を戦略的に使いこなすことで戦局を突破できるようになっている。

リリースは2018年末の予定。デジゲー博開催日より公式サイトにて体験版がダウンロード可能となっているので、かつて腕を慣らしたベテランも、そうではない人も触れてみてほしい。
(真野 崇)

公式サイト: http://www.blue-and-white.net/

GAME-LABO//うすく 『THE TRIP FOR OTHERS』

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個人開発者のうすく氏制作による、ポイント&クリック型のアドベンチャーゲーム。「はこびや」を生業とする主人公のキルヒムくんが、とある取り引きを成立させるべく、旅先で奔走するというストーリー。パソコンとスマートフォンでのリリースが予定されていて、会場ではスマートフォン(Android)版をプレイすることができた。

主人公の職業が「はこびや」。名前が「キルヒム」。そして、電話越しに指令を発するクライアント。いかにも裏社会の匂いが漂う設定だが、擬人化された動物達が生活する世界観というのもあって、雰囲気はとても可愛らしい。グラフィックもドット絵で描写されたレトロスタイルで、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる。

ゲームは気になる所をクリック(スマートフォン版はタッチ)しながらストーリーを進めていく、オーソドックスな作り。主にイベントに応じて課せられる目的を達成するべく、行動していく形となる。目的はメニュー画面の「ハートマーク」をクリック(タッチ)すれば、常時確認可能。ただ、詳細な道筋は記されず、そこはプレイヤー自ら見つけていかなければならない。基本は旅先である港町の住民に話しかけたり、会話に聞き耳を立てて、手がかりを集める。面白いのが後者で、主にレストラン内で実施するのだが、時間制限付き。注文した料理が運ばれてくるまでの間に他の席にいるお客をクリック(タッチ)し、どんな会話をしているのかを確かめていくのだ。実際に現実のレストラン、喫茶店などで他の席に座っているお客の会話に聞き耳を立てた経験のあるプレイヤーなら、苦笑い必至。もちろん、料理が来るとキルヒムくんは食事タイムへ移行し、食べる様子も描かれる。その動きも紳士的でながら、どこか可愛らしいものになっていてニヤリとさせてくれる。他にクリック(タッチ)できる箇所を可視化する機能も備わっているほか、進行に行き詰まった際にヒントをくれるキャラクターもフィールド上に配置しているなど、遊び心地に気を遣っている所も見受けられた。ストーリーも件の”取り引き”からその先の展開を見ることができたが、なかなか微笑ましい展開が描かれていきそうで、続きを見てみたくなった。

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▲ステッカーを始めとするグッズも販売・配布されていた。

完成にはまだ時間を要するようだが、公式サイトではパソコン、スマートフォン(Android)版双方の体験版が配信中。可愛らしい世界観と遊び心地に気を遣った作りを確かめられるので、気になる方はダウンロードしてチェックしてみて欲しい。
(シェループ)

公式サイト: http://game-labo.x0.com/index.html

bluffman Games 『ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX』

ゲームボーイライクなグラフィック、2Dオープンワールドなフリーシナリオと自由な選択肢を特色とする、個人開発者のbluffman氏制作によるロールプレイングゲーム『ARTIFACT ADVENTURE 外伝』のリメイク兼パワーアップ版。シリーズとしては三作目に当たり、2019年にNintendo Switch、PC(Steam)でのリリースが予定されている。会場ではNintendo Switch版をプレイすることができた。

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内容はリメイクということで、オリジナルの『ARTIFACT ADVENTURE外伝』と変わらず、自由度の高いゲーム展開、体当たりと四つのボタンごとにセットされた「スキル」を用いて戦う、アクションゲーム風の戦闘システムを魅力とする。最大の違いはグラフィックで、モノクロからカラー調に刷新。ゲームボーイから、ゲームボーイカラーへとステップアップしたかのようなビジュアルになっている。筆者的に面白く感じたのが、色使いが「カラー対応」を意識していたこと。ゲームボーイカラーのゲームには、旧ゲームボーイでも遊べる「対応」と遊べない「専用」の二つがあり、後者はより繊細で鮮やかな色合いを表現できるという特色があった。本作はオリジナル版が旧ゲームボーイのゲームを意識してたのを考慮してなのか、前者の色合いに落ち着かせている。最低限の色付けに留めているのだ。そこに分かる人には分かるこだわり、カラー化させるなりの工夫というものが垣間見えた。本作同様、ゲームボーイカラーの対応ソフトには、「DX」と名付けられた”夢が見れる場所”なる作品があるが、仮に同作を意識したのなら、この色使いにも納得だ。

話が脱線したが、他に最大二人までの協力プレイに対応。会場で用いたのはNintendo Switch PROコントローラだったが、Joy-con単体での「おすそわけプレイ」にも対応するようで、外出先でも誘った仲間と気軽に協力プレイを楽しむことができるようだ。
古くからのRPG好きの琴線を刺激する要素が揃っているのみならず、ゲームボーイライクからゲームボーイカラーライクに改めたなりのマニアックなこだわりも見え隠れする作品。オリジナル版経験者も、そうでない方も要注目の一作だ。

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なお、会場にはパッケージジャケットも展示されていたが、こちらはbluffman氏が個人的に作ったものとのことで、実際にパッケージ版が出る訳ではない模様。あしからず。しかし、今回も販売をPLAYISMが務めるとなれば、2019年にパッケージでのリリースも決まったコンシューマ版『LA-MULANA2』のような展開に期待してしまうところだ。
(シェループ)

公式サイト: http://bluffman.com/

nokturnal studioz 『Monaka’s Sugar High Nightmare』

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『SOULLOGUE(ソウルローグ)』、『BATTLLOON – バトルーン』などの話題のインディーゲーム制作にも参加している、個人開発者のはちのす氏率いる「nokturnal studioz」制作によるゾンビ感染アクションゲーム。一画面固定のステージを舞台に、主人公であるゾンビの女の子を操作し、行く手を阻む敵を噛みついては噛み噛みしていくという内容。デモでは初プレイの人対象のチュートリアル有りのモード、二回目のプレイとなる人を対象にしたモードの二種類が用意されていて、筆者は前者を選択。更にゾンビの女の子も通常タイプ、ジャンプができるタイプ、ダッシュができるタイプの三人がいたが、筆者は通常タイプの「ノーマル」でプレイした。

とにかく敵のゾンビ、幽霊、カボチャに容赦なく噛みついていけばいい単純明快なルール。しかし、正面から噛みつくとダメージを受けてしまうので、常に背後を狙っていくことになる。更に先述の通り、本作では一部タイプを除き、ジャンプができない。なので、敵が正面を向いて迫ってきた際は下の段に逃げるか、上下左右にループする通路に入ってやり過ごすことになる。また、噛みついた敵はオート行動する味方キャラクターとなり、他の敵を攻撃してくれる。それに併せ、プレイヤーも噛みつきを実施していけば「コンボ」が成立。より多くの「お菓子」を手に入れられる。獲得したお菓子はステージ終了後に訪れるショップでお金として使用。プレイヤーのステータスを強化する「シロップ」を購入することができる。シロップは体力の最大値を上げるものから、移動速度を早くするものまでと様々。各種強化に応じて、より大胆な立ち回りもできるようになる。

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シンプルで取っ付きやすいルール、ポップなグラフィック、そして次々と敵に噛みついてはコンボを繋げていく爽快感など、デモバージョンながら非常に高い完成度でまとまっていた作品。キャラクターデザインも可愛らしく、ハロウィンの楽しげな雰囲気に満ち溢れていたのが印象的だ。プラットフォームはパソコンで、リリース時期は未定のようだが、この時点でも確かな手応えを感じられる出来。特に二人協力、対戦プレイもあれば、より魅力的なゲームに化ける予感がするので、今後の進捗に期待を寄せたいところだ。

ちなみに遊べたのはPC版だが、ユーザーインターフェースに表示されていたボタンのアイコンは、Nintendo SwitchのJoy-conのキー配置をイメージしたデザインになっていた。これはひょっとして、ひょっとするのだろうか…?
(シェループ)

公式サイト: https://slimeman.itch.io/sugar

STUDIO PLEASE 『WEAPONS』

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インディーゲームサークル「STUDIO PLEASE」制作による、危険物持ち込み推奨対戦型3Dアクションゲーム。ナイフ、ピストル、地雷、更にはライトセイバー(原文ママ)などの様々なアイテムを組み合わせて「デッキ」を作成し、3Dマップで一対一のリアルタイムバトルに身を投じるという内容。デモでプレイできたのは対人戦とデッキ作成の二つのみ。対人戦をプレイする際は、開発者自ら相手役を務めてくれた。

選べるアイテムは三十数種類以上も用意されているが、デッキに組み込めるのは最大で五つまで。更に「キャパシティ」なる制限値があり、その範囲内に収まるようアイテムを選出しなければならない。また、デッキに組み込んだアイテムはプレイヤーに装備される訳ではない。デッキのアイテムはマップ上に出現するものであり、選出したアイテムを使う際は自らそれを拾わなければならない。更にこのアイテム、相手も取得可能。プレイヤーだけが取得できる制限は一切課せられないのだ。なので、ビームサーベルで攻めようとする戦略も、相手に件のアイテムを取られてしまえば完全に瓦解。回復アイテムで延命を図る戦略も、関連するアイテムを取られてしまえば同様。逆にこちらが相手がデッキに組み込んだアイテムを奪い、急遽、編み出した戦略で攻め込むこともできる。そんな「戦略の奪い合い」な展開が繰り広げられるのが最大の特徴となっている。また、アイテムも戦闘中に持てる数は最大で三つ。加えて一部アイテムには弾数、回数制限もある。なので、使えなくなったアイテムを時と場合に応じて”捨てる”ことも重要になってくる。その手順もゴミ箱のアイコンをタッチした後、要らないアイテムを選ぶという、露骨なまでにプレイヤーに隙を作らせる仕組み。整理整頓するにも命がけ。

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現在、試作途中なのもあり、バランス面で甘い箇所も見受けられ、特に「ダッシュシューズ」獲得で使えるようになる高速移動は、あるかないかで勝敗に大きな差が出てしまうため、デフォルトのアクションとして実装するのが良いように思ってしまった。しかし、戦闘には独特の面白さがあり、細かな粗を潰せば笑いが絶えない対戦型アクションゲームになり得る可能性を感じさせられる。将来的に実装を検討しているというシングルプレイも独自の制約、ルールを設けることで、繰り返しプレイに耐え得る内容へと昇華できそうだ。プラットフォームはスマートフォンを予定していて、リリース時期は現時点で未定。アイテムの数からして、ゲームバランスの調整で相当な時間を要することになりそうだが、どのような形に仕上がるのかが期待させられる一作だ。

ちなみにゲーム中に登場するアイテムはユーザーから募集中とのこと。出して欲しい武器、装備品などがあれば、公式サイトの問い合わせから要望を出してみよう。
(シェループ)

公式サイト: https://studioplease.wixsite.com/page1

PA Games 『Taco(仮)』

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インディーゲームサークル「PA Games」制作による、自作スーパーファミコンソフト。

なんとスーパーファミコン実機と自作のROMカセット、更にはゲームのデータを書き込んだ特別仕様の『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』の二つが展示されており、双方、実際にプレイすることができた。しかも、スーパーファミコン実機側はブラウン管のテレビで遊ぶスタイル。わざわざこのために会場に持ち込んだようだ。
しかし、筆者が展示ブースに来た頃、件のテレビはオーバーヒート気味になってしまっており、残念ながら小休止させる都合で遊ぶことはできず。代わりに、問題なく稼働していたミニスーパーファミコン側でプレイするに至った。

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▲会場付近で謎のFMラジオが放送されていた影響で、画面の映りもそれっぽい感じに。

内容は至って単純。タコの少女を操作してドロボー猫から魚を奪い返し、UFOまで持ち運ぶステージクリア型のアクションゲームだ。最終的に全てのドロボー猫から魚を奪い返して、UFOまで運び終えればクリアとなる。プレイヤーができるアクションもジャンプ、体当たり、下の足場へのすり抜けと少なめで、プレイして間もなく動かし方を理解できる。ただ、体当たりの仕様が独特で、ジャンプ中にも繰り出すことができ、プレイヤーの向いている方向の斜め上へと、放物線を描くように動く。これを応用して高い足場へと登る、離れた足場に渡る場面もあり、テクニカルな操作が求められてくることも。

ドロボー猫から魚を奪い返すのも、基本は体当たりで気絶させればいいだけだが、しばらくすると魚を奪われた猫は怒った状態になって復活。接触すると、それまで奪い取った魚全てがステージ上にばら撒かれてしまう。もし、それが猫に取られたら、また体当たりして奪い返すからやり直し。ドロボー猫も倒すことは絶対にできないので、ちゃんと動きを見切って避けていかなければならない。やることは簡単だが、成し遂げるにはプレイヤー自身の反射神経と判断力が物をいう。まさにこれぞアクションゲーム、とも言うべき基本と醍醐味を押さえた設計になっている。

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▲ご覧の通りの実機と自作ROMカセット!(&ミニスーファミ)

実際のスーパーファミコンソフトと同じ開発環境で制作されているのもあり、グラフィックのテイスト、音楽、演出も”らしさ”がある。ゲームとしてもコンセプトの明瞭さ、操作性の良さもあって遊びやすく、万人が楽しめる作りにまとめられている。何より、主人公のタコの少女とドロボー猫がとても可愛く、ほのぼのとした雰囲気を引き立てている。

リリース時期は未定だが、実際にスーパーファミコン用ソフトとして出すとのこと。そのためにどんな手続きを踏めばいいのかで難義しているようだが、実現すれば大きな注目を集めることになるのは間違いない。昨今、稀少な作品の復刻が盛んに実施されているスーパーファミコン界隈に彗星の如く現れるかもしれない一本。今もなお、スーパーファミコンを遊ばれているプレイヤーなら見逃せない作品だ。
(シェループ)

公式サイト: http://pagam.es/

『アクションゲームツクールMV』 トークセッションレポート

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今回のデジゲー博では、Steamにてアーリーアクセス版が配信中のアクションゲーム制作ツール『アクションゲームツクールMV』も展示された。
更に午後14時から30分に渡り、同ツールを用いて探索型アクションゲームの『LA-MULANA 2』の再現に挑戦したことをテーマとするトークセッションも開催。

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▲司会進行の浅井氏(右)、NIGOROの楢村氏(左)

司会進行は汎用2Dアニメーションツール『OPTPiX SpriteStudio』のウェブテクノロジ・浅井氏が務め、他に角川ゲームスよりプロデューサーの最上氏、グラフィッカーの門田氏、そして『LA-MULANA 2』を制作したNIGORO代表でディレクターの楢村氏が参加した。

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今回の『LA-MULANA 2』の再現プロジェクトは、アクティブゲーミングメディア(PLAYISM)・水谷氏の「アクションゲームツクールMVにLA-MULANA2を移植してみよう」の一言から始まったという(※なお、水谷氏は当日、中国の上海で開催されていた「Weplay」に出張中であった関係で不在)。

digigame-expo-2018-24▲『LA-MULANA 2』の再現に取り組んだ門田氏(右)とプロデューサーの最上氏(左)

再現には角川ゲームスの門田氏ただ一人が取り組み、楢村氏からSpriteStudioで制作したグラフィックの素材データを受け取ってから、二週間ほどで完成させた
当初は「世界樹の根」のガーディアン(ボス)「ファフニール」を作って欲しいとのことだったが、制作規模的に「きけんがあぶない」と想定されたことを鑑み、同じエリアに登場するルームガーター(中ボス)「ラタトスク」の再現に転換したという。また、再現に当たって楢村氏からグラフィックの素材データは提供されていたものの、アルゴリズムなどの内部仕様はプログラマーが管理している関係から提出を望めなかった。そこで門田氏はパソコンのディスプレイ片側に『LA-MULANA 2』を表示させ、もう片側に『アクションゲームツクールMV』を表示し、ゲーム側でキャラを動かして様子を見ては仕様を割り出すという、目コピ作業で再現に取り組んだようだ

更に背景もゲーム側で撮影したスクリーンショットを用い、多重スクロール周りを省いた上で実装したとのこと。その制作裏が語られた時はセッション観覧者から笑いが起き、進行の浅井氏もヒヤヒヤしてしまうたほどだったが、完成したアクションゲームツクールMV版『LA-MULANA2』は非常に高い完成度でオリジナルを再現しており、二週間もあればこれほどのものが作れるということを見せつけていた。楢村氏も再現度合いの高さには驚いたようで、改めてツールに秘められた底力を実感させられたようだった。

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再現に当たって、アニメーションやアルゴリズム周りにどのような工夫を凝らしたのか、実際にツール側を操作する形でその裏側も紹介された。特にアニメーションに関してはツールがSpriteStudioに対応しているのもあって、頂いたデータを読み込むだけで、(細かい調整こそ必要だが)それほど手を煩わせることなく作れたという。

digigame-expo-2018-26▲ツールの機能を用いて残像を再現。

また、実際のラタトスクと戦ってみると分かることだが、この中ボスは残像を出しながら横に高速移動する。この残像にも当たり判定が存在し、オリジナルではキャラクターを複数同時表示する形で残像を作っていたが、こちらはツールの残像効果を付ける機能を用いて表現。ただ、当たり判定を付けられなかったので、専用のオブジェクトを吐き出す形で当たり判定を作ったとのことだった。この残像効果を付ける機能は最近のアップデートによって追加され、ON/OFFの切り替えも容易になったとのこと。関連して”月下”のようなゲームを作る難易度も下がったとのことだったので、作ってみたい思いをお持ちのユーザーは、この機会に挑戦してみてはいかがだろうか。なお、本物の月下のようなゲームを作るとなれば、東京のミッドタウンにまで足を運ぶ必要が生じるだけでなく、本格的に再現して一般公開なんてすれば、普通に怒られるので注意されたし。(余談も余談だが、”月下”は最近、現行機で遊べる最新版がリリースされたので、未プレイの方はぜひ、この機会に。)

他にもセッション中には楢村氏が実際にプレイし、その最中にプレイヤーキャラクターの無敵時間の設定が気軽に行えることが紹介されたほか、難易度、着地時に埃が舞うエフェクトもしっかりオリジナルから再現されていたことに笑みを浮かべる一幕もあった。

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ツールの製品版がいつ頃リリースになるかは現時点でも未定で、当面、アーリーアクセス期間が続くようだが、それを活かして今後は更に機能の拡張を図っていきたいとのこと。ユーザーからの不具合の報告、欲しい機能のリクエストも随時受け付けているとのことだ。また、チュートリアルの実装が完了した現在は、データベースの実装に向けて取り組んでいる模様。実装されればアクションRPG、探索型アクションを作る難易度も大幅に下がるようなので、今後のアップデートを期待したい。

また、本ツールに対応したSpriteStudioも、新たな個人開発者向けライセンス『SpriteStudio Personal』が年明けリリース予定とのこと。機能周りはプロ向けの同ツールを踏襲し、月額880円と財布を傷めない程度の設定で提供したいとのことなので、2Dゲーム制作に取り組んでいる開発者の方は関連情報をチェックしてみて頂きたい。

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最後に楢村氏より、ゲームを作るには自分に合っているツールを見つけることが重要なので、こういう機会に触って確かめ、理想的なツールを見つけ出して欲しい動きを付けるに当たって大変なところはSpriteStudioを使うといいかもしれないと、これから小規模なゲームの制作に取り組もうと考えている人に向けたメッセージが送られ、トークセッションは終了となった。楢村氏も今後、同ツールを使って何らかのアクションゲーム制作に取り組んでみたいとの展望を語られていたので、今後の進捗に注目したいところだ。

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ちなみにブースでは、SpriteStudioのビギナーズガイドも配布されていたが、セッション開始当時には全て無くなってしまっていた。代わりにもぐらゲームスの運営元も居を構える東京・飯田橋のJR総武線改札口で見れる「あの作品」をインスパイアしたステッカーが残っていて、自由に頂くことができました。さてはシンパだな、オメー。
(取材・撮影:シェループ)

公式サイト: https://tkool.jp/act/


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    シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence
    ブログ:Box Diary

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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。